岩室の主な仕事と最近の状況 (2022年版)
2021年版
観測
装置
せいめい望遠鏡
分割鏡間の位置の違いを光学的に調べる位相カメラは、これまで EL=90°限定での計測だったものが、EL=30°まで任意の EL で計測できることが確認できた。また、カメラユニットからの画像転送に失敗しても、位相スキャンの計測が中断しないようにソフトを改良するなど、観測時の利用に向けての準備を少しずつ進めている。
拡張フーコーテスト
修正研磨されたバイコニックミラーの計測を行い、修正研磨による鏡面形状の変化を概ね計測することができた。測定システムにも新たな問題は発生せず、計測システムとして一応の完成形となった感じだ。今年の6〜7月に2回目の超精密3次元測定機での機械計測を予定しており、修正研磨後の形状と拡張フーコーの計測精度の確認(2回目)ができるはず。これが完了したら何とか論文化しようかと思う。
近赤外相対分光器
3年連続で予算獲得に失敗し、そろそろ打つ手無しの状態になりつつある。ハワイ観測所からの遊休検出器の譲渡&科研費獲得という2つの壁があるため、どちらかの審査で一方がマイナスに作用するというデッドロック状態になっているように感じられるが、ハワイ観測所からの遊休検出器の譲渡に関しては、科研費獲得の有無は考慮せず審査してもらえそうな感じなので、検出器の側から突破できないかもう少しだけ粘ってみることにする。
可視高分散分光器
製作が難しいバイコニック面での設計をやめて、通常タイプの設計に変更し技術面でのハードルを減らしたが、今回も予算が付かず進展なし。
サイ
エンス
TriCCS の画像解析ソフト
を製作、観測視野中の天体の同定・歪曲補正・キャリブレーションなどをほぼ自動化処理できるようにした。
KOOLS の画像解析ソフト
は、波長較正や縞パターン除去の部分でかなりの修正があり、より良い結果が出せるようになった。
ZTF 4.5TB の parquet 形式の全データを、直接 C プログラムで操作して milliquas Quasar カタログと比較照合、かなりの増光中の天体があることを確認している。中には可視光で非常に暗い IR quasar だったものが急激に増光して通常の Quasar になりつつあるものも含まれているので、今後もまだまだやることはありそうだ。
月曜雑誌会の資料は
こちら
講義
など
物理学基礎論A
活動銀河
宇宙科学入門
課題演習/課題研究
MINET
左の通り。課題演習C2と課題研究S4のダブル担当は後期には結構負担。
MINET に関しては、岡山天文台のサーバがこれまでは教室利用のお古だったので、最新パーツで構成したものを追加投入、大量転送やリモート観測時のサーバ加熱問題は解消された。バックアップサーバのシステムを Debian11 にすれば作業は完了なので、次回岡山での観測時に観測中の並行作業でこれを行なう予定。その後は教室サーバの更新という大作業が待っている...
MINET への質問は簡単なら
minet-help@kusastro...
、深刻なら
minet-admin@kusastro...
まで。
その
他
京都混声
創立97年と歴史(だけ?)は立派な合唱団だが、団員の年齢層が高く、コロナの影響で皆休団したため実質的な団員数が 1/3 に激減してしまった。コロナの耐えモードでの活動も2年となり、これが通常のような状態になりつつあるが、他の2団体との合同で2023年にメサイアを演奏する準備を整え、徐々に復活しつつあるかなという状況。