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宇野 孔起

博士研究員
Columbia Astrophysics Laboratory, コロンビア大学

アメリカ・ニューヨークのコロンビア大学で、超新星爆発をはじめとする天体の「突発現象」を研究しています。 理論モデル・観測・データサイエンスを駆使して、宇宙の謎を解き明かそうとしています。

Research Interests

宇宙は階層的な構造を持っており、銀河や宇宙の網目構造が大きなスケールで、星々は小さなスケールでその基本的な単位を形成しています。 中でも恒星は宇宙の最も基本的な単位であり、元素を合成する工場であると同時に、関連する爆発現象、すなわち「突発現象」を通じて物質のサイクルを駆動するエンジンでもあります。 これらの突発現象は、宇宙の性質を決定づける重要な役割を果たしており、1970年代以来、天文学や天体物理学の重要な研究対象となってきました。 しかし、未だ解明されていない謎も多く残っています。

突発天体はその明るさと短い時間スケールに特徴があります。 2000年代までは、発見される突発現象の多くは超新星爆発や新星爆発という比較的長い時間スケールを持った現象でした。 しかし、2010年代に入ってからの時間軸天文学の始動により、突発現象の発見数は劇的に増加しました。 これにより、予想されていた以上の突発現象の多様性が明らかとなり、恒星進化理論や宇宙の進化に関する重要な洞察を提供し続けています。 さらに、2020-30年代に進行するVera C. Rubin Observatoryの「Legacy Survey of Space and Time (LSST)」サーベイは、突発天体研究の最前線をさらに押し広げると期待されています。 このダイナミックな時代において、従来の突発天体の特性を見直し、新たに発見された天体の特性を明らかにすることが求められています。

私の研究では、これらの突発天体の多様性を理解し、それが宇宙に与える影響を解明することを目指しています。

超新星爆発の模式図

超新星爆発と恒星進化の最終段階

恒星がその進化の終焉に達すると、中心の核反応の暴走や重力崩壊によって爆発し、超新星爆発を引き起こします。 この爆発は非常に明るく、銀河系外で起こった現象であっても観測することができます。 私は、超新星爆発のメカニズムや特性を理論計算や望遠鏡による観測を通じて理解し、 爆発直前の質量放出など、未解明の恒星進化の最終段階に迫ろうとしています。

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FBOTの模式図

Fast Blue Optical Transients

FBOTは、非常に明るく、急激な増光と減光を示す特異な突発天体です。 その時間スケールは超新星爆発よりもはるかに短く、ピーク光度は超新星の100倍ほどに達することもあります。 FBOTは超新星とは異なる物理メカニズム — 例えばコンパクト天体への超エディントン降着と噴出流 — に由来すると考えており、この謎めいた現象は私の主要な研究テーマの一つです。

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潮汐破壊現象の模式図

潮汐破壊現象 (TDE)

恒星が超大質量ブラックホールに近づきすぎると、ブラックホールの強い潮汐力によって恒星は破壊されます。 この現象は潮汐破壊現象 (TDE) として知られています。古典的な描像ではTDEはX線で明るく輝くと考えられていましたが、 新世代のサーベイ観測により、可視光や紫外線で明るいTDEが発見されました。 可視光・紫外線で明るいTDEの放射メカニズムは活発に議論されていますが、いまだ解明されていません。 私は分光偏光観測や多波長観測を用いて、その起源を探っています。

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研究のアプローチ

研究のアプローチ

突発天体の本質を明らかにするため、3つのアプローチを組み合わせています。 理論研究では、オーダー評価から半解析的モデル、数値シミュレーションまでを行っています。 観測研究では、せいめい望遠鏡 (3.8m)、すばる望遠鏡 (8.2m)、Keck望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡などを用いた 迅速なフォローアップ観測を行うほか、ZTF・ATLAS・NEOWISEなどのサーベイデータも活用しています。 さらに、機械学習をはじめとするデータサイエンスの手法を大規模な分光・測光データに適用しています。