岩室の主な仕事と最近の状況 (2021年版)
2020年版
観測
装置
せいめい望遠鏡
分割鏡間の位置の違いを光学的に調べる位相カメラは、インストゥルメントロテータ側に移設してようやく最終形態になりつつある。カメラシステムの向きや主鏡上のハーフミラーの角度調整を行い、セグメント間の段差を24ヶ所で同時計測できることを確認した。今後は主鏡の段差が小さく調整されていくにつれ、計測の安定性を高めるための修正作業を進める予定。
京大からリモート観測できるようにした。
拡張フーコーテスト
拡張フーコー法は問題点を大体克服し、まずまず使える状態となった。測定対象のバイコニックミラーは超精密3次元測定機での機械計測も行い、拡張フーコー法の測定結果が正しい事も確認できた。今後、ミラーを修正研磨して再度拡張フーコー法と機械計測の比較が完了すれば論文化できそうな感触。
近赤外相対分光器
基盤Aで近赤分光器を作るというとんでもなく金欠な開発を始めたが、尽きたお金の確保に2年連続で失敗し結構まずい状況。ギリギリの予算でものづくりを始めるとひどい目にあうという事を学習した。
バイコニックミラーは、興味を持つ企業関係者が現れたため、超精密3次元測定機を用いて
無料で
形状計測してもらうことができたが、片方のバイコニックミラーは加工されている2面の相対位置関係がかなり設計値から外れた状態であることが判明し、なかなか研削での非球面加工は簡単ではないと実感した。
可視高分散分光器
残念ながら今回も予算が付かず、進展なし。その内にドーム内での置き場所が無くなりそう...
サイ
エンス
KOOLS の画像解析ソフト
を新ファイバーバンドルに対応させた。ほぼバグも出尽くした感があるので安心して使えると思います。
CLQ は名越くんと和田くんが1本ずつ論文を出すことができたので、ちょっとは研究の形になってきた状態。現在は ZTF の 2TB カタログと DECaLS DR9 の 1TB カタログで、課題研究の学生も交えて研究進行中。
月曜雑誌会の資料は
こちら
講義
など
物理学基礎論A
活動銀河
宇宙科学入門
課題演習/課題研究
MINET
左の通り。課題演習C2と課題研究S4のダブル担当は後期には結構負担かも...
MINET に関しては、昨年度末の余ったお金で 12TB の HDD を沢山購入し、ファイルサーバの /home の容量を 6TB から 12TB に増やした。また、Debian stretch のサポートがあと1年少しなので、今年度は新サーバを準備する必要がある。新サーバ用に昨年度先行して1台購入した PC は、排熱力に問題があって高負荷時の CPU と 128GB メモリの加熱に耐えられず、すぐに CPU がピーピー言う。熱伝導グリースの追加や排気ファンを大型化してまずはこれを何とかしないと。
MINET への質問は簡単なら
minet-help@kusastro...
、深刻なら
minet-admin@kusastro...
まで。
その
他
京都混声
創立96年と歴史(だけ?)は立派な合唱団だが、団員の年齢層が高く、コロナの影響で皆休団したため実質的な団員数が 1/3 に激減してしまった。昨年の緊急事態明けの練習からは、大型の工場扇に計算機室にあるようなビニール袋ダクトを取り付けて、かなりの強制排気を行いながら練習しているが、毎回の準備とかなかなか大変...