今回は2006年1月13日〜1月21日にかけて取得したデータを用いた。
今回の補正方法も、水蒸気量と温度を同時に補正する方法である。補正した結果を下に示す。
補正前
補正後
今回の補正に用いた式は、
デジタルセンサー:(補正値) = (測定値) - 0.000286165 × (水蒸気量) - 0.0971378 × (温度)
静電容量センサー1:(補正値) = (測定値) + 0.0000101985 × (水蒸気量) + 0.00452999 × (温度)
静電容量センサー2:(補正値) = (測定値) + 0.0000449776 × (水蒸気量) + 0.0059221 × (温度)
静電容量センサー3:(補正値) = (測定値) + 0.0000149973 × (水蒸気量) + 0.00782665 × (温度)
静電容量センサー4:(補正値) = (測定値) + 0.00000565049 × (水蒸気量) + 0.00516191 × (温度)
デジタルセンサーについて今までに用いた補正係数を比較すると、
水蒸気量の係数 | 温度の係数 | 水蒸気量範囲 | 温度範囲(℃) | |
2005/11/30- | 0.000490675 | 0.0698424 | 750〜1150 | 13〜16 |
2005/12/26- | 0.000364520 | 0.0328172 | 720〜860 | 11.4〜12.2 |
2006/01/13- | 0.000286165 | 0.0971378 | 650〜950 | 11.4〜12.6 |
データセットごとの補正係数のバラツキが大きい。
測定データの40000カウント付近には湿度とセンサーの値にパルス状の変動が見られる。このうち、湿度の問題の場所を拡大した図は、
図を見るとわかるように、湿度の変動はパルス状のものではなく、30カウント(約3分)程度に渡ったものであることがわかる。これはノイズと言うよりは、誰かが実験室のドアを開けたことなどによる実際の環境の変化ではないかと思われる。
しかし、デジタルセンサーの問題の部分は湿度とは様子が違う。
拡大した図を見るとわかるように、センサーの値の変動時間は湿度より短い。また、ピークの位置もずれている。変動の始まりは湿度に比べ2カウント(約10秒)遅れているが、ピークは湿度より2カウント早く、すぐに変動は収まっている。
デジタルセンサーは湿度(水蒸気量)の変化率に反応しているのかもしれない。
このように、湿度とセンサーの変動が同期していないためか、デジタルセンサーは補正した後もパルス状の変動が消えなかった。
補正後
環境の急激な変動にセンサーがどんな反応を示すかを見るために、測定中に人為的に環境を変化させる実験を行う。また、補正係数のバラツキの度合を見るために、さらに多くのデータセットを取りたい。