副鏡の軽量化その2:9点支持で


副鏡の軽量化を3DCADとFEM解析(ANSYS)を使って考えます。3点支持は困難だという結論から、9点支持でどうなるかを考えていきます。
さらに副鏡の中央部があると観測に不要な光が入ってしまうため、を刳り貫いて考えます。
  1. 刳り貫かない状態ではどうなるか。(go)
  2. 厚さを小さくする。(go)
  3. 軽量化その1:円柱刳り貫き。(go)
  4. 軽量化その1:外側切り出し。(go)
  5. 軽量化その1:再考。(go)
  6. 軽量化その2:Gemini式。(go)
  7. 軽量化その2:Gemini式、外側の改善。(go)
  8. 軽量化その2:Gemini式、内側の改善。(go)
  9. 軽量化その3:鏡面を薄くする。(go)
  10. 軽量化その4:Gemini式に関して鏡面などの厚さを考察。(go)
  11. 軽量化その5:Gemini式に関して鏡材を考察。(go)
  12. 軽量化その6:Gemini式、非三角格子リブを考察。(go)
  13. 軽量化その4−2:Gemini式に関して鏡面などの厚さを考察2。(go)
  14. 軽量化その5−2:Gemini式、鏡材を考察2。(ZPFで考察)(go)

初期状態でどのくらい歪むか

副鏡は、鏡面φ=1100mm、曲率R=3334.779099mmの球面、中央にφ=200mmの穴があいています。厚みは240mmとしていますが、もし歪みが抑えられるのならば薄くしていく方向になります。支える9点は、内側3点、外側6点で、各点の周りに同じ体積が来るような位置にします。指示点の位置は2種類考えました。(上側をa、下側をbとします。)
内側の支持点はφ430mmの、外側の支持点はφ880mmの円周上にあります。(面積が内:外でだいたい2:1になるような半径と、内縁または外縁の中央。)

このまま自重による歪みを計算すると…

右がaで、左がbの場合です。質量は614.71kg、歪みはa:0.027umになり、b:0.032umになりました。3点支持に比べて歪みはずいぶん小さくなりました。これを軽量化することを考えていきます。

厚さを小さくする

以下、各支持点に同じ分の質量が割り当てられているといえるaの場合のみを考えていきます。思い切って厚さを半分にしてみました。また、切りのいい150mmの厚さも考えてみました。

FEM解析の結果は以下のようになりました。
質量は333.51kg、鏡面上の歪みは0.060umになりました。3点支持の結果から軽量化をすると歪みが増えることもあるので、目標の50nm以下を達成するのはちょっと困難かもしれません。

厚さが150mmの場合は以下の様になりました。

質量は403.81kg、鏡面上の歪みは0.045umになりました。厚さ半分(120mm)よりは歪みの目標を達成できるかもしれません。

軽量化その1:円柱刳り貫き

3点支持と同様に、円柱を刳り貫いていきます。元の厚さ240mmのもの、半分の120mmのもの、そして厚さ150mmのものすべてについて考えました。刳り貫く円柱はφ95mmで、三角格子状に中心が来るように配置しています。刳り貫いた円柱の個数は全部で69個になりました。又、刳り貫く高さは全て中心において鏡面から厚さ24mmになるように計算しています。図面は上から厚さ240mm、150mm、120mmになっています。
FEM解析結果は以下のようになりました。

左からそれぞれ厚さ240mm、150mm、120mmになっています。
質量、鏡面上の歪みは厚さ240mm:314.30kg、0.032um、厚さ150mm:215.41kg、0.050um、厚さ120mm:182.26kg、0.064umとなりました。鏡面上での変形量の最大のところと図面を見比べると、外側の支持点の周囲から円柱を刳り貫くのは効果が大きくはなさそうですが(削る方が早い?)考えてみようと思います。

外側の支持点の周囲を二箇所、合計12個の円柱を更に刳り貫く(刳り貫いた合計数は81個になった)と以下のようになりました。円柱の半径は同じφ95mmです。
FEM解析結果は以下のようになりました。

