グリズム

360 nmから900 nmという広い波長範囲をカバーするために、 IFSモードと長スリットモードにおいて、我々は分解能 R≡λλ〜 1200の 低分散グリズム5個を使用する(Fig. 8)。 目的の波長を観測するために、グリズムウィールから適したグリズ ム1個をリモートで選択する。 上述の分解能は、銀河における輝線・吸収線の検出やフラックス測 定に適している。 可視光全波長域をカバーすることにより、ある天体について同じ観 測装置で全波長のスペクトルが得られるだけでなく、ある特定の輝 線・吸収線に着目したときにサンプル銀河の赤方偏移を連続的に網 羅することもできる。 グリズムの設計は我々が行い、製作はリチャードソン・グレーティ ングラボラトリが行った。 全てレプリカのタイプで、グレーティング部分は標準のものから選 んだ。 グリズムno. 3に関しては、3DI(Ohtani et al. 1998) に使用しているものを用いている。

図8 IFSモードにおいて5個の低分散グリズムによってカバーされる波長範囲