センサー制御実験 2


非接触式センサ(シグマ光機蠕宗ここ)のアクチュエータの動きに対するヒステリシスなどを光学式エンコーダ(蠡膾綸纏匆奮惶蚕儻Φ羹蠕宗ここ)を取り付けて調べます。

  1. 2008.04.22 アクチュエータを空運動(go)
  2. 2008.05.21 - 23 アクチュエータの動作確認(go)
  3. 2008.06.08 『とび』の挙動を確かめる(go)
  4. 2008.06.11 デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む1(go)
  5. 2008.06.12 デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む2(go)
  6. 2008.06.16 デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む3(go)
  7. 2008.06.30 光学式エンコーダの読みについて(go)
  8. 2008.06.30 デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む4(go)

アクチュエータを空運動

アクチュエータに何も乗せずに往復運動させた場合の安定性を調べます。(模式図は右のような感じ)
アクチュエータの1回のパルス数(1パルス=1.5 nm に相当)を変えて、フルストロークで10往復分を調べました。調べたパルス数は、
です。

10000パルス

片道を、10000パルスで70回運動(これを10往復)させたときの読み出された位置を1次式で近似し、その誤差をプロットすると以下のようになりました。

左が1往復目から5往復目、右が6往復目から10往復目の図です。往路は下のx軸を、復路は上のx軸を用いています。
読み出し位置が大きいと式からの1次式からの残差が大きくなっています。また、その残差は復路よりも往路の方が大きいようです。

1000パルス

片道を、1000パルスで700回運動(これを10往復)させたときの読み出された位置を1次式で近似し、その誤差をプロットすると以下のようになりました。

左が1往復目から5往復目、右が6往復目から10往復目の図です。往路は下のx軸を、復路は上のx軸を用いています。
読み出しの値が波打っているのは機械的な動作不良の影響かと思います。往路は10往復全てが同一の1次式で近似することができず、複数の式を用いています(グラフの中に書き込んでいます)。往路の真ん中辺り(累積30万−40万パルス付近)が1次式から外れる傾向にあるようです。

100パルス

片道を、100パルスで7000回運動(これを10往復)させたときの読み出された位置を1次式で近似し、その誤差をプロットすると以下のようになりました。

左が1往復目から5往復目、右が6往復目から10往復目の図です。往路は下のx軸を、復路は上のx軸を用いています。
点が多いのでごちゃごちゃして見難いですが、残差が正のほうが往路、負のほうが復路です。往路・復路共に10往復全てが同一の1次式で近似することができず、2つの式を用いています(グラフの中に書き込んでいます)。また、1次式の傾き(1パルス辺りの駆動距離に相当)は往路と復路で僅かですが異なっています。

1往復目から5往復目の一部分を拡大した図は左のようになりました。
また、フルスクロール運動しているにもかかわらず、読み出された原点の位置は10000パルスの実験のときは8um〜1150umだったのに、徐々に間が狭まり、100パルスの試験では17um〜920umになっていました。

1次式からの残差ではなく、100パルスの場合の生データを拡大した図は以下のようになりました。
全てプロットすると重なって見難いので5往復目のみのデータを図にしています。また、見やすくするために復路(水色)を10um分ほど上にずらしてかいています。
読み出し位置が階段状に動いている様子が見えます。
もし、アクチュエータがなかなか動かずにいきなり「がくっ」と動くのであれば下の図のように10パルスで試験した場合の読み出し地がずっと同じ値をとるのは遊びの部分が大きいからなのでしょうか。


アクチュエータの動作確認

アクチュエータの挙動が不審なので、右図のように重石を乗せて安定するかの確認をしました。
以前は重石を乗せると安定化したそうです。
片道を、100パルスで7000回運動させながら3往復させたときの読み出し値の安定性を試験しました。
読み出された位置を1次式で近似し、その誤差をプロットすると以下のようになりました。

図の中に書いている6つの式はフィットした1次式です。また、比較のために右側に前回の(重石を乗せていない)図を載せています。
小さい波打ちは消えましたが、それでも完全に不連続な動きが消えた訳ではありません。また、残差の様子から1次式ではなく2次式で近似できる可能性があります。
100パルスの生データの1部を拡大した図は下のようになりました。
不連続な動きは読み出し値が増えることもあれば減ることもあるようです。また、「とび」具合も一定ではなさそうです。

