制御実験 7 試験44


フィードバック試験:2012.04.26 (6"/s) - 1段フィードバック

フィードバックをかけながら望遠鏡を動かし、フィードバックが追いつくか、カウント値のばたつきはどの位変化するかを見ました。

前回の試験(こちら)からの変更点は以下の通りです。

フィードバック方法は、1段フィードバック(エッジセンサの値が一定になるように直接アクチュエータを動かす)を用いました。

フィードバックは内周のみ駆動の場合だけ行っています。

以下の図は、全て横軸は時間[秒]、縦軸は
上段:データ全体
中段:前半部分の平均値からの偏差
下段:1つあとのデータとの差分
となっています。また、それぞれの色は、
赤:1番のエッジセンサ…アクチュエータ3番側についている(1回目)
緑:2番のエッジセンサ…アクチュエータ2番側についている(1回目)
青色の線:望遠鏡を動かし始めたところ
水色の線:望遠鏡を止めたところ
となっています(各センサの位置関係はこちらを参照)。灰色の影が付いているところが望遠鏡を動かしている時間になります。
尚、サンプル間隔は0.05秒ですが、それを1秒ごとに間引いたものを表示しています。 サンプル間隔を1秒から0.05秒にしたときの影響については(こちら)を参考。

内周のみ駆動

それぞれラベルにあるように動かしています。
1cnt=8nmで換算。

前回の試験(こちらを参考)よりも、全体的にフィードバック中のばたつきの幅が8割から9割程度に小さくなっています(前回の試験を1cnt=10nmとして換算)。
また、高度による振る舞いの差はほとんど見られないか、低い姿勢の方が若干悪い印象です。

1段フィードバックの有無及び、望遠鏡が駆動している時/停止している時に0.05秒間隔でデータを取得し、スペクトルを見ました。
解析に使ったのはそれぞれ90秒分です。
各線の色は次を表します。

 

1cnt=8nmで換算。
左がエッジセンサ1番、右がエッジセンサ2番の結果です。
望遠鏡が動くことで、〜1Hzの振動が増幅するようです。
停止した状態では概ね振動を抑えることができているようです。

高度による比較

望遠鏡の高度における違いを比較すると以下のようになりました。
左がエッジセンサ1番、右がエッジセンサ2番です。

 

30度になると低周波の成分が抑えられなくなるようです。
また、各高度でのエッジセンサのカウント値の分散は以下のようになりました。
(1cnt=8nmで換算)

90度60度30度
エッジセンサ1番9.6nm8.8nm14nm
エッジセンサ2番9.6nm8.0nm11nm

尚、動かす向きによる差は見られません。 (各高度での比較: 90度・エッジセンサ1番90度・エッジセンサ2番60度・エッジセンサ1番60度・エッジセンサ2番30度・エッジセンサ1番30度・エッジセンサ2番)


サンプリング間隔を1秒から0.05秒にしたときの影響について

一度にデータが取得できる方がよいので、0.05秒間隔で12分間サンプルするとフィードバック制御にどの位影響があるのかを調べます。
まず、同じ『800秒』に読み出すのにかかる時間については、 1秒間隔(800回に相当)の時には801.8秒、0.05秒間隔(16000回に相当)の時には834.9秒かかりました。
読む頻度と遅れは大体比例しているようです。
(読み出すプログラムは書き込み時間+間隔、としているので読み出す負荷としては同じ位)。

また、アクチュエータ用のセンサ、エッジセンサの読み出し値の幅を見ると次のようになっています。
どちらも駆動試験中のデータで、天頂を向いている時、6"/sで駆動中のデータです。
内周アクチュエータはフィードバック制御の為に動いていますが、外周アクチュエータは動かしていません。
各線の色は次を表します。

   

動かしているアクチュエータについているセンサで振れ幅が同程度なのと、 エッジセンサでも1秒ごとのデータを見ると同程度の幅で動いているので、影響は余りないと考えられます。



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