センサー制御実験 3


非接触式センサ(シグマ光機蠕宗ここ)で、アクチュエータ駆動中の安定性を測定する為に、センサの安定性を試験します。これは光学式エンコーダまたはレーザー変位計を取り付けて調べます。
新たにKeyence 社のレーザー変位計LK-G10(ここ)を用いることになりました。

  1. 2008.09.29 レーザー変位計のサンプル回数等を決める(go)
  2. 2008.10.01 --  定点測定でレーザー変位計とデジタルセンサの挙動をみる(go)
  3. 2008.10.17 --  アクチュエータを動かして位置--カウントの関係をみる(go)
  4. 2008.10.20 --  アクチュエータを動かして位置--カウントの関係をみる2(go)
  5. 2008.11.04 --  アクチュエータを動かして位置--カウントの関係をみる3(go)
  6. 2008.11.13 --  アクチュエータを動かしてパルス--位置/カウントの関係をみる(go)
  7. 2008.11.20 --  アクチュエータを動かすパルスを補正する(go)
  8. 2008.12.18 --  キーエンスの自己補正と、シグマのカウント=>測長値補正(go)
  9. 2009.02.10  キーエンスの自己補正と、シグマのカウント=>測長値補正:訂正(go)
  10. 2008.12.29 --  アクチュエータ駆動中のセンサの安定性試験:短時間(go)
  11. 2008.12.29 --  アクチュエータ駆動中のセンサの安定性試験:長時間(go)

レーザー変位計のサンプル回数等を決める

LK-G10 のサンプリング回数に対するノイズを調べ、サンプリング回数を決めます。
エンコーダは1回、4回、16回、64回、256回、1024回、4096回、16384回、65536回、262144回の10種類があります(2の2n乗、n=0--9)。回数が多い方がノイズは減りますが、読み出しはメモリにたまった部分を小出しに平均して出力するようなので、多ければいいという感じでもないようです。
それぞれの回数に対して、1回読み出しを5000回繰り返した時の読み出し値は以下のグラフのようになりました。(5000回で大体10分程度かかりました。)
 
 
 
 
 

1回から64回サンプルは目に見えてノイズが下がっている様子が伺えます。また、4096回より大きい場合も読み出した値の範囲は狭まっています。但し、測長値は10nm毎でしか読み出されないので、同じ値が何度も繰り返されいると、読み出し値平均する時に正しい値を測れなくなります。
4096回を超えたものは同じ値を長い間繰り返しています(サンプリング時間がRS232の通信時間より長かったために同じ値を繰り返し読んでしまった)。
以上のことを考えると、サンプリング回数は256、1024、4096回のいずれかが良いと思われます(256は他の2つに比べたらばたつきが大きいかもしれない)。この設定をしたときに測定分解能を挙げるには大体±50nmの範囲でばたついているので、100回読み出して平均化すればよいと考えられます。

ただ、一回の読み出しに時間がかかるので、1024回サンプル、20回読み出しを平均、にして進めていきます。

定点測定でレーザー変位計とデジタルセンサの挙動をみる

定点位置でのレーザー変位計とデジタルセンサの挙動を調べます。
サンプリング回数は100000回(およそ2.5日)です。結果は以下のようにないました(図はクリックで拡大します)。
 
 

左上の図は各々の測定値[nm]とその-100から100[nm]の範囲で拡大したもの、右上の図は測定値と気圧、左下の図は測定値と湿度、右下の図は測定値と気温になっています。
測定値については、赤色はレーザー変位計の測定値緑色はデジタルセンサの測定値(1カウント値=10[nm]としています)青はデジタルセンサに環境補正かけた値(全データを使う)紫はデジタルセンサに環境補正をかけた値(初め500回分を外す)となっています。
環境補正のかけ方を2つ考えたのは、湿度の値が初めの500回程度急激に変化している為です(毎回同じ傾向があったので、気象によるものではなく、読出し始めは不安定なのではないかと考えられます)。
デジタルセンサの読み出し値は、環境補正をかけた範囲で、±50[nm]の精度を保っていますが、レーザー変位計の読み出し値は、大きくずれていってしまっています。また、もしかしたら湿度等に相関があるのかもしれません。

同じ読み出しをもう一度行いました。

 
 