この振る舞いがアクチュエータの個性によるものなのかどうかを検証します。アクチュエータを別のものに交換して同じ試験をすると、結果は以下のようになりました。


上の図で左が今回の試験結果で、右は交換前の試験結果です。また、左の図は、交換後の試験結果に対して1往復目だけプロットしたものです。
交換前後の結果を比較すると挙動がよく似ています。このことから不連続な動きは個々のアクチュエータによる差ではないことが分かりました。
また、不連続な動きはきれいに周期的(だいたい30000パルス程度の周期)に起こっていることも確かめられました。


『とび』の挙動を確かめる

読み出し値の『とび』は本当にエンコーダと無関係なのかを確かめるために、エンコーダからのレスポンスを全て受け取り、読出した測定位置の『とび』との関連性を調べました。
受け取る値は以下のとおりです。更に、今回から10回サンプルした平均(もしくは和)をとることにしました。
片道を、700パルス(約1umずつ)2往復させたときの読出した測定位置のグラフは以下のようになりました。

図の中に書いている4つの式はフィットした1次式です。
『とび』は相変わらず存在しています

1往復目に関して、読出した測定位置とphase の関係を以下に表しました。Phase は10回読み出したものの和になっています。

左が全体の図、右が一部を拡大した図です
特に、右図をみると、phase が移行、つまり2枚のスリットのエッジON/OFFが切り替わるときに『とび』が起きていることが伺えます。

他のレスポンスについても読み出した測定位置と一緒にプロットしました。
まず、シグナル(AD ch1 and ch2)です。シグナルは10回サンプルしたものを平均しました。緑の線がCH1、青の線がCH2となっています。シグナルが特定の値をとるときにとびが起こっています。
また、CH1は、最小値付近ではある値より小さい値がとれず、頭打ちになっていました。

次に、オフセットをプロットした図です。
オフセットはずれることなく、一定の値をとっているので『とび』とは無関係なようです。

最後に、スリット番号をプロットした図です。
スリット番号も挙動に変なところはなく『とび』とは無関係なようです。


デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む1

『とび』の原因はまだ解決していませんが、アクチュエーータにデジタルセンサも取り付けて、光学式エンコーダと同時に読み出しをします。まずは、デジタルセンサの読みが大気圧、湿度、気温に相関があるかどうかを再度検証します。
各環境要素と読み出し値をプロットすると以下のようになりました。

大気圧と読み出し値です。読み出し回数は50000回(約1日)です。

湿度と読み出し値です。読み出し回数は50000回(約1日)です。

気温と読み出し値です。読み出し回数は50000回(約1日)です。


デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む2

引続いて環境要素と読み出した値との相関を見る為に数日間サンプリングしました。
各環境要素と読み出し値をプロットすると以下のようになりました。デジタルセンサの1カウントは約10nmに相当します。

大気圧と読み出し値です。読み出し回数は200000回(約4日)です。

湿度と読み出し値です。読み出し回数は200000回(約4日)です。

気温と読み出し値です。読み出し回数は200000回(約4日)です。

湿度が変化するのにつられて、カウント値の下がり具合が変化しているようです。湿度が下がっているときは傾きが急に、逆に上がっているときは傾きが緩やかになっているようです。
しかし、水蒸気量を求めて、環境要素で補正したときの図(こちら)をみると、カウント値がむしろ不連続になりました。これは恐らくデジタルOHMの気温の精度が少数第1位しかないためによるのではないかと考えられえます。


デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む3

同じ試験をもう一度行いました。但し、今度はデジタルセンサの読み出し値の補正をデルタOHMだけでなく「てんぷらん」で測定された温度も用いて行いました。
各環境要素と読み出し値をプロットすると以下のようになりました。デジタルセンサの1カウントは約10nmに相当します。また、読み出し回数は200000回(約6日間)です。

