岩室の主な仕事と最近の状況 (2023年版)

2022年版


観測
装置

せいめい望遠鏡
  • 分割鏡間の位置の違いを光学的に調べる位相カメラは、望遠鏡第3鏡のモーターが故障して手動切り替えとなったため、調整作業などは一時中断。
    4月上旬に第3鏡モーターの修理も完了したので4月末の主鏡清掃後にハーフミラーの再調整を行い、現在のセグメント間段差を計測する予定。
    過去数回の計測ではほぼ整合性のある結果が得られているので、それが確認できれば次の休止期間に各セグメントをどれだけ上下させればいいかの現在値が提示できるはず。

拡張フーコーテスト
  • 修正研磨されたバイコニックミラーの超精密3次元測定機での機械計測を行い、拡張フーコーの結果と併せてバイコニックミラー2枚4面が目標形状に対し p-v で概ね±1μm 以内に収まっていることを確認し、大型バイコニックミラーの製作は一区切り。
    拡張フーコー法は安価なシステムで±0.5μm 程度の精度での凹面バイコニック形状の計測ができることが確認できたので、まとまった時間が取れれば論文化できそう。

近赤外相対分光器
  • 4年連続で予算獲得に失敗しているが、ハワイ観測所からの利用済検出器の譲渡に向けての手続きは進めており、この話が進めば突破できる可能性は少しはありそう。一度止まったプロジェクトの再開は本当に大変だ...

可視高分散分光器
  • 製作が難しいバイコニック面での設計をやめて、通常タイプの設計に変更し技術面でのハードルを減らしたが、今度は「分光器が普通過ぎる」とコメントが出た。特徴のある装置であれば技術的ハードルは上がるし、それを下げると特徴は無くなるので、こちらも落とし所がなかなか見えてこない...
サイ
エンス
  • 名越くんのクェーサー変光論文が完成、主系列と呼ばれる典型的な状態を挟んで変光状態が行き来することが判明した。
  • TriCCS の画像解析ソフト分光版 / 撮像版の整備を進めたが、分光版の完成には装置内迷光問題の解消が必須でもう少しかかりそう...
  • KOOLS の画像解析ソフトは、bias を S/N の高いテンプレートと観測日当日の bias を融合して処理する方法に変更し、少し S/N が向上した。
  • ZTF 6TB の parquet 形式の全データを、直接 C プログラムで操作して展開。Dec>-10,° |b|>20°, 観測回数10回以上の領域に限定しても全データを展開すると 6TB になってしまった。ファイル数も7億に達し、inode 領域が枯渇するという事態に初めて遭遇した。ls するだけでも1日かかるので、データ量もこの規模になると普通に扱うだけでも大変だ。ここから増光中の通常銀河が拾い出せるかどうか...
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講義
など
物理学基礎論A
活動銀河
宇宙科学入門
課題演習/課題研究
MINET
  • 左の通り。課題演習C2と今年度は課題研究S4の選択者が居なかったのでS1のお手伝い。何をするかは未定...
  • MINET に関しては、4年に1度の教室サーバー総入れ替えの大作業が完了。mailman が全く変わってしまったのでテストサーバ構築段階までは結構大変だった。とにかく、この分野は色々と進化が早くて対応が大変だが、まだ何とかできている。学部端末の buntu 更新作業を MINET 委員にしてもらったが、とにかく起動が遅くてそろそろこちらも総とっかえ必要かも。
  • MINET への質問は簡単なら minet-help@kusastro...、深刻なら minet-admin@kusastro... まで。
その
京都混声
  • 創立98年と歴史(だけ?)は立派な合唱団だが、コロナで激減した団員が以前の7割程度にまで回復してきた。
    6月4日に他2団と合同でメサイア演奏会を予定しており、その次はとうとう100周年記念演奏会だ。
    それまでに以前の状態まで回復できるのかが心配で、再度強力なコロナが来ないことを祈るのみ...