講演者名:猪口 睦子

タイトル:光電離・光解離による分子雲の破壊

アブスト: 星形成効率はどのようにして決まっているのか、というのは星形成分野における大きな謎の一つである。観測から示唆される、低い星形成効率(〜数%; 天の川銀河)を説明するための有力な過程として、分子雲内で誕生した大質量星による”光電離(解離)フィードバック”による分子雲破壊が考えられる(e.g. Krumholz et al. 2006)。これまでに膨張する電離領域のダイナミクスについてはよく理解されており、様々な質量・面密度の分子雲について星形成効率が理論的に予想されている(Kim et al. 2016)。
しかし、これまでのモデル化においては電離領域外部に形成される分子の解離領域が無視されており、電離ガスと分子ガスのみが存在するという仮定が置かれてきた。解離領域ではダスト光電加熱による温度上昇があり、星形成抑制に寄与する可能性がある(e.g. Inutsuka et al. 2015)。そこで我々は、電離領域の膨張と合わせて、外部の解離領域の熱・化学構造も合わせて解くような準解析的なモデルを1次元球対称の下で構築した。本講演では、まず光電離(解離)フィードバックによる分子雲破壊メカニズムについて説明したのち、モデル化の手法と現状の結果について報告する。