左からそれぞれ厚さ240mm、150mm、120mmになっています。
質量、鏡面上の歪みは厚さ240mm:265.56kg、0.055um、厚さ150mm:186.08kg、0.081um、厚さ120mm:159.42kg、0.100umとなり、先に比べてどれも鏡面上の歪みは大きくなりました。これは、支持点の近くはもともと歪みが最小のところだったので、そこを更に軽くした事により重い方(歪みが最大だったところ)が更に撓んでしまったからだと考えられます。

軽量化その1:外側切り出し

3点支持のときと同様、外側を切り出します。削るのは前回のFEM解析の結果から外側の支持点の間、6方向を選びました。
厚さ240mmは重量的に現実的な解にはたどり着けそうにないので、厚さ150mm、120mmのものだけを考えました。上が厚さ150mm、下が厚さ120mmの図です。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左が厚さ150mm、右が厚さ120mmの結果です。質量、鏡面上の歪みは150mm:157.88kg、0.082um、120mm:137.85kg、0.109umとなりました。
歪みは小さくなる、と思ったのですがほぼ変らないか少し大きくなりました。(3点支持のときとは違う傾向。)厚さが小さいので、支えるところがない箇所は更に撓んでしまったものと考えられます。
仮に、支持点の方向を削れば、歪みが防げるのか試してみました。結果を比べるだけなので120mmの方のみ行いました。区別のため、先のパターンをa、このパターンをbとします。
FEM解析の結果は以下のようになりました。
削る領域が小さくなった分質量は少し高く144.74kgです。鏡面上の歪みも0.118umと先と差は見られません(寧ろ歪みが大きい)。2つの歪みの生じ方が同じなのか違うのかは判断付きにくい(zx平面:鉛直方向はy軸、の歪みを比べるとbの場合の方が「だれて」いる)のですが、厚さを薄くした場合外側を削るのは歪みを大きくする危険性が高い事が分かりました。或いは削り方をもっと浅くすべきなのだと思います。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
何もしないa614.710.1400.0270.1420.01500.014
0.1130-0.015-0.142-0.015
何もしないb614.710.1420.0320.1440.01600.015
0.1100-0.014-0.144-0.015
厚さ半分333.510.1170.0600.1180.01600.015
0.0580-0.015-0.118-0.013
厚さ150mm403.810.1180.0450.1190.01400.014
0.0730-0.013-0.118-0.013
刳り貫き240mm314.300.1000.0320.1010.01200.009
0.0680-0.011-0.101-0.012
刳り貫き150mm215.410.0900.0500.0910.01800.013
0.0400-0.051-0.091-0.014
刳り貫き120mm182.260.0950.0640.0970.01600.016
0.0310-0.019-0.096-0.017
更に刳り貫き240mm265.560.1240.0550.1300.03700.030
0.0690-0.029-0.127-0.029
更に刳り貫き150mm186.080.1220.0810.1300.04000.034
0.0410-0.042-0.124-0.037
更に刳り貫き120mm159.420.1310.1000.1390.04100.040
0.0310-0.052-0.134-0.041
外側切り出し150mm157.880.1200.0820.1210.01800.021
0.0380-0.023-0.121-0.022
外側切り出し120mm a137.850.1400.1090.1410.02300.028
0.0310-0.028-0.141-0.026
外側切り出し120mm b144.740.1490.1180.1600.06900.058
0.0310-0.065-0.150-0.056

