質問に対する回答
Q:月面から観測を行うとしたら、年周視差の計算の仕方は地球上と同じ?
A:はい。地球ー太陽にくらべて地球ー月は無視できます。
Q:普通の恒星は年周視差の有効範囲でしか正確な距離を測ることができない?
A:はい。
Q:年周視差について、半年しか観測できない星ではどうやって測るの?
A:半年観測できれば十分!
Q:「宇宙兄弟」という漫画では主人公らが月面に天文台を建設するのですが、実際にこれが実現したら天体観測は大きく進歩する?
A:はい。そういう計画を議論し始めてます。
Q:複数の方法で距離を測ったとき、得られた値がずれたらどうするの?
A:両方とも尊重します。
Q:宇宙の距離梯子で、セファイドで距離を測れる範囲がかなり広いけどなぜ?
A:セファイドは太陽より100倍くらい明るく、銀河の中でも変動を検出できるのです。
Q:1AUの測定で、「金星までの距離をレーダーで測定」とありますが、どのようにレーダーで測るの
A:金星の表面で反射して戻ってくるまでの時間を計ります
Q:縦軸にLuminosity,横軸にSurface temperatureを取っている図が資料中にありましたが、横軸の正の向きが、向かって左なのはなぜなぜ?
A:スペクトルタイプが星の色と歴史的にアルファベット順に近い名前で決まり、その後それに応じて温度が判明したのですが、温度が左ほど高いためです。
Q:主系列星などが書いてあった図の、OBAFGKMとは何ですか?
A:スペクトルタイプ(つまり星のタイプ)の名前です。
Q:火星に着陸して探査している探査機が存在する今、火星から観測して年周視差をより感度よく計測できるのでは?
A:火星に行くのって大変でして。。
Q:公転面とおなじ面にある星は太陽と丸かぶりになってしまって観測できないのでは?
A:半年たてば測れますよね。
Q:隕石などの地球に近づいてくる物体との距離はどのようにして測るの?
A:地球上からの三角測量でも十分でしょう。
Q:銀河座標で銀河中心までの距離を指定する必要はないの?
A:観測上は不要ですよね。ただ、およそ8 kpcと考えられています
Q:「距離のはしご」のように順々に遠くの天体まで距離を調べているが,年周視差などから一番最初に距離を求めた天体は明るさや大きさの基準にもなってるの?
A:はい。なので1AUはとても大切です。ガイア衛星が天の川銀河の星1億個に対して10%の精度で距離を計測しました。
Q:光度距離や角径距離を求める際に塵やガスが誤差の原因という話がありました。どのようにしてどの程度の誤差が含まれているかを推定するの?
A:たとえば可視光だと天の川中心は塵のせいでほとんど観測できません。なお、角距離(年周視差)は星の明るさを計測するわけではないので、塵の影響を受けません。
Q:Ta型の超新星爆発が非対称な爆発である(見る方向によって明るさが違う)ということを聞いたことがあるのですが、Ta型の超新星爆発で距離の計測を行うときの補正は、その非対称性による誤差の補正なのでしょうか。
A:原因は知りません。ただ、明るいものほどゆっくり減光するという性質があるので、それを用いて補正します。またその超新星がある銀河内のダスト(塵)の影響も補正する必要があります。
Q:ハッブルの法則で後退速度が光速の0.1倍以上の天体に対して距離を計測するにはIa型超新星のほかにどのような計測方法がある?
A:有効な方法は今のところこれ以外ないですね。
Q:Ia型超新星に2種類の爆発の仕方があると聞いたことがありますが、どのようにして分かったの?
A:詳しくは知りませんが、たとえば同じ銀河でたまたま二つのIa型超新星が爆発し、その光度が異なることが考えられますね。
Q:宙大規模構造の図から、赤方偏移と距離の関係をどのように確認できる?
A:あの図では距離ではなく赤方偏移zだけですね。
Q:例えば光速より速く走れるだけの脚力がある人いて、その人が光と競争している様子を他の人が見ていても、光と同じ速さにしか見えない、ということ?
A:うーん。その過程がそもそも実現しない。あと大切なことは「光速度不変」です
Q:宇宙の大規模構造の図で、構造が分かっている場所が2方向に分かれていますが、これは銀河円盤の上下の方向だけが観測できるから?
A:はい!
Q:ハッブル・ルメートルの法則が近傍でしか適用できないのは宇宙が加速膨張しているから?
A:いえ。宇宙膨張が一定ならハッブル定数は遠方ほど大きくなります。(加速膨張の時は膨張速度が一定の時に比べて遠方のハッブル定数は小さくなります。)
Q:空間の膨張は光速を超えても構わない、という意味がイマイチ理解できません。宇宙空間の一番外側にある物質は膨張の中心から光速で離れていないの?
A:繰り返しですが、超えても構いません。
Q:光速より速く後退している領域の天体を観測することはどうやってもできない?
A:誕生した時から光速を超えていたら無理ですね。
Q:宇宙は膨張していると言われているし、実際にその通りであると考えるが、どうしても実感が沸かない。身近に宇宙の膨張について実感できる事象があればご教示いただきたい。
A:身近には無いですー。
Q:観測の地平線が450億光年先であるのは宇宙が膨張しているため、とあるがこれはどういうことでしょうか。光が放たれた時には138億光年以内にあったが離れていったということですか。また空間が膨張する速度が光速を超えた場合、その地点からの光はこちらから絶対に見えないのでしょうか。
A:その理解で良いと思います(宇宙論はあまり自信がない・・)。