研究紹介 太田 耕司(おおた こうじ)(京都大学大学院理学研究科 助教授)

  昔は主に現代の銀河を研究していましたが、今は古代銀河史、中世銀河史の研 究を行っていま す。ちなみに古代とは宇宙年齢10億年頃を指しています。 銀河がどんなふうにできたのか、どんなふうに進化してきたのかをいろいろな 角度から総合的に調べています。最近は、もっと昔の天体を探るべく超遠方 ガンマ線バーストの探査にも首を突っ込んでいます。これらを通して、 宇宙における銀河形成と星形成の時代絵巻を描いていきたいと思っています。

  また、X線の研究者と共同しながら、X線源の光学追求観測を行っています。 目的は宇宙X線背景放射の起源の解明、活動銀河中心核の探査とその宇宙論的 進化等です。これを基礎として、最近関心があるのは、2型クエーサー(ダス トに深く埋もれたクエーサー)や狭輝線セイファート銀河(銀河中心に存在してい るブラックホールが成長途上にあると考えられているもの)です。クエーサー は宇宙初期では銀河形成と関連している可能性があり、この点で上記の銀河 史研究とつながってくると考えています。

  主に可視、近赤外、電波での観測を行っていますが、他の波長域にも関心が あり、波長横断的な研究を好みます。また、上記の仕事に関連して、現在、 すばる望遠鏡の第2期共同利用観測装置で ある、ファイバー多天体分光器 (FMOS)の推進や岡山新天文台計画に参加しています。



http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~ohta