観測結果

2001年1月に3DIIを赤外シミュレータに取付けてテスト観測を行っ た際に、ファブリペロモードにおいてはオリオン星雲について Hα、[NII]、He I、[S II]輝線波長を含む波長スキャン観測を 行った(Fig. 5)。 実際に得られたデータは空間的にオーバーサンプリングとなっているが、 これは、すばるで予想される状況に大雑把に対応している。 我々はデコンボルーションを用いることにより、オーバーサンプリン グが、高空間分解能の情報を得るために有効であることを示すことが できた(Fig. 6とFig. 7)。 高分散エタロンについては時間的な都合から赤外シミュレータでの観測 は行わなかったが、この高分散においても第1号機での経験から問題無 いことがわかっている。 高分散エタロンについての解析に関しても方法が確立しており、実際 3DIでのNGC 4151の観測では詳細な速度と速度分散の空間分布を示すこ とができた(Ohtani et al. 1997)。

図5 3DIIを赤外シミュレータに取付けて取得したオリオン星雲のファブリペロスキャンデータから得られた輝線像。
 


図6 Hα輝線+連続光の画像と、それをデコンボルーションした画像。
 


図7 図6のデコンボルーションした画像とHSTにより得られた画像の比較。デコンボルーションによって見い出される細かい構造がリアルな構造であることがわかる。