まず、各高度の風向・風速は高層天気図から年平均の値を用いました(但し、高層天気をモニターしている気象台の内、岡山に近い高松の統計表が無かったため、潮岬のものを用いています)。
また、構造関数定数Cn2に関しては、AOsim では相対比でよいようなので、それを求めました。求める方法としては、A. Glindemann (1999、学位論文?)に記載されていたHufnagel-Valley-Boundary モデルを利用し、各高度のCn2を求め、相対比で表すことにしました。
Hufnagel-Valley-Boundary モデルは、高度h[km] に対してCn2が次の式で表せるものです。
この条件で、PSFを作成すると下の画像の左の様になりました。画像の一辺は5[arcsec] に対応しています(1pixel 大体9.67[mas])。
アニメーションは、10枚おき、つまり0.2[s]毎のPSFです。
更に、各時刻の波面ファイルから、大きく外れている位相の部分の光を通さない(即ち、位相φ(x,y)[deg]が大きくずれていれば光の透過率A(x,y)=0とする、A(x,y)はここを参照。)様にしてPSFを作成しました。
「外れている」という条件には以下の3つの場合を考えました。
AO off | AO on: 平均±π/2 | AO on: 平均±π/4 | AO on: 平均±π/8 | |
---|---|---|---|---|
Transparency through Pupil | ||||
Transparency Ratio [%] | 100 | 44.1 -- 55.3 | 20.9 -- 28.8 | 10.1 -- 14.5 |
PSF | ||||
integrated PSF | ||||
PSF center (x,y) | 268,255 | 258,256 | 257,256 | 256,256 |
FWHM [pix](FWHM [arcsec]) | 54.5 (0.53) | 32.5(0.31) | 14.8(0.14) | 3.33(0.03) |
更に、それぞれの場合に対して、各時間のFWHMの移り変わりとPSF center の移り変わりは以下のようになりました。
PSF center の黒い2本の線の交点は画像の中心(x,y) = (256,256)です。
平均の位相±π/8でマスクをかけると、全て中心が(256,256)となりました。また、足し合わせたPSFもならされることなく、個々のFWHMの大きさを保ったままになっています(但し光の90%近くをカットしている)。