軽量化その1:円柱刳り貫きを再考

ここまで円柱刳り貫き方法を考えてきましたが、単純に外側を切り出したりするのは歪みがうまく軽減できていないということが分かりました。なので、円柱刳り貫きをもう少し考えていきます。
これまでで、軽量化として一番いい解といえるのは厚さ150mm、初期の刳り貫き状態のものであるといえるのでここからもう少し軽量化できないか考えます。
まずはそのまま切り出してみます。
FEM解析の結果は以下のようになりました。
質量178.27kg、鏡面上の歪みは0.046umとなりました。外側がつまったままで切り出すと、歪みは酷くならずに軽量できるようです。
次に、外側の支持点よりも内側はφ95mmの円柱で、その外側は少し小さめのφ65mmの円柱で刳り貫きました。図で青いのがφ95mm、紫なのがφ65mmで刳り貫いた部分になります。φ65mmの円柱の中心は1辺70mmの三角格子上に中心―支持点の軸に対して対象になるように配置しています。より沢山抜いた方をa、あまり抜くと逆効果になる危険性があるので外周付近を残したものをbとします。
aの方はφ95mm、φ65mmの円柱はそれぞれ51個と63個、bの方はφ95mm、φ65mmの円柱はそれぞれ51個と39個刳り貫く事になりました。図面は上がa、下がbになっています。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左がa、右がbの場合です。質量と鏡面上の歪みはそれぞれa:186.48kg、0.098um、b:213.34kg、0.070umとなりました。やはり、外側を刳り貫きすぎると歪みが大きくなるようです
更にbについて外側を切り出してみました。
FEM解析の結果は以下のようになりました。
質量171.52kg、鏡面上の歪みは0.058umとなりました。殆どの部分で歪み0.05um以下を満たしているようです。先と同様に外側がつまったままで切り出すと、歪みは酷くならずに軽量できました。
これらの結果から、支持点よりも外側は刳り貫きすぎない事がポイントになりそうだという事がわかりました。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)。右:全体、左:鏡面上の値

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
厚さ150mm403.810.1180.0450.1190.01400.014
0.0730-0.013-0.118-0.013
刳り貫き150mm215.410.0900.0500.0910.01800.013
0.0400-0.051-0.091-0.014
刳り貫き150mm:切り出し178.270.0840.0460.0850.008/0.012-0.038/00.009/0.012
0.0380-0.007/-0.013-0.084/-0.085-0.008/-0.012
刳り貫き95mm+65mm:a186.480.1380.0980.1430.013/0.039-0.040/00.015/0.035
0.0400-0.013/-0.037-0.138/-0.138-0.015/-0.035
刳り貫き95mm+65mm:b213.340.1110.0700.1130.014/0.019-0.041/00.016/0.018
0.0410-0.016/-0.0203-0.111/-0.112-0.016/-0.019
同上:切り出し171.520.0990.0580.1000.010/0.014-0.041/00.010/0.017
0.0410-0.007/-0.017-0.099/-0.100-0.010/-0.017

軽量化その2:Gemini式

軽量化方法その2。Geminiの副鏡のように鏡背面を三角格子リブにします。
とりあえずは外側の支持点に交点が来るように、1辺220mm、厚さ20mmの三角格子リブで考えました。また、内側の支持点は三角の頂点にはこないので、一番近くのリブ上に移動させています。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左図が鏡面上の結果、右図は全体の変形が見やすいように載せています。質量は154.66kg、鏡面上の歪みは0.102umとなりました。外側の支持点よりも外にあるリブの歪みが目立っています。
また、切り出したときの歪みの影響がどうなるかを調べてみました。

質量は142.71kg、鏡面上の歪みは0.098umになりました。外側を切り出すのは歪みを軽減させる効果には繋がらず、質量を軽減させるだけのようです。
歪みを減らすには、恐らく支持点より外側のリブに対して、例えばリブの交点が丁度外周に来るように外側の三角格子の1辺を小さくする、といった工夫する必要があるようです。

軽量化その2:Gemini式、外側の工夫

外側の支持点の更に外側のリブを歪みが少ないように改善していきます。
9個の支持点があるところまでは今までと同じ様に、外側の支持点に交点が来るような1辺220mm、厚さ20mmの三角格子リブで、その外側を3パターン考えてみました。
まず、外側を1辺110mm、厚さ10mmの正三角形のリブにした場合、次に非正三角形の場合を考えます。(110mmの正三角形の厚さを10mmにしたのはあまり外側が重たくならないためにです。)
FEM解析の結果は以下のようになりました。

図面は上がそのまま、下は6方向を切り出したものです。(切り出す効果がプラスに働くかマイナスに働くかは今のところやってみないとわからないので考えています。)外側が随分複雑な形になってしまいました。
質量は158.35kg、鏡面上の歪みは0.075um(FEM解析結果の図で黄色・橙色の部分から赤にかけては歪み0.05um以上)、切り出すと質量は142.98kg、鏡面上の歪みは0.078um(FEM解析結果の図で黄色の部分から赤にかけては歪み0.05um以上)になりました。

