アクチュエータ制御実験 5


岩室先生のページ(こちら)と同じ図を作った。これまでの試験で上の方で1番と2番の挙動が変だった。
駆動試験の方法は、
試験1: 10000パルスずつ60回下降→上昇、上下10往復
試験2: 1000パルスずつ60回下降→上昇、上下10往復
試験3: 100パルスずつ60回下降→上昇、上下10往復
試験4: 10パルスずつ60回下降→上昇、上下10往復
を、パルス換算での位置で+60万パルスの位置で、上記試験1〜4を行い、次に50万、40万、30万、20万、10万パルスの位置で順次試験2〜4を行う。
各グラフの横軸は積算パルス(位置)、縦軸は、上段はセンサの読み出し値、下段は1回目往復の平均パスからの残差を表す。また各色については

赤:1番のセンサ(往復)
緑:2番のセンサ(往復)
青:3番のセンサ(往復)
桃:鏡外縁部のセンサ(往復)
となっている。

  1. シャフトの通る穴を11mmにし、てこの腕の角を切落す。
    高いパルス位置での挙動は改善された。
  2. 1番、3番のアクチュエータを入換る。
    挙動は変わらない。
  3. 2番、3番のアクチュエータ+てこ機構を入換る。
    挙動は変わらない。てこの腕が2つ折れた。
  4. 折れたてこの腕を付替える、2番のシャフトの通る穴を11mmに広げる。
    2番センサの挙動はよくなった。1番センサの挙動が悪くなった。
  5. 鏡:20度
    水平時と挙動は同じ。2番センサのみ、パルス位置10万のときにpulse-count関係が上に凸の曲線になった。
  6. 鏡:40度
    水平時と挙動は同じ。
  7. 鏡:60度
    センサ2番のヒステリシスが小さくなった。
  8. 鏡:水平
    ダイヤルゲージに見られる50um毎に緩急のついた動きは見られない。
  9. 鏡:水平。1番と3番のシャフトを交換
    挙動は変わらない。
  10. 鏡:20度
    水平時と挙動は同じ。パルス位置30万、1000パルス駆動で、-20000パルスの位置で何回かバンプが見られた。
  11. 鏡:40度
    水平時と挙動は同じ。外縁部センサが途中でサチった。
  12. 鏡:60度
    パルス位置18万のとき、3番センサの動きが緩やかになった。
  13. 鏡:水平。シャフトにかかっているストレスを解放
    1番、2番センサのヒステリシスが改善。
  14. 鏡:60度。10日程度放置した後で測定
    パルス位置60万の部分だけ挙動が変化。
  15. 鏡なし、水平。2番だけシャフトを短く、てことの接触部分を丸く
    上の位置では挙動が良くなったが下の位置では変わらず。
  16. 鏡:なし。てことの接触部分に置いたドライベアリングを外す
    挙動は悪くなる。ドライベアリングはあった方が良い。
  17. 鏡:水平。てことの接触部分にドライベアリングを置く
    フルストローク試験での挙動の悪さは鏡が乗っていなかった為と判明。
  18. 鏡:20度。
    水平時と同じ挙動。
  19. 鏡:40度。
    水平時と同じ挙動。
  20. 鏡:60度。
    水平時とほぼ同じ挙動。フルストローク試験でエッジセンサのカウントがクロスしている。
  21. 鏡:70度。
    60度と同じくらいの挙動。試験の途中でセンサカウントの更新がされていない時がしばらく続いた。試験中断。
  22. 鏡:水平。駆動シャフト-てこを球で接続
    球が小さい為か動かない。
  23. 鏡:水平。括れ加工と長いシャフトで先端の球面加工
    括れ加工では改善が見られないが、球面加工は長いシャフトでも効果があった。
  24. 鏡:40度。
    挙動に変化はない。パルス位置30万、100パルス駆動試験の時に3番アクチュエータにバンプが出る。また、2番センサのみ、パルス位置10万のときにpulse-count関係が上に凸の曲線になった。
  25. 鏡:70度。
    前回確認された現象が現れなかった。3番だけ1000パルス駆動の振舞いが悪くなったかも。
  26. 鏡:水平。3つとも駆動シャフトを球面加工のものにする。
    全体的に振舞は良くなったが、更に調整が必要な部分もある。
  27. 外周鏡:水平。
    ヒステリシスはでていない。
  28. 内周鏡:水平。
    概ね良好。2番だけ低い位置でヒステリシスが出ている。3番、パルス位置30万のところでがたつきがある。
  29. 内周鏡:水平。シャフトの上の方を研磨して少し細くする。
    ヒステリシスはなくなった。3番センサにまだがたつきが残っている。
  30. 内周鏡:水平。外周鏡と同時に駆動試験。
    3番、1番センサのの対向板が固定治具のねじと接触している。
    外周鏡のセンサの干渉した?
  31. 外周鏡:水平。内周鏡と同時に駆動試験。
    3番センサのの対向板が固定治具のねじと接触している。
    内周鏡のセンサと干渉した?
  32. 内周鏡:水平。センサのケーブルを巻かないようにする。
    干渉は改善されない。
  33. 外周鏡:水平。センサのケーブルを巻かないようにする。
    干渉は改善されない。
  34. フィードバック試験:1段
    フィードバック中の方が徐々にずれていく(センサの温度によるカウント値の変化の為)。
  35. フィードバック試験:1段(センサ温度補正)
    フィードバック中に一時安定した?再現せず。
  36. フィードバック試験:1段…位相測定カメラ設置
    位相測定カメラからも1段フィードバックで徐々にずれている様子が伺える。
  37. フィードバック試験:1段(センサ温度補正)
    1度あたりの温度変化に対するエッジセンサのカウント比の変化が約半分に改善
  38. フィードバック試験:2段
    エッジセンサはほぼ一定に保立てるが、内周鏡の傾きが変わPSFは変化していく。
  39. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    内周鏡の傾きによるPSFの変化はセンサひとつの時よりもましになったが改善とまではいかず。
  40. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    温度が殆ど変化しない時にはPSFは分裂しない。
  41. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    温度が変化するとPSFが分裂。後日確認すると元に戻っていた。
  42. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    温度の上昇に伴い分裂したスポットが、温度が下がると元に戻る傾向が見えた。
  43. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    フィードバックのゲインやエッジセンサの固定方法を変更後の状態を確認。
  44. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    フィードバックのゲインやエッジセンサの固定方法を更に変更。
  45. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    エッジセンサの補正を外すとPSFの分裂具合は同じだがアクチュエータの動きは異なる。
  46. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    エッジセンサを位相測定カメラ用の鏡の上に設置するとPSFが真横にずれた。
  47. フィードバック試験:2段、エッジセンサ2つ
    上の試験の続き。
  48. PSFの横ずれ・縦ずれについての考察
    横ずれはセグメントの上に乗せた位相測定カメラ用の鏡が原因だった。
    縦ずれはセグメントがの[/\][\/]変形が原因だが急な温度変化には対応できない。