左上の図は各々の測定値[nm]とその-100から100[nm]の範囲で拡大したもの、右上の図は測定値と気圧、左下の図は測定値と湿度、右下の図は測定値と気温になっています。
測定値については、赤色はレーザー変位計の測定値緑色はデジタルセンサの測定値(1カウント値=10[nm]としています)青はデジタルセンサに環境補正かけた値(全データを使う)紫はデジタルセンサに環境補正をかけた値(初め500回分を外す)となっています。
前回の試験よりレーザー変位計の触れ幅が小さいのは、湿度の変化が小さくなったからか、それとも別の理由(固定が安定してきている)からかなのは不明です。

更に、1週間後に同じ読み出しをもう一度行いました。

 
 

左上の図は各々の測定値[nm]を、5000回から10000回の範囲での測定結果及びその0から300[nm]の範囲で拡大したもの、右上の図は測定値と気圧、左下の図は測定値と湿度、右下の図は測定値と気温になっています。
測定値については、赤色はレーザー変位計の測定値緑色はデジタルセンサの測定値(1カウント値=10[nm]としています)青はデジタルセンサに環境補正かけた値(全データを使う)となっています。
レーザー変位計の測定値が下がり続けることはなくなりましたが、1時間程度しか±50nmの範囲で安定した測定ができないようです。


アクチュエータを動かして位置--カウントの関係をみる

1000回パルスごと送ってフルストロークアクチュエータを動かし、レーザー変位計の測定値とインダクタンスセンサのカウント値を対応させ、カウント値--距離の関係を調べます。現在8往復分をプロット

横軸にレーザー変位系の側長値[um]、縦軸にインダクタンスセンサのカウント値[cnt]をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。真ん中にストロークの真ん中付近を拡大しています(ばらつきを見るため)。
往路と復路でずれが生じているのは、アクチュエータの取り付けにねじれガあるためと考えられます。また、ばらつきは主にレーザー変位計の不安定さから来るものと考えられます。

更に、初めの方をプロットしました。(レーザー変位計の測長値は、対数表示をする為に400um足しています。但し、表示は線型です。)インダクタンスセンサのカウント値が頭打ちになっており、また急にカウントが減る箇所が一箇所あるようです。

アクチュエータを動かして位置--カウントの関係をみる2

往路と復路での差を測らないようにインダクタンスセンサをレーザー変位計と同じ方向につけて試験をすることになりました。(取り付けている様子はここを参考。)センサを付け替えたので、安定するまで待ちます。半日定点試験をすると以下のようになりました。

 
 

左上の図は各々の測定値[nm]を、5000回から8000回の範囲で拡大したもの、右上の図は測定値と気圧、左下の図は測定値と湿度、右下の図は測定値と気温になっています。
測定値については、赤色はレーザー変位計の測定値緑色はデジタルセンサの測定値(1カウント値=10[nm]としています)青色はデジタルセンサに環境補正かけた値(全データを使う)となっています。
インダクタンスセンサは安定しているようです。また、レーザー変位計も1時間程度(約2000回分)では±50nmの範囲で測定できるようです。

1000回パルスごと送ってフルストロークアクチュエータを動かし、レーザー変位計の測定値とインダクタンスセンサのカウント値を対応させ、カウント値--距離の関係を調べました。6往復分をプロット

横軸にレーザー変位系の側長値[um]、縦軸にインダクタンスセンサのカウント値[cnt]をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。真ん中にストロークの真ん中付近を拡大しています(ばらつきを見るため)。
アクチュエータの動かし始め(680[um]付近および-300[um]以下)は挙動が安定していません。

シグマ光機のカウントx、keyenceの測長値yとしたときのfitting関数は只今計算中。


100パルスごと、短いストロークで200000パルス(約250[um])で往復試験をして挙動を調べました。

縦軸にレーザー変位系の側長値[um]、横軸にインダクタンスセンサのカウント値[cnt]をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。図の中にストロークの真ん中付近を拡大しています(ばらつきを見るため)。
更に、アクチュエータに送った累積パルスごとのレーザー変位計、インダクタンスセンサの値はそれぞれ以下の図のようになりました。

左の図がレーザー変位計、右の図がインダクタンスセンサになっています。縦軸にそれぞれの測定値:レーザー変位系は側長値[um]、インダクタンスセンサはカウント値[cnt]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。
どちらも、上側にある方が時間が早いものになっています。往復を繰り返す内に、徐々に下に下がってきている様子が伺えます。これは、アクチュエータにかけている負荷が大きくてギアが滑っているためではないかと考えられます。

