ハード的なインターフェイス

国立天文台との協力のもと、すばる共用コンテナの製作を行った。 このコンテナは、3DIIのみならず、将来他の観測装置グループがすばるに 新しい装置をつけることになった場合に、その装置用のアダプタさえ作れ ばそのまま使用できる、という思想で設計された (Fig. 20)。 コンテナは、CIAXに合うように設計されている。 共用コンテナに対する3DII用のアダプタも製作した。 この際の最も大きな困難は分光器取付け面と望遠鏡フランジの間にはわずか 10 mmしか残されていなかったことだ。 アダプタのたわみを〜 40μmまでおさえるために、我々はANSYSを 用いて、箱型のアダプタを設計・製作した。 我々は、三鷹において実際に分光器とアダプタ、アダプタとコンテナ、コン テナと光学シミュレータ間の全てのかみ合わせテストを行い、問題無いこと を確認した(Fig. 21)。 また、コンテナにつける共用の制御系ラックの製作も行った。 このラック内には、コンテナ内に配置される熱交換器とは別に、もう1台の 熱交換器が配置され、排熱を行う。 UPSはカセグレン焦点に供給されているものを用いる。 なお、コンテナのみの重量は〜710 kg(コンテナの断熱のための壁・床、 それとおもり等含まない) であり、これに3DIIを搭載した場合の総重量は分光器の重量 150 kgとアダプタ〜200kgや制御系を加え、1.2 tonほどになる。

図20 すばる共用コンテナと3DIIアダプタの模式図。コンテナは、他の観測装置グループもアダプタさえ用意すれば使用可能である。


図21 分光器とアダプタ、アダプタとコンテナ、コンテナと光学シミュレータ間のかみ合わせテスト。