測定値のジャンプの原因

これまでの測定の中で、デジタルセンサーの測定値が突如ジャンプし、そのままの値を維持し続けるという現象が何度も起こっていた。下にその例を一つ示す。
ジャンプの例
上の例の場合、60000サンプリング目を過ぎた辺りでジャンプが発生している。この様なジャンプが発生すると、温度・湿度での補正がうまくいかないという問題があり、解決の急がれる課題であった。

この様なジャンプの原因として、今までにGNDの変化、校正曲線の変曲点の影響、など様々な仮説があった。今回は様々な外的な刺激を与え、どのような場合にジャンプが発生するのかを調べた。

実験方法

今回は次の4つの刺激を与えてみた。

  1. GNDを手で触る
  2. センサーヘッドとコントロールボックスをつなぐケーブルを曲げる
  3. センサーヘッドに息を吹きかけて温度と湿度を変化させる
  4. 測定場所の近くで飛び跳ねて振動を与える。
また、1サンプリングあたりの時間を1秒程度にして、1000サンプリング(約20分)の間測定することを繰り返した。

測定結果

4回測定した結果を以下に示す。
測定結果1 測定結果2 測定結果3 測定結果4

これらの結果から次のことが言える。

ただし、1回目の測定で息を吹きかけたとき、誤ってケーブルに触れてしまった。デジタルセンサー4(青)のジャンプはそれが原因の可能性がある。

その8でジャンプの原因をGNDの変化ではないかとしているが、GNDを手で触るときケーブルを触っている可能性が高いのでGNDの変化が原因とは断言できない。むしろケーブルへの接触が原因の可能性が高い。

ケーブルが曲がることでジャンプが発生する理由として次のことが考えられる。このデジタルセンサーは、コントロールボックス内でサンプリング時間の長さ(現在は350μs)の step function を発生させ、その step functionの電圧が一定以上のときに周波数をカウントしている。ケーブルが曲がることによって step function の長さが変化してしまい、それが測定値に影響していると考えられる。

対策として、ケーブルをしっかりと固定することが考えられる。

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12/May/2006. sakai@kusastro.kyoto-u.ac.jp