制御実験 7 試験39


フィードバック試験:2011.11.16 (6"/s) - 1段フィードバック

フィードバックをかけながら望遠鏡を動かし、フィードバックが追いつくか、カウント値のばたつきはどの位変化するかを見ました。

前回の試験(こちら)と同様の試験を行いました。
但し、フィードバックの方法を変えて試験を行いました。
今回は、1段フィードバック(エッジセンサの値が一定になるように直接アクチュエータを動かす)を用いました。

フィードバックは内周のみ駆動の場合だけ行っています。
フィードバックをかけていない時の状態は(こちら)の図を参考にします。

以下の図は、全て横軸は時間[秒]、縦軸は
上段:データ全体
中段:前半部分の平均値からの偏差
下段:1つあとのデータとの差分
となっています。また、それぞれの色は、
赤:1番のエッジセンサ…アクチュエータ3番側についている(1回目)
緑:2番のエッジセンサ…アクチュエータ2番側についている(1回目)
青色の線:望遠鏡を動かし始めたところ
水色の線:望遠鏡を止めたところ
となっています(各センサの位置関係はこちらを参照)。灰色の影が付いているところが望遠鏡を動かしている時間になります。

内周のみ駆動

それぞれラベルにあるように動かしています。
1cnt=15nmで換算。

2段フィードバックの時(こちらを参考)よりも、全体的にフィードバック中のばたつきの幅が小さくなっています。
また、90度のときよりも60度、30度、と低い姿勢になるほど振る舞いがよくなります。
ただ、ばたつきの幅が100秒位の周期で大きくなったり小さくなったりしているのが気になります。

1段フィードバックと2段フィードバックで干渉計の画像を見比べました。
アクチュエータのみ、内on、外on アクチュエータのみ、内on、外off アクチュエータのみ、内off、外on
2段、内on、外on 2段、内on、外off
1段、内on、外on 1段、内on、外off 1段、内on、外5000パルス往復

アクチュエータのみフィードバックをかけると、時々大きく振動しています。
これは内周のみ、外周のみを駆動させても生じる現象のようです。
(原因は例えばノイズに振られている、等の可能性が考えられますが、究明中です)

2段フィードバックをかけると外周の振動が内周に遅れて伝わる為、振動が大きくなります。

1段フィードバックでは外周の振動を抑えるようです。
また、1段フィードバックで外周を5000パルス(〜8.5um)動かすと、1秒程度で収束元の状態に戻るようです。

1段フィードバックの有無で、その場で180秒(サンプル間隔0.05秒)データを取得し、スペクトルを見ました(追尾なし)。

赤:1番のエッジセンサ…アクチュエータ3番側についている(フィードバックOFF)
橙:1番のエッジセンサ…アクチュエータ3番側についている(フィードバックON)
青:2番のエッジセンサ…アクチュエータ2番側についている(フィードバックOFF)
緑:2番のエッジセンサ…アクチュエータ2番側についている(フィードバックON)
1cnt=15nmで換算。

低周波は改善、1〜2Hzの振動が増えています。

追尾中のデータ(サンプル間隔1秒)を使って周波数のスペクトルを調べました。
フィードバックなしのデータについては2011.11.16のデータ(こちら)を利用しました。
尚、使用しているデータは各高度で起す向に駆動している100秒間のデータのみです。
   

左から高度90度、60度、30度になっています。
追尾駆動なしの状態に比べて1桁悪くなっていますが、低周波の振動は抑えられているようです。
※起こす向き、倒す向きに駆動させたデータ両方(合計200秒分)を使ってフーリエ解析した結果はそれぞれ90度60度30度となっています。



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