次に外側を非正三角格子でリブを作ってみます。
まず、支持点と、これらの間の方向には必ずリブを入れました。それから支持点側を結ぶように三角形を作るか、間側を結ぶように三角形を作るかで2通り考えてみました。まず、前者の方は以下のようになりました
FEM解析の結果は以下のようになりました。

図面は上がそのまま、下は6方向を切り出したものです。
質量は174.21kg、鏡面上の歪みは0.101um、切り出すと質量は152.53kg、鏡面上の歪みは0.088umになりました。歪みが大きくなってしまったのは支持点同士の間方向の支えが足りないためだと考えられます。
続いて、支持点の間方向を結ぶように三角形リブを作ると以下のようになりました
FEM解析の結果は以下のようになりました。

図面は上がそのまま、下は6方向を切り出したものです。
質量は154.19kg、鏡面上の歪みは0.068um、切り出すと質量は142.13kg、鏡面上の歪みは0.060um(FEM解析結果の図で黄色の部分は歪み0.05um以上)になりました。
外側をしっかり支えられたのか、歪みは小さくなったのですが、今度は内側の歪みが目立つようになってしまったたようです。内側のリブも縁で結ぶ必要があるかもしれません。

軽量化その2:Gemini式、内側の改善。

鏡背面の、内側の支持点の更に内側の工夫をします。以下にあげる3パターンを考えました。
  1. 支持点を結ぶ正三角形のリブを付け加える。
  2. 支持点より内側のリブを内縁で結ぶように作る(一番内側は非正三角形に)。
  3. 支持点を結ぶ正三角形のリブだけにする。
それぞれのパターンの図面は以下のようになりました。上から順に1番目、2番目、3番目となっています。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

それぞれ質量と鏡面上の歪みは、パターン1:159.04kg、0.069um(FEM解析の図で黄色〜赤色にかけては歪み0.050um以上)、パターン2:171.49kg、0.077um、パターン3:165.24kg、0.107umとなりました。
パターン2は内側に支持が沢山入りすぎたようです。また、パターン3は支持が足りないようです。

これら3つから1番目のパターンが最もよさそうと思えるので、これについて切り出しを行ってみました。
FEM解析の結果は以下のようになりました。
質量は146.98kg、鏡面上の歪みは0.061um(FEM解析の図で橙色〜赤色にかけては歪み0.050um以上)となりました。切り出した効果はあったように思います。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)。右:全体、左:鏡面上の値

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
厚さ150mm403.810.1180.0450.1190.01400.014
0.0730-0.013-0.118-0.013
220mm、20mm厚154.660.1310.1020.1310.009/0.060-0.029/00.009/0.047
0.0290-0.007/-0.064-0.131/-0.131-0.009/-0.048
同上:切り出し142.710.1230.0980.1230.008/0.025-0.025/00.009/0.019
0.0250-0.008/-0.026-0.123/-0.123-0.009/-0.019
外側110mm、10mm厚158.350.1320.0750.1360.008/0.021-0.056/00.011/0.025
0.0570-0.007/-0.024-0.132/-0.134-0.010/-0.025
同上:切り出し142.980.1260.0780.1270.008/0.019-0.048/00.009/0.023
0.0480-0.007/-0.022-0.126/-0.127-0.009/-0.022
外側非正三角形1174.210.1480.1010.1510.010/0.030-0.057/00.011/0.032
0.0570-0.009/-0.029-0.149/-0.150-0.011/-0.032
同上:切り出し152.530.1460.0880.1470.008/0.016-0.058/00.009/0.022
0.0580-0.006/-0.018-0.146/-0.150-0.008/-0.023
外側非正三角形2154.190.1050.0680.1070.008/0.019-0.037/00.009/0.021
0.0370-0.007/-0.019-0.105/-0.105-0.009/-0.021
同上:切り出し142.130.0930.0600.0940.007/0.014-0.033/00.008/0.014
0.0330-0.008/-0.014-0.093/-0.094-0.008/-0.014
内側1159.040.1070.0690.1090.009/0.021-0.038/00.009/0.023
0.0380-0.007/-0.021-0.107/-0.107-0.009/-0.023
内側2171.490.1410.0770.1410.008/0.021-0.063/00.009/0.027
0.0640-0.006/-0.023-0.141/-0.141-0.009/-0.026
内側3165.240.1440.1070.1450.009/0.029-0.037/00.010/0.032
0.0370-0.010/-0.029-0.144/-0.145-0.010/-0.031
内側1:切り出し146.980.0950.0610.0960.007/0.019-0.034/00.007/0.012
0.0340-0.007/-0.011-0.095/-0.096-0.008/-0.012

