突発天体はその明るさと短い時間スケールに特徴があります。
2000年代までは、発見される突発現象の多くは超新星爆発や新星爆発という比較的長い時間スケールを持った現象でした。
しかし、2010年代に入ってからの時間軸天文学の始動により、突発現象の発見数は劇的に増加しました。
これにより、予想されていた以上の突発現象の多様性が明らかとなり、恒星進化理論や宇宙の進化に関する重要な洞察を提供し続けています。
さらに、これからの2020-30年代で予定されているVera C. Rubin Observatoryの「Legacy Survey of Space and Time (LSST)」サーベイは、突発天体の研究の最前線をさらに押し広げると期待されています。
このダイナミックな時代において、従来の突発天体の特性を見直し、新たに発見された星々の特性を明らかにすることが求められています。
恒星がその進化の終焉に達すると、中心の核反応の暴走や重力崩壊によって爆発し、超新星爆発を引き起こします。
この爆発は非常に明るく、銀河系外で起こった現象であっても観測することができます。
私は、超新星爆発のメカニズムや特性を理論計算や望遠鏡による観測を通じて理解し、恒星進化の最終段階と超新星の本質に迫ろうとしています。
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Uno, Nagao, Maeda et al. 2023
Fast Blue Optical Transients (FBOT)s
FBOTsは、数日程度で急速に明るさが上昇し、その後10日ほどで暗くなってしまうという、極めて早い明るさの変化を示す特徴的な現象です。
その時間スケールは超新星よりも遥かに短く、ピークの明るさは超新星の約100倍にもなります。
私は、FBOTが超新星とは異なる物理メカニズムから発生しているのではないかと考えており、この謎の現象には非常に興味を持っています。
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Uno & Maeda 2023
潮汐破壊現象
星が超大質量ブラックホールに接近すると、ブラックホールの強い重力によって星が引き裂かれ、潮汐破壊現象(TDE)が発生します。
従来、TDEはX線で明るく観測されると考えられていましたが、最近の観測では可視光や紫外線で明るいTDEが発見されています。
その放射メカニズムについては現在も議論が続いており、私はその解明を目指しています。
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