上に載せていた金属の大きな板を外してアクチュエータの負荷を下げて同じ試験を行いました。

左の図がレーザー変位計、右の図がインダクタンスセンサになっています。縦軸にそれぞれの測定値:レーザー変位系は側長値[um]、インダクタンスセンサはカウント値[cnt]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。
どちらも、上側にある方が時間が早いものになっています。往復を繰り返す内に、徐々に下に下がってきており、金属を外して負荷軽減させる前と下がり幅が同じになっています。

アクチュエータの動作に必要な負荷をかけるために取り付けていたばねを弱めて再試験を行うことになりました。まず、取り付け後両者の読み出した値が安定するのを待ちます。
50000回読み出しの結果は以下のようになりました。>
図はクリックして拡大します。また、赤色はレーザー変位計の測定値緑色はデジタルセンサの測定値(1カウント値=10[nm]としています)となっています。安定していません。

更に2.5日くらいたっても安定しません。

アクチュエータを動かして位置--カウントの関係をみる3

いくら待っても安定しないのはヘッダが壊れた可能性があるので、センサヘッダを別のものに変えてみました。
100000回読み出しを2回行い、様子を見た結果は次のようになりました。
 
図はクリックして拡大します。プロット点は、赤色はレーザー変位計の測定値緑色はデジタルセンサの測定値(1カウント値=10[nm]としています)となっています。インダクタンスセンサは安定したようです。

次に、真ん中付近で20000パルス分(約250[um])往復させて様子を見ます。パルス数とレーザー変位計の測長値及びインダクタンスセンサのカウント値の関係をみます。(アクチュエータに負荷がかかりすぎていて上がりにくい状態だったという可能性がありました。)

左の図がレーザー変位計、右の図がインダクタンスセンサになっています。縦軸にそれぞれの測定値:レーザー変位系は側長値[um]、インダクタンスセンサはカウント値[cnt]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。上から1往復目、2往復目、3往復目になっています。
3往復目の最後でそれぞれ頭打ちになっているのは、バックラッシュ込みで下げたときに、一番下まで下がりきってしまった為です。アクチュエータの負荷を減らしても下がり幅は100[um]/往復と以前と変わっていません。
アクチュエータ下降時のバックラッシュを外すとどうなるか、試験を行うと次の結果になりました。

左の図がレーザー変位計、右の図がインダクタンスセンサになっています。縦軸にそれぞれの測定値:レーザー変位系は側長値[um]、インダクタンスセンサはカウント値[cnt]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。上から1往復目、2往復目、3往復目になっています。
下がり幅が小さくなって15[um]前後になりました。


これを、1000パルスごとの試験に変更して同じことを行うと次のようになりました。

比較しやすいように、レーザー変位計の図だけ載せています。
左の図がバックラッシュなし、右の図がバックラッシュありの場合になっています。縦軸はレーザー変位系の側長値[um]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。上から1往復目、2往復目、3往復目になっています。
100パルスごと移動させるときよりも上昇時の『滑り』らしき振る舞いが軽減されます。また、1000パルスごとの移動の場合でもバックラッシュ補正をかけない方が1往復あたりの移動量は小さくなっています(なし:2[um 前後、あり:10[um]前後)。

アクチュエータの駆動設定を変更して試験しました。現在は1000 --> 30000 [pps](pps:1秒間に送るパルス数)で動くように設定しています。これを1)10000 --> 30000 [pps]、2)1000 --> 3000 [pps]に変更してするとどうなるか試験しました。



左の図がバックラッシュなし、右の図がバックラッシュありの場合になっています。また、上の2つの図が駆動を1)の場合(10000 -- 30000)にしたとき、下の2つの図が2)の場合(1000 -- 3000)にしたときです。縦軸はレーザー変位系の側長値[um]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。上から1往復目、2往復目、3往復目になっています。
どちらにも共通しているのはバックラッシュ補正をかけないときの方が移動が少ないということです。また、初めの駆動速度を高くした場合(1の場合)は移動量が多くなりますが、最終的な速度を低くした場合は移動量が変化していません(下の表参考)。
1往復後のずれ1000 --> 30000 [pps]10000 --> 30000 [pps]1000 --> 3000 [pps]
バックラッシュ補正なし2[um]前後7[um]前後1[um]前後
バックラッシュ補正あり10[um]前後50[um]前後10[um]前後

