2020年1月15日の質問に対する回答
Q:R=10000以上の回折格子ってどうやって作る?
A:回折格子の溝の本数は数百から1000本/mm程度あります。つまり波長程度の構造です。ルーリングエンジンという高い精度で周期的な溝を切る機械でつくります。この動画の4:30あたり。反射型回折格子だとこんな感じです。
Q:HR図で赤い(低温側)の星ほど主系列のばらつきが大きかったが?
A:HR図の縦軸は対数なのでばらつきが星の明るさによらず同程度だとこのようになります。これはハッブル宇宙望遠鏡で撮られた球状星団の色等級図(HR図にほぼ同じ)です。やはり低温の星ではばらつきが少し大きいですね。もしかすると物理的な背景があるかもしれません。詳しくは恒星物理学の講義で学んでください。
Q:HR図の線がぐにゃぐにゃしているのはなぜ?
A:恒星物理学で学んでください。
Q:波長分解能は理論上無限大に成れる?
A:はい、原理的には。ただ何事も測定精度が6桁ましてや8桁を超えてくると環境依存などの誤差との戦いになり、実現は困難です。平均化によって改善するのが現実です。
Q:反射型回折格子の説明をもう少し聞きたい。
A:すみません。講義では時間が無いので個人的に訊きに来てください。
Q:分解能はどれだけあれば及第点?
A:目的に依ります。高すぎると光が薄まりすぎてS/Nが悪くなります。
Q:分光で惑星大気の特定もできる?
A:はい。惑星の大気からの光を抽出できればできます。分光は生物、化学、医学などさまざまな分野で物質の特定のために用いられます。
Q:プリズムにて波長によって分散が違うということは分解能もことなるということ?
A:はい、そうです。講義でもいいましたが屈折率の波長依存性が大きいところでは分解能が高くなります。
Q:撮像と分光が一緒のようなデータを見たことがあるけど?スリットを無くすの?
A:はい。スリットレス分光という方式があり、このような回折格子で行うと天体のゼロ次光の像とその周辺に分光によるスペクトルの帯が映ります。ただ、星が混雑しているとお互いに重なってデータとして使えない領域が生じます。プリズムの場合はゼロ次光の像は存在しません。
Q:P20にて50番目のスリットじゃなくて51番目でλ/2のずれですよね。
A:ご指摘ありがとうございます。
Q:プリズムと回折格子ではどちらが分解能を上げやすい?
A:回折格子です。屈折率の波長依存性のグラフからdn/dλを読み取ってみてください。
Q:どの分散素子が良く使われる?
A:目的によります。最近は回折効率の高いブレーズドグレーティングが安価になってよく使われると思います。
Q:星のタイプのアルファベットはどうやって決まった?
A:適当にタイプごとにアルファベット順に名付けたと言われています。その後よく調べてみると温度順に並べてみると順番が入れ替わりました。