制御実験 7 試験42


ラテラル支持機構の横ずれ計測

ラテラル支持機構の鏡と接触する部分の素材を変え、望遠鏡を傾けて横ずれ量を比較しました。

下農さんのシミュレータで出された許容範囲は、

まず、ダミー鏡の上、内周と外周の境界上に2つのセンサを配置します。
センサヘッドは内周鏡の上、対向板は外周鏡の上に設置します。
読み出しBoxは外周アクチュエータについているセンサ用のものを利用しました。


左のように2つのセンサを配置します。
両脇の2つはradial方向の変位を、真ん中はazimuth方向の変位を測定しています。
左の図にある矢印は、各センサのカウント値が増えた時に外周鏡が変位した方向を示しています。

次に望遠鏡を90度=>30度=>90度と傾きを変え、横ずれ量がどの位化見積もりました。
試験中の内周、外周の段差を一定にして置く為にフィードバックをかけた状態で測定しました。

センサヘッド、対向板共に内周鏡の上に置いておく。

最初に、センサヘッド、対向板共に内周鏡の上において試験を行いました。


各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 17 nm
#2: 1 cnt = 19 nm
#3: 1 cnt = 19 nm
(こちらを参考にした)。

治具を込めたセンサの測定精度として、傾けると2um程度のずれ、0.5nm以下の再現性を持っているようです。

内周、外周共に接着部部分がゴム板

センサヘッドを内周鏡、対向板を外周鏡の上において試験を行いました。
この時、ラテラル支持機構と鏡の接着部分はゴム板のままです以下の写真参考)。



各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 18 nm
#2: 1 cnt = 15 nm
#3: 1 cnt = 15 nm
(こちらを参考にした)。

ゴム板の状態では、傾けると20um程度ずれ、2〜3um以下の再現性を持っているようです。
また、傾けた時の移動方向から、外周鏡が時計回り(内周鏡が反時計回り)に回転、更に外周鏡が左方向(内周鏡が右方向)に移動したようです。
もしくは、回転の中心がセグメントの中心にあっていない可能性が考えられます。

内周鏡の接着部分を金属棒、外周の接着部部分をゴム板

次に、内周鏡のラテラル支持機構と鏡の接着部分を金属棒に交換します。

 

金属棒は2mm角×20mm、3mm角×20mmのものを併用しています。
但し部品個数の問題もあって一部分にだけ入れており、上の右図で水色の部分は2mm角、桃色の部分は3mm角の部品を挟み、黄色の部分には何も挟んでいません。


各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 17 nm
#2: 1 cnt = 18 nm
#3: 1 cnt = 20 nm
(こちらを参考にした)。

金属棒に交換後、傾けるとradial方向に数10um程度ずれ、10um程度再現性がありました。
(Azumuth方向はその傾けて10um程度のずれ、最善性は1um程度。)
また、傾けた時の移動方向から、内周鏡が下方向に移動したようです。

内周、外周共に接着部部分が金属棒

更に、外周鏡のラテラル支持機構と鏡の接着部分も金属棒に交換します。

 

金属棒は2mm角×20mm、3mm角×20mmのものを併用しています。
但し部品個数の問題もあって一部分にだけ入れており、上の右図で桃色の部分は3mm角の部品を挟み、黄色の部分には何も挟んでいません。
(2mm角の棒は使用しなかった。)


各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 19 nm
#2: 1 cnt = 19 nm
#3: 1 cnt = 20 nm
(こちらを参考にした)。

傾けるとradial方向に数10um程度ずれ、数um程度再現性がありました。
(Azumuth方向はその傾けて15um程度のずれ、最善性は数um程度。)
また、傾けた時の移動方向から、内周鏡が下方向に移動したようです。

以上の結果をまとめると、

再現性の悪さはセグメントの支持点の摩擦が、回転したのはラテラル支持のY字拘束が1点で交わっていないことが原因の可能性がある為、これらを改善してみます。


支持点並びにラテラル支持機構の取り付け方を変更

内周のみ支持点とセグメントの接触面積を減らし、ラテラル支持機構をトラスのグローブからの絶対位置が決まるようにし、横ずれ量を測定しました。

支持点は、左の写真のような部品を使い、φ1mm程度の面積で接触するようにします。


今回の試験では、外周との相対位置ではなく、架台に固定されているダミーセグメントからの相対位置の変化を測定しています。
 

左が作業前、右が作業後の変化量です。
架台を倒して起こす動作を3回ずつ行いました。
各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 15 nm(前) 45(後)
#2: 1 cnt = 13 nm(前) 50(後)
#3: 1 cnt = 10 nm(前)  6(後)
(こちらを参考にした)。
但し、作業後のカウント値は#1、#2は55000カウント程度まで減り、#3は103000カウントまで増えたので、換算値は変化前後の平均をとっています。

回転の向きは反転しましたが、量は変わっていないようです(換算値を信じるならば)。
また、横ずれ量が1桁大きくなりました(1mm程度)。

再現性について、倒した時と、起した時の3回分の値を比較します。

倒した時   

起こした時  

左が作業前、右が作業後の変化量です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算(左:倒した時、右:起こした時)。
#1: 1 cnt = 19 nm(前) 70(後)| 14 nm(前) 20(後)
#2: 1 cnt = 14 nm(前) 80(後)| 9 nm(前) 23(後)
#3: 1 cnt = 8 nm(前)  4(後)| 10 nm(前) 9(後)
灰色の影がついている部分の比較をします。
1回目は作業直後なので大きくずれていますが、再現性は、倒した時については1um以下から5um程度へ、 起した時については5um以下から10〜20umに大きくなりました。
また、#3の再現性については殆ど変化していないようです。

尚、外周セグメントからの相対位置の変化を測定すると、以下のようになりました。

各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 47 nm
#2: 1 cnt = 47 nm
#3: 1 cnt = 11 nm
(こちらを参考にした)。


各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 62 nm
#2: 1 cnt = 62 nm
#3: 1 cnt = 11 nm
(こちらを参考にした)。


各indexはセンサの番号(色は上記の配置を参照)と最初のカウント値です。
横軸は測定時間、縦軸はカウント値の変化を距離に換算。
#1: 1 cnt = 14 nm
#2: 1 cnt = 14 nm
#3: 1 cnt = 12 nm
(こちらを参考にした)。



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