軽量化その3:鏡面を薄くする。

鏡面が厚すぎるのではないか、という指摘を受けました(鏡面だけで60kg弱あるようです!!)ので、厚さを24mmから半分の12mmにして考えてみます。
考える対象は円柱刳り貫きとGemini式(リブ接着式)において一番いい結果が出たものにしました(結果一覧の表で赤字で示したもの)。図面は以下のようになりました。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

質量及び鏡面上の歪みは円柱刳り貫き:143.41kg、0.064um(FEM解析の図では橙色〜赤色が0.050um以上)、Gemini式(切り出しなし):130.92kg、0.082um(FEM解析の図では黄色〜赤色が0.050um以上)、Gemini式(切り出し):118.87kg、0.067umとなりました。Gemini式(切り出し)は自重変形の大きさと、歪みは小さめなのですが歪みが0.050um以上となる部分が多いので、使えなさそうです。これ以上工夫するとしたらもっと厚みの小さいリブを細かく入れていくこと位ではないでしょうか。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)。右:全体、左:鏡面上の値

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
厚さ150mm403.810.1180.0450.1190.01400.014
0.0730-0.013-0.118-0.013
鏡面12mm:円柱刳り貫き143.410.0960.0640.0960.010/0.013-0.032/00.010/0.016
0.0320-0.009/-0.016-0.096/-0.096-0.010/-0.015
鏡面12mm:Gemini式130.920.1050.0820.1050.011/0.023-0.022/00.010/0.023
0.0230-0.009/-0.022-0.105/-0.105-0.010/-0.023
鏡面12mm:Gemini式2118.870.0860.0670.0860.008/0.014-0.019/00.009/0.013
0.0190-0.009/-0.011-0.086/-0.086-0.009/-0.013

軽量化その4:Gemini式に関して鏡面などの厚さを考察。

ネット上に"Lightweight Mirror Design" (Daniel Vukobratovich)という文献があったので、これを読んでみると鏡面と全厚みとの比、リブの一辺の大きさとリブ厚との比で剛性がある程度調節できるようです。(文献はLightweight_Mirror_Design(D_Vukobratovich).pdfという名前でこのフォルダ内に入れています。(ネットのマナー違反な気がするのでリンクはしません。))
この文献(主に図5.14)に従って、鏡面と全厚みの比は今までと変えず0.08:1のまま鏡面10mm、全厚み125mmにしてみました。またリブ厚を少し小さめに15mm程度でも良いいかもしれません。Gemini式に関して一番いいと思われる構造に対して、これらの値に変更してみました。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

FEM解析で一番左のものは、軽量化を施さない状態のもので、質量は345.23kg、鏡面上の歪みは0.057umになりました(図の赤色の部分以外は歪み0.050um以下を満たしています)。図面の下側、FEM解析の一番右側の図は鏡背面の外側を切り出したものです。軽量化によって質量は97.73kg、鏡面上の歪みは0.099umになりました。切り出すと質量89.33kg、鏡面上の歪み0.080umになりました。100kgはきるのですがこのままだと歪みが大きすぎます。

外側の支持が弱く歪みが大きくなっているようなので、外のリブを補強します。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

補強によって質量は111.11kg、鏡面上の歪みは0.088um(FEM解析結果の図、薄黄緑色〜赤色にかけて歪み0.050um以上)になりました。切り出すと質量93.00kg、鏡面上の歪み0.071um(FEM解析の図、黄色〜赤色にかけて歪み0.050um以上)になりました。外側の補強の工夫(例えば今の場合は外周に近い形でリブがあるので内側とのバランスが悪い?)をすれば歪みはもっと抑えられるかもしれません