以下はエッジセンサ取付けの様子

以下は位相測定カメラを取付けた様子の写真

以下は傾き試験の様子の写真


今のところのまとめ。

センサ同士の干渉

内周、外周のセンサのカウント値が近い値になった時、干渉が起きました(参照:ここなど)。
この原因は、センサのケーブルのシールドが弱いのが原因ですが、次の3つの点に気をつければ防ぐことができます。
  1. 細いケーブルの部分はなるべくトラスから浮かす
    ケーブルがトラスにくっついていると干渉が起きます。ノイズがトラス伝いに伝わってくるようです。
  2. ケーブルはトラスと平行にならないように取り付ける
    特に、トラスとケーブルが平行になると、干渉が起きやすくなります。(浮かせるだけではだめ)
  3. ケーブルはなるべく巻かない
    ケーブルがとぐろを巻いていると多少干渉が起きやすくなります。

以下の写真のように取り付けるとノイズを殆ど防ぐことができます
 

シャフトの形状


駆動シャフトと接続シャフトの平行性が、ヒステリシスに大きく影響する。
影響を緩和する為にてことの接続部分の形状などを工夫したい。
現在考えているのは接続部分が平面、球面のもの(上の絵、左と中央)。
平面は影響をもろに受けるが、球面にすると緩和される。
駆動シャフトに括れを入れ、「逃げ」を作るとどうなるか(上の絵、右)はこれから検討予定

球面シャフトが最も良い。

てこの腕について

切り込み部分に"焼き"の入ったものは折れやすかった。
一番上に上昇した時に、1か所(下の写真の赤丸のところ)に集中的に荷重がかかって、更にそこが"焼き"によってもろくなっていた為と考えられる。
以下は上昇したときの腕の様子の写真(左から一番下にいるとき、上昇したとき全体、赤丸部分のみ)。


駆動試験のグラフの形を分類(暫定)

左の図は各グラフの下段、右の図は各グラフの上段に相当。
また、赤が往路(下降)、青が復路(上昇)

6角形型。ヒステリシスが起き、上下切り替え時に動きが悪くなると起こる。
ヒステリシスの具合によりひし形になったりする。


クロス菱型。シャフトを短く、球面接続にしてから起きた。原因は調査中

ジグザグ型。ヒステリシスが大きく、また駆動数が小さい時に起きる。10パルス駆動でヒステリシスがあると大体この形。



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