以上をまとめると、次のようなことが言えます。

更に加速時間(つまり加速度)の設定による変化を調査しました。現在は加速時間10000[msec]になっていたので、これを1000[msec](つまり、加速度は10倍)にすると、どうなるか調べました。初速、終端速度は1000 --> 30000 [pps]と、初期の値に戻しています。
結果は次のようになりました。

左の図がバックラッシュなし、右の図がバックラッシュありの場合になっています。縦軸はレーザー変位系の側長値[um]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色は往路(アクチュエータは上に移動)緑色は復路(アクチュエータは下に移動)のプロットになっています。上から1往復目、2往復目、3往復目になっています。
再現性が良くなったのか判断する為に初め5000パルス分(復路は最後5000パルス分)を拡大して図にすると以下のようになりました。

縦軸はレーザー変位系の側長値[um]を、横軸には累積パルス数をプロットしています(図はクリックして拡大)。赤色+は加速時間が1000[msec]のときの往路(アクチュエータは上に移動)緑色+は加速時間が1000[msec]のときの復路(アクチュエータは下に移動)、また桃色×は加速時間が10000[msec]のときの往路青色×は加速時間が10000[msec]のときの復路のプロットになっています。それぞれ上から1往復目、2往復目、3往復目になっています。
加速時間10000[msec]の場合の方が再現性が良いようです。ただ、往路と復路で移動量が同じにできない為、移動量をソフト的に調整する必要があると考えられます。

アクチュエータを動かすパルス数を補正する

アクチュエータを動かすパルス数を往路と復路で再現性が良くなるように補正します。

左の図は、一回に送るパルス数を変えて試験を行い、一回に動く距離をプロットしたものです。
赤色はアクチュエータは上昇時)緑色アクチュエータは下降時です。各々の直線はフィッティング関数で、
上昇時:stroke = -0.00163(pulse + 25)
上昇時:stroke = 0.00163(pulse - 10)
となりました(但し、下降時はバックラッシュ補正をかけていたので、注意が必要)。バックラッシュの値を調べるのに、補正なしの往復試験を繰り返し、結局送るパルス数は
上昇時:pulse + 25
下降時:pulse + 20
の補正が必要になります。また、バックラッシュは2000パルス分ありました。以下の図はにバックラッシュの様子を拡大したものです。



右の図は送信パルス数の補正及びバックラッシュ補正を入れて試験したものです。バックラッシュ補正は下降時に2000、上昇時に2010(つまり2000パルス余分に加工させてから2010パルス分上昇させる、更にオフセットのパルスも加える)と設定すると、上昇時と下降時の駆動距離が近くなりました。
一次式でフィットしたときの傾きは、
上昇時:-0.00166
下降時:0.0016
となりました。

また全体の図と、直線からの残差は下のようになっています(fittingには2往復分のデータをあわせました)。
 

キーエンスの自己補正と、シグマのカウント=>測長値補正

シグマ光機のセンサに対して、カウントから測長値に変換する関数を求めます。


横軸にシグマ光機のカウント、縦軸にキーエンスの測長値をプロットすると例えば右図のようになります。これを一つの関数でfitting てカウント値を測長値に変換するのは非常に困難なので(高カウントと低カウントで関数が異なるようである)、シグマのカウント--測長値表を作成し、この表に基づいてカウントを変換することにします。以下、この対応表(カウント--測長値表)を作成します。
但し注意しないといけないのは、キーエンスの測長値には「うなり」があるので、キーエンスの測長値も自己補正する必要があります。つまり、カウント--測長値表を作成する手順は、