結果一覧(上が最大値、下が最小値)。右:全体、左:鏡面上の値

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
鏡面10mm、全厚125mm345.230.1180.0570.1190.015/0.015-0.061/00.014/0.014
0.0610-0.108/-0.015-0.118/-0.118-0.014/-0.014
220mmの三角、リブ厚15mm97.730.1170.0990.1170.011/0.028-0.018/00.010/0.028
0.0180-0.009/-0.028-0.117/-0.117-0.011/-0.028
同上:切り出し89.330.0950.0800.0960.009/0.020-0.014/0 0.010/0.017
0.0150-0.009/-0.013-0.095/-0.095-0.010/-0.017
外側を補強111.110.1190.0880.1220.013/0.036-0.031/00.014/0.034
0.0310-0.013/-0.035-0.119/-0.119-0.014/-0.037
同上:切り出し93.000.0960.0710.0960.009/0.019-0.025/00.009/0.017
0.0250-0.007/-0.018-0.096/-0.096-0.009/-0.018

軽量化その5:Gemini式に関して鏡材を考察。

物性パラメータクリアセラムZPF
ヤング率[GPa]90150
密度[g/cc]2.552.54
熱膨張率[ppm/K]0.000.02
熱伝導率[W/m/K]1.515.3
比熱[J/kg/K] 800
破壊応力[MPa]116240
同じ設計図で鏡材をクリアセラムからZPFに変更したら鏡面の歪みがどうなるのかを考えました。2つ鏡材の物性パラメータは右の表のようになっています。ZPFはクリアセラムよりも強度が高くしかも密度が同程度であること、また型を作って焼結するのでリブの厚みを薄く出来る利点があります。シンプルで一番よさそうな『220mmの三角、リブ厚15mm、鏡面10mm』に関してFEM解析を行うと以下のようになりました。(上面図)

質量は97.35kg、鏡面上の歪みは0.054um(FEM解析の図、赤色の部分のみ歪み0.050um以上)となりました。やはり、クリアセラムに比べてZPFの方が歪みが抑えられます。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)。右:全体、左:鏡面上の値

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
鏡面10mm、全厚125mm345.230.1180.0570.1190.015/0.015-0.061/00.014/0.014
0.0610-0.108/-0.015-0.118/-0.118-0.014/-0.014
220mmの三角、リブ厚15mm97.730.1170.0990.1170.011/0.028-0.018/00.010/0.028
0.0180-0.009/-0.028-0.117/-0.117-0.011/-0.028
同上:ZPFで97.350.0680.0540.0960.006/0.018-0.014/0 0.006/0.018
0.0140-0.005/-0.018-0.068/-0.068-0.006/-0.018

軽量化その6:Gemini式、非三角格子リブを考察。

今までの変形、特に外縁で一番歪むところはアニメーションのように外側へと引っ張られていく力がかかっているようです。これを受けて今までの正三角格子ではなく、一番歪みそうな外側と支持点とがなるべく沢山直接結ぶようなリブを考えてみます。
最低限のリブは以下のようだと考えられます。
少し内側の、支持点のない3方向の部分ががら空きのような気もします。FEM解析の結果は以下のようになりました。
質量は78.93kg、鏡面上の歪みは0.244umとなりました。また今までとは傾向が違い、リブの荒い内側の3つの方向で歪みが最大となっています。アニメーションからもわかるように、荒いリブのところは波打っていて、これを改善するにはこの間のリブを密にするか、背面側にある程度の幅の板を付けて補強するかになると思います。

まず、リブを細かくします。
内側の支持点と外側の支持点をつなぐリブを増やしてみました。
FEM解析の結果は以下のようになりました。
質量は93.23kg、鏡面上の歪みは0.106umとなりました。内側が充分補強されるとアニメーションのように、外側伸びる変形が目立ってきます(これまでと同じセンス)。単純に支持点だけをつなぐとうまくいかず、どちらも目立たなくなるようなリブの付け方は一筋縄ではいかないようです。これから更にリブを追加して補強するとしたら、外側の6つの支持点を結んだり、外側を切り出したり、という形になり、正三角格子リブの場合に帰着するのではないかと思われます。

