チェックボックスアイコン 手順7: hydraタスクを使うための準備

スペクトル切り出しや波長校正などをまとめて処理してくれる、IRAFのファイバー分光器用解析パッケージhydraを使うために、いくつか細かい準備をします。 未検証ですが、グリズムによっては不要な領域を切り取ったり、比較光源フレームを重ね合わせたりすることが必要になる場合があります。 分かり次第情報を追加します。

IRAFのライブラリに京都大学 岡山天文台の緯度経度、標高などを追加します。 編集するファイルは /iraf/iraf/noao/lib/obsdb.dat などです。 インストールの状況によってはrootになる必要があります。 追加する内容は以下になります。

(2019/12/23更新)

observatory = "seimei"
       name = "Okayama Observatory, Kyoto University, Japan"
       longitude = 226:24:11.8
       latitude = 34:34:36.8
       altitude = 355.
       timezone = -9

比較光源フレームを重ね合わせます。 波長較正のために、観測の前または後に比較光源ランプ (Hg、Ne、Xe) のフレームを取得しているはずです。 グリズムによって複数種類のランプフレームを取得していますが、それらを重ね合わせて1つにしたフレームを作ります。

#VPH-blueの場合 (仮)
rm -f comp-vph-blue-gain.fits
imcombine kls00041206-gain.fits,kls00041208-gain.fits comp-vph-blue-gain.fits combine=average

#カウント値をスケーリングしながら平均するには、スケールを記述したファイルを作り、imcombineのパラメータscaleに指定する。

グリズムごとにfitsファイルを各ディレクトリに分けます。 下記の例では、ディレクトリを作り、そのディレクトリ内にそこに入るべきファイルのリストを作り、ファイルをコピーします。

#ディレクトリ名などはグリズムVPH-blueの場合の例。
#天体 + (足し合わせ後の)フラット + 波長較正フレームをリストに入れる。
#今までの名付けルールであれば、cosmic ray除去後のファイル名は…-cosmic.fits、無ければ…-gain.fitsとなる。
mkdir vph-blue
ls kls0004095[67]-gain.fits > vph-blue/obs-vph-blue-cosmic.list
ls kls0004100[12]-cosmic.fits >> vph-blue/obs-vph-blue-cosmic.list
ls flat-vph-blue-gain.fits >> vph-blue/obs-vph-blue-cosmic.list
#ディレクトリを移動し、ファイルをコピーする。
cd vph-blue
awk '{print "rm -f " $1}' obs-vph-blue-cosmic.list | sh
awk '{printf ("cp ../%s ./\n", $1)}' obs-vph-blue-cosmic.list | sh

#各ファイバーのIDのためのファイル。
#グリズムやbinningによらず同じ。
#kools_ifu_redパッケージに同封すればいい気がしてきた。
awk 'BEGIN{for (count = 1; count < 128; count++) {print count, 1, "object"}}' 1 > fiber_id.dat

#他のグリズムがあれば、元のディレクトリに戻って、同様の手順を繰り返す。(以下同様)

ヘッダー情報を追加します。 epochと時刻を適当に追加すればいいようです。 これらの値が解析結果に影響を与えることはなさそうですが、無いとエラーで止まってしまいます。
(2020/3/25追記) epochを追加するようにしました。
(2019/5/29追記) 日本時間で24時以降のデータのDATE-OBSが1日進んでしまっています。 heditなどで24時以降のデータの日付を1日戻してください。

hedit @obs-vph-blue-cosmic.list epoch 2000.0 add+ verify-
hedit @obs-vph-blue-cosmic.list ut 12 add+ verify-
hedit @obs-vph-blue-cosmic.list observat seimei verify-
#JD、HJD、LJDを計算し追加。
astutil
setjd @obs-vph-blue-cosmic.list

clスクリプトにバグがあるので、修正します。 ファイルは /iraf/iraf/noao/imred/src/fibers/fibresponse.cl (パスは適宜変更) です。 119行目と210行目で関数の引数 ansrecenter が2回書かれているので、一方を消します。