副鏡の軽量化その4:15点支持 その2


副鏡の軽量化を3DCADとFEM解析(ANSYS)を使って考えます。
最終版の設計案からもう少し良い案がないか検討します。

基本設計review

副鏡の基本設計は、
軽量化をしない状態で、質量は343.40kgです。

これまでの軽量化案

これまでの軽量化案のおさらいです。

DWGファイル:ここ
加工後の図:ここ
加工前の側面図:ここ

FEM解析の結果
質量:129,XXkg。
鏡面上の歪み:36nm
変形量(最大)[nm]変形量(最小)[nm]
全体全変形量480
x軸18-18
y軸0-45
z軸17-6
鏡面全変形量459
x軸5-5
y軸-9-45
z軸6-6

新・軽量化案1:リブ厚6mm

リブ厚6mmで3つのパターンを考えました。

FEM解析の結果をまとめると以下の通り。
外縁の円周リブ6mm外縁の円周リブ15mm真ん中の支持点φ800
質量(割合):100.02kg(29.1%)質量(割合):102.34kg(29.8%)質量(割合):102.34kg(29.8%)
鏡面上の歪み:P-V 82nm鏡面上の歪み:P-V 78nm鏡面上の歪み:P-V 71nm

鏡面上の歪みの大きさと、50nm以上歪んでいる範囲の場所を比較すると、『外縁の円周リブは15mmの厚さにする』パターンが一番ましなようです。外縁部を厚さ6mmにすると弱すぎて変形が大きくなり、真ん中の支持点を外側へずらすと、固定点の為にくり抜いていない部分の変形が大きくなってくる為です。
総じてリブ厚6mmは構造として弱いという結論になりました。

それぞれのパターンの図面や結果は次の通り。

外縁の円周リブも6mmの厚さにする

DWGファイル:ここ
加工後の図:ここ
加工前の側面図:ここ

FEM解析の結果
質量:100.02kg(29.1%)
鏡面上の歪み:82nm
変形量(最大)[nm]変形量(最小)[nm]
全体全変形量920
x軸46-46
y軸40-39
z軸2-81
鏡面全変形量81<1
x軸8-8
y軸9-8
z軸<1-81


外縁の円周リブは15mmの厚さにする

DWGファイル:ここ
加工後の図:ここ
加工前の側面図:ここ

FEM解析の結果
質量:102.34kg(29.8%)
鏡面上の歪み:78nm
変形量(最大)[nm]変形量(最小)[nm]
全体全変形量880
x軸43-43
y軸38-38
z軸1-77
鏡面全変形量78<1
x軸8-8
y軸9-8
z軸<1-77


外縁の円周リブは15mmの厚さにし、真ん中の支持点をφ800の位置にずらす(10mm外側にずらす)

DWGファイル:ここ
加工後の図:ここ
加工前の側面図:ここ

FEM解析の結果
質量:102.34kg(29.8%)
鏡面上の歪み:82nm
変形量(最大)[nm]変形量(最小)[nm]
全体全変形量790
x軸38-39
y軸34-34
z軸1-70
鏡面全変形量70<1
x軸8-8
y軸9-8
z軸<1-70


新・軽量化案2:リブ厚の最適解を考える

リブ厚が6mmでは鏡面を支えるのに強度が足りないようなので、15mm--6mmの間で最も良さそうな解がないか調査します。
そこで、リブ厚を12mmにして様子を見ました。
但し、外縁の円周リブの厚みは15mmに固定しました。

FEM解析の結果の結果をまとめると以下の通り。

リブ厚15mmリブ厚12mmリブ厚6mm
質量(割合):129.51kg(37.7%)質量(割合):120.81kg(35.2%)質量(割合):102.34kg(29.8%)
鏡面上の歪み:P-V 60nm鏡面上の歪み:P-V 67nm鏡面上の歪み:P-V 78nm

15mm--6mmのなかで歪みが極小になるところはなさそうです。
鏡面上の歪みが50nm以内に収まっている部分が有効系の大半を占めている、という意味では12mmが良いかもしれませんが、これ以上薄くするのは厳しいと言えます。
外側の歪みは特に軽量化の為のザグリがない部分がたれてきているのが原因なので、外縁部分もザグリ加工を入れるようにすれば改善される可能性はあると考えられます。

リブ厚12mmの図面や結果は次の通り。

リブ厚12mm

DWGファイル:ここ
加工後の図:ここ
加工前の側面図:ここ

FEM解析の結果
質量:120.81kg(35.2%)
鏡面上の歪み:67nm
変形量(最大)[nm]変形量(最小)[nm]
全体全変形量740
x軸33-33
y軸30-30
z軸1-66
鏡面全変形量66<1
x軸8-7
y軸8-7
z軸<1-66



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