京都大学では、天文学の新しい時代を切り拓くべく、野心的な望遠鏡プロジェクトを、国立天文台と推進しています。東アジア最大の口径3.8mの光学赤外線望遠鏡を、
世界初の新技術で開発し、日本で最も晴天率の高い岡山県浅口市・矢掛町(国立天文台岡山観測所の隣接地)に建設するという計画です。
設置後は、京都大学を中心に、国立天文台、全国の関連大学と連携して運用する予定です。
◆3.8m望遠鏡が切り開く新しい天文学
東アジア地区には2.5m以上の口径の光学赤外線望遠鏡がありません。従って、この地域の夜空で突発的に発生した天体現象(例えば星の大爆発現象)
についてはこれまで詳しい観測データを得ることができませんでした。3.8m望遠鏡は、超軽量架台という新技術を採用することにより、
突発天体が発生したときすぐに目的の天体に望遠鏡を向けることができるのが特色です。
そのため、ガンマ線バーストと呼ばれる宇宙最大の謎の爆発現象の解明が進むと期待されます。ガンマ線バーストはブラックホール発生の際に
起きると予想されていることから、ブラックホールの発生の謎が解明されるかもしれません。また、この望遠鏡は長時間モニター観測にも使用できるので、
太陽系外の惑星探査にも適しています。生命のいる惑星を世界で最初に発見したい、というのが私達の夢です。
◆世界初の新技術
3.8m望遠鏡は、(1)研削加工による鏡製作、(2)分割鏡方式、(3)超軽量架台、という日本では初めての技術を独自に開発して製作します。
とりわけ、研削加工による天体望遠鏡用の鏡製作は、世界初の新技術です。ここで培われた技術は、将来の超大型30m〜100m級望遠鏡の基礎技術となり、
天文学の発展だけでなく、日本の産業界にも大きく貢献することでしょう。
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