講演者名:澤田

タイトル:元素合成から探る、重力崩壊型超新星爆発の爆発機構

アブスト:重力崩壊型超新星の爆発機構の理解は中性子星・ブラックホールの形成過程や宇宙化学進化の理解に直結する。 しかし、第一原理からの数値流体シミュレーションは、未だ観測されているような重力崩壊型超新星の爆発を再現するに至っていない(e.g. Janka 2012)。その原因には計算精度や近似にも課題が残されているが、なによりも現在の超新星爆発物理への理解が不十分である可能性が大きい。
近年の第一原理からの研究では、「爆発エネルギーは長い時間(O(1)[s]) をかければ超新星の典型値1051[erg] まで成長しうる」と示唆されている(e.g. Nakamura et al. 2014)。一方で、爆発エネルギーが1051[erg] まで成長する時間( tgrow ) は、56Ni の合成量に強く影響を与えることが示唆されている(Suwa, Tominaga Maeda 2017)。
以上を踏まえて本研究では、典型的な超新星が再現される「爆発エネルギーの成長時間tgrow 」の範囲について検討した。成長時間tgrow をパラメーターに流体・元素合成計算を行い、56Ni の合成量と観測量との比較を行った。その結果、成長時間tgrow が200[ms] 以下であれば典型的な超新星を再現し得ることが分かり、爆発メカニズムに対して強い制約がかけられた。本講演では、更に44Ti の合成量と成長時間tgrow の相関性、近傍超新星残骸における観測量との比較結果についても報告する