質問に対する回答

Q:月や太陽のような近い天体の赤道座標系は?
A:時々刻々変化します。

Q:赤道座標系と地平座標系は似てませんか?
A:球面上の方角を示すという点では役割は同じですが、赤道座標系は宇宙(天体)に対して固定しており、地平座標系は観測点に対して固定されていて、宇宙に対しては変動してしまいます。

Q:天の川銀河内の恒星よりほかの銀河の方が多く映っていました。これは全天球上で同じなのでしょうか?つまり、天球上では恒星より銀河の方が多く見えるのでしょうか?
A:天の川銀河の星と銀河の数はおおむね同じと考えられています。あの写真は天の川銀河の星の少ない方向を撮影したものです。逆に天の川銀河の中心方向を見ると星だらけです。

Q:地軸はなぜ公転面に対して傾いてるの?
A:原因は地球が小惑星が集積する過程にあると思います。自転軸と交点軸が平行だったとしても、そこに大きな小惑星がぶつかれば自転軸は移動します。例えば天王星はほぼ横倒しです。金星はほぼ180度、つまり逆回転しています。公転は太陽と地球の質量のみで決まり(万有引力)、その質量は双方の重心に全質量が集中していると考えても構いません(質点)。つまり自転とは独立です。したがって、公転と自転には独立です。ただ歳差運動(今日の講義)は自転と公転の関係で起きる現象です。

Q:太陽時によって(一般的に用いられる)1日という言葉が定義されているのとは別に、秒という単位の長さはCsの云々で決まっているようですが、おおよそ1太陽日が24h=60×60×24sになるようにCsの云々という定義が作られたと考えれば良いでしょうか。
A:その理解で良いと思います。メートル原器は地球の大きさから、キログラム原器は水1Lから考案されましたが、最終的には「はい、これにしましょう」と時の権力を持つ人や国家が実物(原器)を作りました。その後高精度な測定法ができてくるのですが、むりやり原器に合わせたわけです。なので、今ではメートル原器は光がxx秒の間に進む距離、1sはプランク定数と光速で定義されています。 。同様に秒も地球の運動から定義されてましたが、セシウムの振動で定義されることになりました。

Q:研究においてきれいな天体写真に触れることはあるの?
A:美しさの定義は横に置いとくとして。はい、あります。特に可視光や近赤外線で撮られた画像は人間の視覚感覚に近く、とてもきれいです。ただ、カラー画像にすること自体はほとんど科学的には意味がないので、研究とは別に趣味というかプレゼンテーションとしてカラー画像を作って楽しんでいるのが実情です。

Q:太陽時と恒星時の1日の定義が約4分ずれていることについて、閏年や閏秒のようにこれらのずれを調節するような対策は行われているのでしょうか?
A:うるう年やうるう秒は1年がおよそ365.24日であることが原因です。太陽時と恒星時のずれはなんとなく不便ですが、どうしようもありません。観測所にはこんな時計があり、観測者はこれを眺めながら天体観測をします。

Q:北極星が真上にあるように見えるのは北極星と地球の距離が遠すぎるからほぼ同じ場所に見えるということであってますか?
A:はい!

C:一番暑い日が夏至でないのもそうですが、日の出が一番早いのが夏至でないのもよく出る疑問ですね。
A:疑問どころか気にしたこともなかったです!言われてみればずれるだろうなと思います。詳しくはこちら

Q:太陽のRA, DeCが変化するのは地球との距離が近く、地球の公転の影響を無視できないからでしょうか?また、星のRA, DeCの変化が問題となる(地球の公転の影響を無視できない)場合はあったりしますでしょうか?
A:はい!ま、近いというよりは地球が太陽の周りをまわってしまうので、1年で見える方向が360度回転してしまいます。恒星の座標も光行差以外にも年周視差、固有運動、歳差運動によってわずかに変化します。厳密にはこれらをすべて考慮して天体観測をします。