2018年11月14日の質問に対する回答

光学関連

Q:F比のFは何の略
A:知りません。

Q:観測能力をもう一度
A:スライドで。

Q:焦点深度をもう一度
A:

Q:検出器を動かすことでピントを合わせることは出来るか
A:レンズと検出器のどちらかを動かして合わせます。ただ、一度にすべてに合わせることは出来ず、焦点深度に依ります。天体望遠鏡は無限遠を対象なのでピンと調整は不要です。

Q:望遠鏡と顕微鏡の違いは?
A:望遠鏡は無限遠の物の小さな像を焦点に作り、それを接眼レンズで拡大します。顕微鏡はごく近くの物の像を作り、それを接眼レンズで拡大します。顕微鏡を逆から覗けば望遠鏡になります。この図からもわかると思います。

Q:なぜ大型の顕微鏡はないの?
A:顕微鏡の分解能は望遠鏡と同じ考え方で導くことができます。まず角度分解能はおよそλ/Dです。λは観測波長、Dは対物レンズの口径です。望遠鏡は角度分解する装置なのでλ/Dが分解能となりますが、顕微鏡は物の大きさを見極める装置です。見極める大きさはを導出するには対物レンズの焦点距離fを掛ければいいわけです。つまり顕微鏡の分解能はfλ/Dです。ここでf/DはF値です。レンズの製造技術を駆使してもF値は1程度です。すなわち顕微鏡の分解能は対物レンズの口径に依らずおよそ波長程度となります。対物レンズを大きくしても意味がないことが分かります。

Q:焦点距離は材料で変わる?
A:レンズの式の通りです。

Q:星は無限遠というけど、星ごとに距離が違いますよね。
A:そうですが、いずれも光学的には無限遠とみなせるほど遠いのです。

Q:検出器の大きさdってどこ?
A:すみません。示してなかったですね。検出器の1辺の大きさです。

Q:目を細めるとはっきり見える理由をもう一度
A:板書します。

Q:F/2.8はF値が2.8ということ?
A:はい。そうです。

Q:望遠鏡の性能は口径ではなくF比で決まると言っていましたが・・・
A:そうではありません。基本的にはやはり口径が支配的です。F比で決まるのは広がった天体への感度です。広がった天体の微細な構造を知りたい場合は口径も重要となります。

Q:色収差を2枚のレンズで補正するときにはどれくらいの波長をカバーできるの?
A:こういう感じです。

Q:科学観測では波長ごとに観測するだろうから色収差は気にしなくていいのでは?
A:たとえば、すばる望遠鏡のカメラなどはフィルタを交換し検出器が固定されているのでレンズに色収差は許されません。

その他

Q:LSSTの視野が188分角は何のため
A:広視野サーベイ(掃天といって広い範囲を観測すること)に向いています。宇宙の普遍性を探るなど。

Q:LSSTでは空のどれほどが観測できるの?
A:これくらいです。

Q:せいめい望遠鏡のF比は?
A:主鏡が1.3、合成(副鏡と合わせて)6です。

Q:口径と焦点距離の関係はあるの?
A:みな大口径で短焦点距離の光学系を目指していますが、製造誤差による収差(ボケ)が大きくなり、困難になります。

Q:メガネだと左右の度が大きく違うと作れないと言われたけどなぜ?
A:すみません。知りません。調べてみると、こういうことのようです。

Q:背景がボケると背景ノイズは減る?
A:天体観測で背景だけをボカスことはできません。

Q:赤外線検出器が効果になるのはなぜ?
A:製造が困難なことと、売れないからです。のちの講義で。

Q:Fを小さくしたいのに、カメラではシャッター速度で調整するってどういうこと?
A:天体望遠鏡では小さなFを求めますが、一眼レフなど市販のカメラでは撮影技術としてFやシャッター速度を調整するということです。

Q:立体視で視力トレーニングになるのはなぜ?
A:知りません。そもそも効くのですかね。おそらく普段使わない目の筋肉を使うからではないでしょうか。僕の場合はぼーっとするとできる(おそらく平行法)ので、普段とは違う状況だという認識はあります。

