これまでのFEM解析 (ホイッフルツリー設計) より、 実際の構造にあうような変更を加えた構造でモデル計算を行い、 制御機構や支持構造を検討するうえで必要な弾性係数・固有振動数を求める。 変更する点には以下のようなものがある。
"No Separation" による接触面定義が今回のような回転軸受けのような構造に適用可能かどうかを検証する。 利用している回転軸受けはミスミの PHSOMN18A である。
検証用のモデルは次の図のように作成(中心軸回転対称な構造)し、 以下のような条件を置いた。 この場合、期待される結果は、玉付き棒の球の部分が回転するような変形が発生するというものになる。
結果は次の図のようになり、想定していた結果が得られた。 よって、このモデルは今回の目的とする構造に適用可能であるといえる。
これまでに存在するCADを一部変更する形でデータを用意し解析を行った。 変更点と変更後のファイルは(回転軸受け部位外については)以下のとおりになる。 回転軸受け部はミスミの PHSOMN18A にあうよう、31.75mmの(円柱穴付き)球体を内側に配置し、 その外側部分の高さを両側合わせて6.3mm分だけ減らす変更を行った。
なお、変更に伴い画層をいくつか追加しており、それらは以下のような構造物に対応する。
また、解析に利用した画層は、base, joint, tree1, tree2, tree2-joint の5つである。
FEMの結果は以下の図表のようになった。 なお、固有振動数は質点部分が最も駆動方向に動くモードのものとする。
ホイッフルツリー | 質点部分の移動量 | 固有振動数 | 定義図 | モードの図 | 動画 |
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内周内側 | 9.4 [μm] | 163 [Hz] | ![]() |
![]() |
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内周外側 | 6.3 [μm] | 205 [Hz] | ![]() |
![]() |
AVI |
外周内側 | 6.4 [μm] | 202 [Hz] | ![]() |
![]() |
AVI |
外周外側 | 7.0 [μm] | 191 [Hz] | ![]() |
![]() |
AVI |
FEMの結果は以下の図表のようになった。
ホイッフルツリー | 接続点移動量 | 定義図 | 変形状態動画 |
---|---|---|---|
内周内側 | 2.66e-5 [mm/N] | ![]() |
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内周外側 | 1.83e-5 [mm/N] | ![]() |
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外周内側 | 1.79e-5 [mm/N] | ![]() |
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外周外側 | 1.90e-5 [mm/N] | ![]() |
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