質問に対する回答

Q:標準星の等級はどのように決定するの?
A:ベガ等級であればベガと比べます。

Q:等級はどのくらいの精度?
A:技術が進んで精度が上がっています。今では1パーセントくらいでは決定されます。そうするとかつては標準星だったものが変光星だと判明することがあります。

Q:等級の定義された1850年代に、100倍の明るさの違いはどのように測定されていたのでしょうか。
A:写真乾板を用いて星像の大きさだと思います。

Q:肉眼で見ただけでは何倍明るいとかがわからないと思うのですが、実視等級はどのようにして測るのでしょうか。
A:実視等級の実視とは眼視ではなく装置で計測することを言います。絶対等級に対する用語です。

Q:観測したい星の見かけの明るさが大気の透過率などによって変化してしまう問題を標準星によって解決できるという話について、標準星は絶対光度が分かっているから見かけの明るさが変化しても問題がなく、基準として使えるという認識で合っていますか?
A:はい。

Q:標準光源とされた星はなぜ大気の透過率の影響をうけずに明るさが変化しないのでしょうか。また真の明るさが求まっているということだとしたらどうやって求めているのですか
A:標準星も大気の影響を受けます。むしろ等しく受けるから意味があるのです。どうやって正確に求めたかについてですが、最終的には衛星望遠鏡によって決定されたはずです。

Q:どのように基準となる標準星を見つけるのですか?
A:そらにまんべんなくピックアップして、測光し、変光星ではないものとします。望遠鏡が大型化すると明るい標準星は使い勝手が悪いので、どんどん暗い星が定義されていきます。

Q:Pogsonによって定義されていたものなどは分光することなく強度のみで等級を定義していたということですか。
A:はい。そのはずです。強いていうなら写真(銀塩反応)の感度特性に制限されたはずです。

Q:標準星というのはいくつほど存在しているのでしょうか
A:たくさん。

Q:標準星は、なぜ明るさが変化しないのですか?
A:変化したら標準になりません。星がなぜ変光しないかという理由は、なかなか難しい質問になります。

Q:今観測されている中で絶対等級で最も明るい星はどのような星ですか?
A:超新星爆発などを除くとこうなります。 ηカリーナ観測したことがあります。とても明るいので、わざと減光フィルタを入れて観測しました

Q:フィルタはどのように作られている?
A:干渉フィルタの仕組みはこんな感じです。

Q:地上では大気による観測の障害があるように、宇宙でも太陽風などのような観測の障害はあるのですか?
A:影響は少ないですが、ありますね。太陽風や宇宙線が検出器に反応するので、ノイズになります。またデブリの問題もあります。

Q:宇宙でガンマ線、エックス線を観測する衛星はどのようにしてそれらから保護されているのでしょうか。
A:詳しく知りませんが、意図しない方向からのX線を遮断するために鉛などで検出器部分を覆ているはずです。

Q:スペース望遠鏡のデブリ対策は?
A:ほとんどの衛星が地球太陽のL2ポイントなので、デブリの影響をうけませんが、ハッブルは低軌道なので影響を受けます。もしかするとデブリ回避のために軌道を変えたことがあるかもしれませんね。

Q:大気の変動が望遠鏡のノイズになるという事であったが、逆に望遠鏡を利用して大気の様子を測定するというようなことは無いのだろうか。
A:素晴らしい発想ですね。じっさいにレーザーを打ち上げてその散乱光を地上の望遠鏡で観測したりします。

Q:日中、レイリー散乱の光が明るすぎて観測できないとありますが、その青い光を通さないフィルターをかけても観測できないのでしょうか。
A:はい、いいアイデアだと思います。やれば見えやすくなると思います。しかし、レイリー散乱は青色から短波長側を全部散乱するので、非効率ですね。

Q:気による吸収というのは大気分子による励起発光と考えれば良いでしょうか。
A:励起が吸収です。励起状態から基底状態に遷移するときに出るのが発光(輝線)です。

Q:太陽が時間帯によって色が違って見えるのは大気の散乱の仕方が違うからなのでしょうか?
A:はい。

Q:OH分子の発光の雑音はどのように除外するのでしょうか
A:OH輝線は大量にあるため除外は大変です。ふつうは除外せずに観測してますが、分光した後に除外する装置が京大によって作られたことがあります。

Q:鏡を将来的にDyson sphereに使うための研究とかもされているんですか?
A:遠い未来の話ですね。