分光器が望遠鏡に対して傾いたり、平行移動する事による、
- micro pupilの移動
- 見ている位置の移動
※例えば、micro lens 一つがオブジェクトのどの地点を
見ているか等。
これが大きいと、望遠鏡のガイド系では補正できない
視野の移動が起きる。
などの影響を考えます。
望遠鏡の姿勢が変化する事によって、分光器と望遠鏡の位置関係は
平行移動: 10-30μm
傾き : 〜 20μm / 50cm 〜 4x10-5 rad. 〜 8"
のオーダーで変動する(アダプターに補強を付けた場合の計算結果を
参照)。
(1)傾き
※ここで言う傾きとは、
望遠鏡焦点面と分光器光軸の交点を中心とした傾きを指す事にします。
- 見ている位置への影響:なし
- micro pupilの移動
分光器から見た副鏡の位置が動くことにより、pupilの位置も移動します。
副鏡の移動は、副鏡までの距離を20m(適当)として、
4x10-5 x 20m = 800μm
程度であり、これは副鏡のサイズ(〜1m)に比べて十分小さく、
pupilの移動はほとんどない。
※傾きによる結像性能への影響はもちろんありますが、
結像性能から評価した取付精度に対する要求が 20'-30' であることを考えると、
影響はほとんどないと考えられます。
(2)平行移動
- 見ている位置への影響
天体のある一点から来た光が望遠鏡焦点面において像を結ぶ位置が、
分光器に対して10-30μm程度移動するが、
焦点面スケール 〜0.5mm/arcsec を考えると、これは
20x10-3 (mm) / 0.5 (mm/arcsec) 〜 40 mas.
程度の位置ずれであり、実際上ほとんど問題ない。
- micro pupilの移動
上と同様、分光器から見た副鏡の位置が動くことにより、pupilの位置も移動するが、
〜1m に対して 10-30μm なので、問題ない。
結論 :
分光器が全体として傾いたり平行移動する事による姿勢差への影響はほとんどない。