prove 1:Broad Band Filter を想定して検証


  広帯域フィルター(Broad Banf Filter:BBF)を想定して、透過型AOの可能性を検証します。
望遠鏡を透過する波面位相を平面でfit し、その平面からの残差が±π/2よりも大きい位置にマスクをかけます。(平面でfit => tip-tilt に相当します)位相のずれは波長に依存するため、波長幅が広い場合には±π/2のみでマスクのカットを決めることになります(2nπの差を同位相とみなせない)。

基準を800nmとし、±200nm(つまり、600nmと1um)で同じマスク、平面fitでPSFの回折リングが見えるかどうかを確認して検証を行います。

また、使う大気レイヤー群は、2種類用意しました。各場合の、800nmの位相マップの移り変わりは以下のようになりました(10枚置きをアニメーションにしました。時間は2倍(0.4s毎)になっています)。
 

まず、大気レイヤー群1の場合(上の2つの内左図の方に対応)、透過マスクは右の図のようになりました。透過率は44.4 -- 68.1 [%]の範囲です。マスクは800nmにおける位相平面からの残差を基に作成しています。
このマスク、及び800nmの位相平面を使って800nm及び600nm、1umでのPSFのを調べると以下のようになりました。

600nm800nm1um
PSF Animation
Integrated PSF

1.0s間分を積算したPSFは、800nm±200nmの範囲内で、回折リングが見えています。
これより、BBFでのAOは可能であると考えられます。

たまたまかもしれないので、別の大気レイヤー群を用いて検証します。
大気レイヤー群2の場合(上の2つの内右図の方に対応)、透過マスクは右の図のようになりました。透過率は42.3 -- 69.2 [%]の範囲です。マスクは800nmにおける位相平面からの残差を基に作成しています。
このマスク、及び800nmの位相平面を使って800nm及び600nm、1umでのPSFのを調べると以下のようになりました。

600nm800nm1um
PSF Animation
Integrated PSF

1.0s間分を積算したPSFは、800nm±200nmの範囲内で、先ほどよりははっきりとは見えませんが、回折リングが見えています。



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