測定値のジャンプ

2月17日〜2月27日のデータと、2月27日〜3月9日のデータの2つを下に示す。

2月17日〜2月27日のデータ 2月27日〜3月9日のデータ

この二つのデータを取得する際、条件は変えてはいない。しかし2月17日〜2月27日のデータには60000サンプリング目過ぎに、特に環境の変化が無いにも関わらず、測定値の大きなジャンプが見られる。一方で2月27日〜3月9日のデータには、そのような測定値のジャンプは見られない。

このジャンプの原因は、センサーのグランドを触るなどしてグランドが変化したのではないかと考えられる。(現在のグランドは、治具、架台とセンサーのグランドをつないだものであり、本当の意味で"接地"しているわけではない)

そこで、測定中にグランドを手で触ってみるという実験を3月12日〜3月22日に行った。その結果を以下に示す。
3月12日〜3月22日のデータ

13000サンプリング付近と、42000サンプリング付近でグランドを手で触った。上の図から明らかに手で触った時点で測定値のジャンプが起きている。これはグランドに"人体"というある程度の電気容量を持ったモノが接続されることでグランドが乱されたからだと考えられる。

取り敢えずの対策として、グランドを水道の排水管にも接続し"接地"するようにした。実際に望遠鏡に取り付けて使用する際には、グランドを慎重に決める必要がある。

温度の補正に関する問題

"非接触センサーの補正 その6"で温度の補正には、センサーヘッドの温度ではなくコントロールボックスの温度を使うのがよいという結論を出した。その根拠が「コントロールボックスにエアキャップを巻いて断熱したところ、コントロールボックスの温度が上昇したと同時にセンサーの測定値も上昇した」というものである。(下図参照)

しかし、エアキャップを巻くときにコントロールボックスのシャーシ(グランドに接続している)に手で触っており、断熱した後の測定値のジャンプはグランドに触ったことが原因ではないかと考えられる。よって、"非接触センサーの補正 その6"で出した結論の根拠が揺らぎ、温度補正についてはセンサーヘッドとコントロールボックスのどちらの温度を使えば良いのかは再実験の必要がある。

<<その7へ <トップへ> その9へ>>


12/Apr/2006. sakai@kusastro.kyoto-u.ac.jp