次に、リブの荒い部分に背面から板を付けて補強する方法を考えます。
板の厚みは「H」形に近くなるように鏡面と同じ10mmです。幅を25mm(リブ厚+10mm)、35mm(リブ厚+20mm)の2通りのパターンで考えました。図面の上が幅25mmの板をつけた場合、下が幅35mmの板を付けた場合になります。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左が幅25mmの結果で、質量は81.10kg、鏡面上の歪みは0.241umとなりました。右は幅35mmの結果で、質量は81.77kg、鏡面上の歪みは0.236umとなりました。どちらも補強の効果はありません。リブが波打つ程度は納まりましたが、その分やはり外側に伸びる傾向にある様です。さらに、鏡面で歪みが最大となる点はリブのないところに当るので、背面から支えるものがないために歪んでおり、板で補強をしても改善できる可能性は低いように思います。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)。右:全体、左:鏡面上の値

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
鏡面10mm、全厚125mm345.230.1180.0570.1190.015/0.015-0.061/00.014/0.014
0.0610-0.108/-0.015-0.118/-0.118-0.014/-0.014
非正三角格子78.930.2640.2440.2640.018/0.088-0.018/00.023/0.090
0.0200-0.024/-0.081-0.264/-0.264-0.024/-0.088
非正三角格子293.230.1370.1060.1420.016/0.038-0.021/0 0.017/0.038
0.0210-0.016/-0.031-0.137/-0.137-0.018/-0.038
非正三角格子:背面補強25mm81.100.2660.2410.2660.019/0.062-0.023/-0.2660.024/0.067
0.0250-0.025/0.062-0.266/-0.266-0.025/-0.064
非正三角格子:背面補強35mm81.770.2610.2360.2610.019/0.049-0.023/-0.2610.024/0.047
0.0250-0.025/0.051-0.261/-0.261-0.025/-0.049

軽量化その4−2:Gemini式に関して鏡面などの厚さを考察2。

鏡の全厚を高くして強度を高める分、リブの厚みを減らして見ることを考えます。全厚は240mm、リブの厚みは15mmとし、鏡面24mmと12mmの2通りを切り出し無と切り出し有でそれぞれ考えました。また、リブのデザインは軽量化その2:Gemini式、内側の改善。で行った『内側1』を採用しています。
まずは、鏡面24mmの場合です。上が切り出さないもの、下が切り出したものの図面になっています。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左が切り出さないほうで質量186.76kg、鏡面上の歪み0.040um、右が切り出したほうで質量170.10kg、鏡面上の歪み0.034umとなりました。

次に、鏡面12mmの場合です。上が切り出さないもの、下が切り出したものの図面になっています。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左が切り出さないほうで質量158.64kg、鏡面上の歪み0.059um(FEM解析結果の図で橙〜赤色にかけては歪み0.050um以上)、右が切り出したほうで質量142.87kg、鏡面上の歪み0.048umとなりました。
質量を150kg程度まで軽量化するのが限界ですが、鏡面上の歪みはどれも目的を達成しています
更にリブの厚みを10mmにしました。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左が切り出さないほうで質量119.01kg、鏡面上の歪み0.067um(FEM解析結果の図で黄〜赤色にかけては歪み0.050um以上)、右が切り出したほうで質量108.14kg、鏡面上の歪み0.056um(FEM解析結果の図で橙〜赤色にかけては歪み0.050um以上)となりました。但し、内側の支持点の部分が歪み0.050um以上となっています。

以上の結果を全てまとめると、 ということになります。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
何もしない614.710.1400.0270.1420.01500.014
0.1130-0.015-0.142-0.015
リブ厚15mm、鏡面24mm186.760.1080.0400.1110.007/0.018-0.068/00.007/0.017
0.0680-0.006/-0.018-0.108/-0.111/-0.006/-0.016
同上:切り出し170.100.0980.0340.0980.006/0.015-0.064/00.006/0.015
0.0640-0.005/-0.019-0.098/-0.098-0.006/-0.016
リブ厚15mm、鏡面12mm158.640.1080.0590.1080.008/0.017-0.049/00.008/0.016
0.0490-0.008/-0.015-0.108/-0.108-0.007/-0.015
同上:切り出し142.870.0940.0480.0940.006/0.014-0.046/00.006/0.013
0.0460-0.007/-0.016-0.094/-0.094-0.008/-0.013
リブ厚10mm、鏡面12mm119.010.1160.0670.1160.007/0.018-0.049/00.008/0.019
0.0490-0.007/-0.018-0.116/-0.116-0.007/-0.019
同上:切り出し108.140.1000.0560.1000.006/0.019-0.044/00.006/0.020
0.0440-0.006/-0.016-0.100/-0.100-0.005/-0.020