  1. キーエンスのうなり(高周波)を除く自己補正表を作成する。
    レーザー変位計は、レーザースポットの重心を測る方法から、どうしてもうなりが生じます。このうなりはドリフトによらないので、自己補正表をつくって補正をかけます。(うなりの様子)
    理想的には駆動累積パルス数に対してキーエンスの測長値は1次関数の関係にあります。キーエンスの実測値と理想値の差を求め、キーエンスの測長値自己補正表を作成します。この表にキーエンスに由来しないうなり成分がのらないために、自己補正表はbinning + shift をして作成します。つまり、実験データを小さい幅(10,000パルス毎)で区切り、その中で最小二乗法で関数fit を行い、その領域での理想的な値を求めます。そして幅は固定したまま、領域を100パルス分ずらして次の理想値を求め、これを繰り返していきます。
  2. シグマ光機のカウントとキーエンスの補正した値についての対応表を作成する。
    上の方法で作った自己補正表を用いて補正したキーエンスの測長値と、シグマ光機のカウント値を対応させます。試験は何回か行ったものを平均します。
となります。
自己補正表をつくるには、高周波のうなりを見る為に、一回ごとに送るパルス数は小さくします(100パルスで行いました)。それに対して、カウント--測長値表をつくるときはキーエンスのドリフト効果をなるべく抑える為に大きいストロークで行います(3500パルスで行いました)。また、自己補正表の位相差がないか確認する為に、開始位置をずらして往復運動をさせ、カウント--測長値表をつくり、比較します。
補正のかけ方は、どちらも実測値/カウント値に対して表から前後3点を選び、3点を通る2次関数でfit をかけて内挿します(外側になった場合は外挿するが、なるべく使わないようにする)。

自己補正表を作成し、縦軸に実測値と補正値の残差、横軸に実測値をとると以下のようになりました。
 

右側の図は100[um]分を拡大したものになっています。-200[um]以下のがたは機械的なものと考えられるのでキーエンスの測長レンジを変えたものを2つつなぎ合わせて用いることにしました(図はつなぎ合わせたものになっています)。


また、カウント--測長値表を作成し、縦軸に即長値(補正後)、横軸にカウント値をプロットすると右図のようになりました。


キーエンスの自己補正と、シグマのカウント=>測長値補正

先に求めた補正表が粗く、キーエンスの高周波成分のばたつきが除去しきれていなかったようです。同様の方法で、キーエンスの補正を50パルスずつで、シグマ光機の換算表を500パルスずつで作成しました。また、キーエンスの補正表の間隔を小さくしました。

キーエンスの補正表は以前と比べると右図のようになりました。
横軸は補正前の測長値[um]、縦軸は補正量(補正前後の差)[um]となっています。また、一部を拡大しています。
赤色はこれまでに用いていた補正表緑色は新しく求めた補正表です。緑色の方が、赤で補正しきれていないばたつきを補正できるようです。

新旧の補正表を用いて、短時間試験(こちら)で行っている短い駆動・ストロークで得られる結果を比較します。
結果は次のようになりました。

横軸はシグマ光機の測定位置[um]、縦軸はキーエンスとシグマ光機の各々の増分の比(シグマ/キーエンス)です。また、赤色は補正しなかったもの(試験日2/10)緑色は新しく求めた補正表を用いた結果(試験日2/10)青色は以前の補正表を用いた結果(試験日2/3)です。全体的に新しく求めた補正表を用いる方がばたつく幅が小さくなっています。

アクチュエータ駆動中のセンサの安定性試験:短時間

アクチュエータ駆動中のセンサの安定性を試験します。
短時間の安定性を、
  1. 大きい駆動(10000パルス=>16um)、大きいストローク(40000パルス=>650um程度)
  2. 小さい駆動(1000パルス=>1.6um)、小さいストローク(4000パルス=>65um程度)
の場合について調べます。それぞれ10回ずつ往復運動しながらシグマ光機、キーエンスで位置を同時に読み出し、その残差を見てセンサの安定性を調べます。小さい駆動、小さいストローク試験は、試験する位置をずらしながら行いました(反返し縫いのような感じ)。どちらの場合も10回往復して1時間以内に収まっているので、キーエンスのドリフトの影響は充分小さいと考えられます。
試験は以下の日に行いました。
回数大きい駆動小さい駆動
2008.12.292008.12.30
2008.12.312008.12.31
2009.01.082009.01.08
2009.01.092009.01.09
2009.01.102009.01.10
2009.01.112009.01.11
2009.01.122009.01.12
2009.01.142009.01.14
2009.01.302009.01.30
102009.02.022009.02.02
112009.02.032009.02.03

大きい駆動のときの結果は以下のようになりました。横軸はシグマ光機の測定位置[um]、縦軸はキーエンスとシグマ光機の測定位置の残差[nm]になります。(それぞれの日のプロットは上の表の日付をクリックすると表示されます。)