大気圧と読み出し値です。

湿度と読み出し値です。

気温と読み出し値です。

両面テープは安定したようです。

また、水蒸気量を求めて、環境要素で補正したときの図は以下のようになりました。

下の図に関しては、赤はデジタルセンサ(補正前)緑はエンコーダ青はデジタルセンサ(てんぷらんで補正)紫はデジタルセンサ(デルタOHMで補正となっています。
補正に用いる温度はデルタOHMよりもてんぷらんの方がよいかもしれません。(前者は0.1℃刻み、後者は0.05℃刻みなのですが、多少は違いがあらわれているようです。これは、室温が安定していて、1℃以下の範囲でしか変化しないために、補正係数が大きくなってるためと考えられます。)
ただし、それでも誤差が±50nm以下には収まっていません。
尚、補正は坂井さんの方法を用いています(こちら)
水蒸気量を求める式について、参考にした文献をfollowできませんでしたが、webで検索できたTetens(1930)の式

を用いて水蒸気量を求める方法と矛盾はしないようなので深く考えないことにしました。(結局、水蒸気圧の近似式が違うだけで、状態方程式を用いているので当たり前なのですが…)


光学式エンコーダの読みについて

これまでの試験中に、光学式エンコーダの読み出し値がばたついていたり、ずっと同じ値だったりを不規則に繰り返していました。その理由を光学式エンコーダのログから見つけようと思います。

エンコーダの測長値とシグナルはそれぞれ以下のようになりました。

測長値は左側、シグナルは右側の軸を用いています。また、赤は測長値緑はシグナル1青はシグナル2(但し見易くするため+300している)となっています。
測長値とシグナルの変化に相関はないようです。(シグナル2の値が始めにばたついている理由はいまいち分かりませんが…)

エンコーダの測長値とディレクション(1か255が出て、10回分の平均をログに書き出している。)はそれぞれ以下のようになりました。

測長値は左側、ディレクションは右側の軸を用いています。また、赤は測長値緑はディレクションとなっています。
ディレクションが何の方向を表すのかはよく分かっていないのですが、10回の間にディレクションが変化して、それに合わせて平均した測長値が変化しているようです。
つまり、ディレクションがずっと一定であると、読み出した測長値も一定となっているようです。


デジタルセンサと光学式エンコーダを同時に読む4

デジタルセンサの読み出した値を環境要素で補正した場合に、温度の変化に過敏だったのは、温度の変動範囲が小さいためではないかと考えられます。
そこで、窓を開閉して温度を調節し、温度変化を大きくつけるようにして試験を行いました。
各環境要素と読み出し値をプロットすると以下のようになりました。デジタルセンサの1カウントは約10nmに相当します。また、読み出し回数は200000回(約6日間)です。光学式エンコーダの測長値を見るのではなく、2つのADシグナル値をプロットして判断するようにしました。

大気圧と読み出し値です。

湿度と読み出し値です。

気温と読み出し値です。

デジタルセンサの読み出し値と、温度とに逆相関があるようです。また、湿度と温度にも相関があるようです。
光学式エンコーダのAD2の値も、温度の上昇とともに少し減少している様子が伺えます。
環境要素について補正すると以下のようになりました。

下の図に関しては、赤はデジタルセンサ(補正前)緑はエンコーダ青はデジタルセンサ(てんぷらんで補正)紫はデジタルセンサ(デルタOHMで補正となっています。光学式エンコーダの値は、AD値ではグラフが煩雑になるために測長値を使っています(あくまでも参考程度に)。
どうも補正がうまくいきません。
考えられる原因としては、

の2つが挙げられます。
大体75000回まで(約2.5日間)窓を開閉していていました。補正された値を見ると、部屋に出入りするのをやめてから(試験の後半)は安定しているように見えます。もしかしたら窓の開閉の為に部屋に出入りしていたのが逆効果だったのかもしれません。
また、補正の仕方が足りない可能性もあります。
生データを温度と湿度に関して3次元でプロットすると以下のようになりました。

左の図が温度と湿度に対して、右の図温度と水蒸気量に対して読み出し値がどのように変化するかを表しています。左の図の平面は最小二乗法により求めた平面です。
特に、温度が低い部分で平面からずれているような印象です。

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