Gemini式、鏡材を考察2。(ZPFで考察)

再び鏡材をZPFにして考えます。軽量するというより、歪みを更に小さくしていくのが目的です。ZPFについては軽量化その5:Gemini式に関して鏡材を考察。でも考えました。これに加えて新たに今までの結果から『#14、リブ厚10mm、鏡面12mm:切り出し(108.14kg、0.056um)上面図)平面図)』、『#12、非正三角格子2(93.23kg、0.106um)上面図)平面図)』、『#10、外側の補強(93.00kg、0.071um)上面図)平面図)』(名前は結果一覧表から。括弧内の値は質量とクリアセラムのときの鏡面上の歪み。)についてもZPFでの解析をします。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左から順に『#14、リブ厚10mm、鏡面12mm:切り出し』:質量107.72kg、鏡面上の歪み0.030um、『#12、非正三角格子2』:質量92.86kg、鏡面上の歪み0.065um、『#10、外側の補強』:質量92.64kg、鏡面上の歪み0.041umになっています。
最後のものに関しては.螢屬鯒くする、格子をもっと細かくするとどうなるかを考えました。
まず,砲弔い董1辺の長さは220mmのままでリブの厚みを15mmから10mmに変えました。図は以下の通りになっています。下は切り出しを行ったものです。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左が切り出していないもので質量85.87kg、鏡面上の歪み0.053um、質量73.42kg、鏡面上の歪み0.045umとなりました。リブを細くすると支える強さが小さくなり歪みは大きくなるようです。

続いて△砲弔い董,紡个靴1辺の長さとリブの厚みの比が同程度になるように(#10:Gemini式に関して鏡面などの厚さを考察。より)1辺110mm、リブ厚8mmにして考えました。図は以下の通りになっています。下は切り出しを行ったものです。
FEM解析の結果は以下のようになりました。

左が切り出していないもので質量101.90kg、鏡面上の歪み0.059um、質量90.56kg、鏡面上の歪み0.059umとなりました。切り出しをしても鏡面上の歪みは同じで、変形量が0.004umずつ減りました。歪みを小さくするのに1辺を小さくする効果はあまり期待できないかもしれません。

結果一覧(上が最大値、下が最小値)

重量[kg]全変形量(鏡面)[μm]鏡面の歪み[μm]全変形量[μm]変形(x軸)[μm]変形(y軸)[μm]変形(z軸)[μm]
#14リブ厚10mm、鏡面12mm
:切り出しzpf
107.720.0600.0300.0610.004/0.017-0.029/00.004/0.015
0.0300-0.004/-0.010-0.060/-0.060/-0.004/-0.014
#12非正三角格子2zpf92.860.0800.0650.0820.009/0.024-0.079/00.009/0.024
0.0150-0.008/-0.020-0.079/-0.079-0.009/-0.024
#10外側の補強zpf92.640.0570.0410.0570.005/0.014-0.057/00.005/0.012
0.0160-0.005/-0.011-0.057/-0.057-0.006/-0.012
1辺220mm、リブ厚10mm85.870.0700.0530.0730.007/0.026-0.017/00.007/0.024
0.0170-0.007/-0.024-0.070/-0.071-0.007/-0.024
同上:切り出し73.420.0600.0450.0600.005/0.019-0.015/00.004/0.017
0.0150-0.004/-0.013-0.060/-0.060-0.005/-0.016
1辺110mm、リブ厚8mm101.900.0810.0590.0840.007/0.017-0.022/00.006/0.018
0.0220-0.005/-0.017-0.081/-0.082-0.007/-0.017
同上:切り出し90.560.0770.0590.0770.006/0.014-0.018/00.007/0.015
0.0180-0.006/-0.015-0.077/-0.077-0.007/-0.015

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