赤色はアクチュエータは上昇時)緑色アクチュエータは下降時を表し、点の違いは試験日の違いです。
傾向としては、

というのが挙げられます。
この内、往復時の残差の違いや、1往復目が他と比べてずれが大きいのは、機械的な変形によるものである可能性が高いです。
また、日ごとに傾きが変わっているのは、
ということから、環境の変化によってカウント値がずれ、それが残差に影響している可能性があります。
そこで、シグマのカウントをc、距離をdし、カウント--距離関係をc=f(d)とおき、
d = f(c) - f(c*(1+X)
に対して、Xの値をいろいろ変えたものをプロットしてみます。
上の図の青い点がそのプロットにあたり、上からX=-0.001、X=-0.0005、X=-0.0004、X=-0.0003、X=-0.0002、X=-0.0001の場合のものです(傾きの傾向だけ見たいので、適当に上下シフトしています)。
2008.12.30や2008.12.31のデータはX=-0.0002から0.0003、2009.01.09のデータはX=-0.001の場合が近いようです

小さい駆動のときの結果は以下のようになりました。ドリフトの影横を見えにくくするために、横軸はシグマ光機の測定位置[um]、縦軸はキーエンスとシグマ光機の各々の増分の比(シグマ/キーエンス)をとっています。同じ増分で動いていれば比は1になります。比が1より大きいときはシグマ光機の方の増分が大きく、これは大きい駆動のように表わすと「右肩あがり」になります。

赤色はアクチュエータは上昇時)緑色アクチュエータは下降時を表しています(下降時と上昇時と同じ範囲にあるので潰れていますが。。。)。
それぞれ、-50[um]から150[um]150[um]から350[um]350[um]から550[um]だけプロットするとリンク先のような図になります
増分は1割くらいの差があり、低カウント時に1割を超えています。
また、なんだか振動しているように見えます。
2009.01.09の試験の一つの場合だけ(上昇時のみ)、両者の測長値の残差でプロットしてみると、次のようになりました。

赤色は往復すべて緑色は6往復目青色は9往復目に当たります。
上昇時だけで位相差はないように見えます(6往復目と9往復目で位相がずれていないように見える。)ただ、上昇時と下降時での位相はずれています(上のリンクした図とスクリーンショット参照)。

アクチュエータ駆動中のセンサの安定性試験:長時間

アクチュエータ駆動中のセンサの安定性を試験します。
長時間の安定性を、アクチュエータのいくつかの場所について1日単位のサンプリングを行い、同じ環境補正係数が用いることができるのかを試します。
試験は以下の日に行いました。
回数日付最初の位置補正係数a補正係数b補正係数c補正係数(自身)a補正係数(自身)b補正係数(自身)c
2009.01.01541[um]0.8139390.01582772456.1283360.8139390.01582772456.128336
2008.01.02411[um]0.8139390.01582765753.10578-14.6721330.24030865841.346432
2009.01.03281[um]0.8139390.01582761558.3488790.94663680.14568261625.801678
2009.01.04151[um]0.8139390.01582758841.071758-3.7743630.02496658896.828309
2009.01.0520[um]0.8139390.01582756916.0549203.829625-0.05589356914.205219
以下、試験結果をプロットしたものです。赤色はレーザー変位計の測定値緑色はデジタルセンサの測定値青色はデジタルセンサに環境補正かけた値紫色はデジタルセンサに自身のデータで得られた環境補正をかけた値です。補正は1番初めのデータセットを用いて求められた係数を基にしています。係数は表にまとめています。
図は、左が-1000:1000[nm]の範囲で、右が-100:100[nm]の範囲でプロットしたものになっています。
 
 
 
 
 

このときの温度、湿度ですが温度は回数1--5の間で13℃から14℃の範囲でした。また、湿度は回数1で48%から50%に上昇、回数2--4の途中迄は51%±0.5%内で安定、回数5は55%から49%に変化していました。温度、湿度はほとんど変化しませんが、大気圧が変動こともあり、水蒸気量は変化しています。
回数4の途中でシグマ光機も、キーエンスも測定位置が大きく変化しています。この時、湿度が4%くらい情報しました(温度は0.5℃上昇、水蒸気量は60[kg?]変化)。
同じ係数を用いた安定性ですが、自身のデータを用いるよりも悪い様です。恐らく、1回分のデータで求められた係数は湿度、温度の範囲が小さい為に他のデータ(環境が多少異なる)に適用しにくいのだと考えられます。



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