2019年10月9日の質問に対する回答

Q:RAはなんでRaではない?
A:Right Ascensionだからです。

Q:地球もいずれはコマのように倒れる?
A:地球の歳差における力(コマにおいて倒そうとする重力)は地球が赤道方向に膨らんでいるために、赤道面を黄道面に一致させようとする力だそうです。となると、むしろ起き上がる方向(糸で天井から吊るされた逆さまのコマのイメージ)ですね。実際は摩擦はほとんどないので、半永久的にこの状態だと思います。むしろいずれタイダルロックと呼ばれる現象が起きます。これは月が地球に常に同じ面を見せているのと同じで、徐々に地球の自転が遅くなり、いずれ公転と自転の周期が一致することになるでしょう。

Q:分点はなぜ50年ごとに更新?
A:望遠鏡を目標の天体に向ける時はコンピュータの中で歳差運動を時間の関数として計算しています。論文などで天体の位置を報告するときは日々更新すると面倒なので、50年おきとして、そのことを「分点」と呼んでいます。

Q:どうやって歳差の周期が分かったの?
A:さぁどうでしょう。昔の星図との比較から変化には気づいたでしょう。現代の精密な観測技術なら正確に分かります。

Q:ホットジュピターの場合共通重心が主星の内部になり、そんなに速く速度変化せず、検出が困難なのでは?
A:力学計算をしてみてください!惑星が近いほど主星は速く運動します。

Q:天体の大きさをXX分角×YY分角と表すのを見たことがあるがこれはRA, Decに従っている?
A:いいえ、見た目の大きさで、単に長軸と短軸の見かけの角度を記しています。

Q:恒星時は基準とする星によって変わる?
A:いいえ、年周視差などを含めるわけにはいかないので無限遠の星を仮定します。例えば遠方のクエーサーでも良いでしょう。

Q:光行差と恒星時の関係がいまいちわからんかった
A:恒星時には光行差を含めずに決めています。

Q:光行差はどうやって検出された?
A:子午器と呼ばれる地面に固定された望遠鏡を使って検出されました(講義では光行差はその天域全体が同じ動きをするので検出が年周視差より難しい!と言いましたが、大ウソで年周視差より100年早かったです。。ただ検出が難しいことには変わりませんが)。

Q:固有運動は基準が無いと検出が難しいのでは?
A:むしろ多くの星がずいぶん遠くに合って十分基準に成りえます。固有運動する星は近くの星で、その他の星に比べて100倍ほど近いのです。で、すべての星は固有運動をしているのですが、年収視差と同様に程度の問題です。

Q:銀河回転で銀河の形は変わる?
A:はい。衝突などによっても変わります。

Q:太陽系は一般的?
A:おそらくそうだと思いますが、今は観測技術が巨大ガス惑星までに感度があるため、よくわかっていません。

Q:分点のJ2000とかB1950のJやBって何?
A:Jはユリウス暦です。BはベッセルのBだったと思います。

Q:銀河中心を観測するにはどれくらいの望遠鏡がいる?
A:テーマに依ります。口径数十cmからだってできます。

Q:月と星の動きは違う?
A:はい。星に対して月はおよそ1月で天球を1周します。だからひと月は30日です。

Q:ラジアン×距離が大きさはラジアンが小さい時だけ成り立つ?
A:はい、もちろんそうです。大きさ(高さ)ではなく円周距離=距離×角度(ラジアン)が定義ですから。