Q:人間の目のF値は存在する?
A:もちろんレンズなので存在します。調べてみてください。

Q:接眼レンズを用いず、網膜に焦点を置けば見えるの?
A:はい。水晶体を考慮してくださいね。

Q:せいめい望遠鏡のAΩは?
A:口径3.8mで、視野は頑張ると1度です。

Q:ドラマの取調室が暗いのは間違っている?
A:隣に傍聴室が無いのでしょう。

Q:F値とノイズの関係をもう一度
A:理想的な点源であればF値によらず点ですが、背景からのノイズはF値が小さいほど検出器の単位面積に入る光量が増えます。ただ、実際には点源も大気ゆらぎや回折により有限の大きさにボケるため、この理屈は完全に正しいわけではありません。

Q:一眼レフカメラはなぜ大きいの?
A:対物レンズが大きいからです。

Q:赤外線の望遠鏡はゲルマニウムを使ってるの?
A:反射望遠鏡鏡なので用いません。観測装置の中では用います。

Q:材料工学的なアプローチで望遠鏡の性能向上はある?
A:例えば鏡の低熱膨張材料、SiC、ベリリウムや望遠鏡構造のカーボンファイバ等ですね。

Q:点光源と広がった天体の話をもう一度
A:板書します。

Q:虹の大きさの話が理解できなかった。
A:光の屈折反射は角度です。したがって虹の見かけの角度(見かけの大きさ)は変わりません。庭先の虹は水滴がすぐ近くにあるので実体としては小さいですが、近くにあり大きく見えます。雨の虹は水滴は通常遠くにあるので、遠くに浮かびますが、双方とも見かけの大きさは同じです。ちなみに大きな虹小さな虹も円弧は同じ角度です。また虹に近づこうと思っても角度なので近づけません。水滴を追い越してしまうと消えてしまいます。ネットにも解説記事が出ているので参考にしてください。

Q:お金の制限が無かったらどんな望遠鏡を作る?
A:巨大な望遠鏡を宇宙にあげるでしょうね。

Q:LSSTが最高性能なの?
A:あくまで光をより多く受けられるという点でLSSTが優れていますが、万能ではありません。

Q:望遠鏡の設計に研究者は関わるの?
A:研究者は通常は仕様だけを決めて、設計には関わりません。

Q:鏡が大きくなると重力変形などをしそうだけど。
A:はい。そのために鏡がゆがまないように、構造の変形も抑えられるように工夫します。

Q:観測性能を上げるのにかかる費用と年数は?
A:年数に関してはこんな感じです。費用はこんな感じです。

Q:噴水の写真とそのスライドにあったレンズは関係あるの?
A:ありません。

Q:視野角と望遠鏡の価格には関係はある?
A:はい、あります。大きな視野を無収差で確保しようとすると補正光学系が必要でその分効果になります。

Q:点源はどんなに頑張っても点なの?
A:宇宙望遠鏡で観測します。星の直径を100万km、そこまでの距離を10光年(100兆km)とすると見かけの大きさは2ミリ秒角です。これを500nmの光で観測して大きさを検出するには口径50mの望遠鏡が必要です。最大の宇宙望遠鏡は口径2.4mのハッブル宇宙望遠鏡です。数年後に口径6.5mのJWSTが打ちあがりますが、それでも不可能です。

Q:望遠鏡もISO感度の様に感度を変えますか?
A:変えません。ISOを変えてもS/N(シグナルとノイズの比)は変わらないからです。

Q:目を細めると視野が狭くなるのはなぜ?
A:瞼と水晶体の位置が一致していないからです。

その他のその他

Q:宇宙全体の質量は保存するの
A:しません。

Q:最近のスマホのデュアルカメラの仕組みは?
A:2台乗せてるだけです。

Q:接眼レンズを有する望遠鏡はすばる以外にある?
A:すばるは観望のために作りましたが、それ以降は使っていません。国内の公共天文台に行けば眼視できる望遠鏡はたくさんあります。

Q:都市部で星が見えにくいのはなぜ
A:街明かりが大気中の雲や塵に散乱し、空が明るくなるためです。

Q:LSSTはいくらするの?
A:しりません。

Q:望遠鏡に接眼レンズはあるの
A:あります。科学用にはありません。

Q:ブラックホールは見えるの?
A:見えません。周辺の現象からとらえます。