以下は、すばる望遠鏡の新主焦点カメラの例。
![]() https://www.naoj.org/Projects/HSC/j_index.html | ![]() https://subarutelescope.org/jp/news/topics/2012/09/12/2430.html |
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広視野のカメラなどで像面が弯曲している場合には、CCD を弯曲面に沿って配置したり、視野平坦化レンズを用いる。
以下は、すばる望遠鏡の赤外線カメラ (MOIRCS) の例 (多天体分光器でもある)。
https://subarutelescope.org/jp/about/instrument/moircs/index.html
また、小型の装置ではオフナーと呼ばれる簡単な反射光学系で再結像させる赤外カメラも多い。
以下は、カリフォルニア大の赤外カメラの例。
近年は、望遠鏡全体を広視野赤外線カメラの機能に特化したものもある。
以下は、赤外線サーベイ望遠鏡(VISTA)の例
https://www.eso.org/public/teles-instr/paranal-observatory/surveytelescopes/vista/
以下は、Keck 望遠鏡撮像分光器 (LRIS) の例。光を赤と青の2色に分けて同時に分光するもの。
https://www2.keck.hawaii.edu/inst/lris/lrishome.html
大気分散補正用プリズムは、2組の薄い直進プリズムを組み合わせたものである。相対回転角を変えることで、分散の大きさを調節することができる。
d(sin i + sin r) = mλ (1)
λの微小変化に対する r の変化は、上式より
d cos r・Δr = mΔλ (2)
天文用のグレーティングは、格子が階段状の反射面(ブレーズ)で作られており、使用する中心波長で(1)式と同時に反射の法則も満すようになっている。
これにより、大部分のエネルギーを一つの次数に集中させることができる。
ブレーズ角 θb, ブレーズ波長 λb と、格子間隔 d の関係は以下のようになる。
d = λb /(2sinθb) (3)
通常の平面グレーティングは、ルーリングエンジンと呼ばれる装置でブレーズ面の型を作り、そこに樹脂を押し付けてレジンと呼ばれるレプリカを取り、基盤に張り付けることにより製作するが、近年、合成石英基板に直接ブレーズ加工する方法も出てきており、波長が長い可視光では透過型の回折格子(以下のグリズム参照)としてこの方法で製作したものが使われ始めている。
ホログラムの技術を用いて製作されるホログラフィックグレーティングは、上記の方法に比べて効率は劣る(シャープな加工ができないため)が、加工精度が高くゴースト(迷光)が少ないことと、不等間隔の格子を製作したり凹面上に格子加工を施すことができるなどの利点がある。凹面グレーティングは、単一の素子のみで分光器を作ることができるため、衛星搭載用の小型の紫外線分光器などで用いられている。
https://www.shimadzu.co.jp/products/opt/guide/gratings_index.html
d(n sin θb- sin(θb-r)) = mλ (4)
r~0 とすると、λの微小変化に対する r の変化は以下のようになる。
d cos θb・Δr = mΔλ (5)
通常はプリズムにレジンを張り付けて製作するが、赤外線や可視光の長い波長では光学材料に直接ブレーズ加工して製作する場合もある。
https://arxiv.org/pdf/astro-ph/0603763.pdf
https://www.plymouthgrating.com/product/transmission-diffraction-gratings/
R = λ/Δλ
mλ/(2tanθb)・Δr = mΔλ
スリット・コリメータ間の距離を L, スリット幅を s とすると、スリット幅を見込む角度が波長情報を分離できる限界となるので、Δi ~ Δr ~ s/L で、波長分解能は以下のように与えられる。
R = λ/Δλ = 2(L/s)tanθb (6)
すなわち、波長分解能を上げる方法として以下の3つがある。
・コリメータを遠くしてスリット幅を見込む角度を減らす
・スリット幅を狭くする
・ブレーズ角を大きくする
R = λ/Δλ = mN/cos θb (7)
ここで N = D/d で、回折格子の溝総数である。
回折で決まる本質的な波長分解能を上げる方法として以下の3つがある。
・次数を上げる
・光束内の溝本数を増やす
・ブレーズ角を大きくする
https://subarutelescope.org/jp/about/instrument/hds/index.html
https://subarutelescope.org/jp/about/instrument/hds/index.html
赤外線の高分散分光器は冷却する必要性から大型化が難しく、スリットを見込む角度や光束内でのグレーティングの溝本数を増やすことができないため、波長分解能は 20,000 程度が限界である。しかし、屈折率の高い媒質の内部で干渉させれば、屈折率の分だけ波長分解能を上げることが可能である。このようなグレーティングを、イマージョングレーティングという。媒質としては、ゲルマニウム(屈折率 4.00)やシリコン(屈折率 3.42)などが考えられるが、加工が難しく、近年小型のものがようやく実用化されてきた段階である。
https://www.cfht.hawaii.edu/Instruments/Spectroscopy/FTS/
http://www.2dfgrs.net/
以下は、すばる望遠鏡主焦点多天体分光器 (PFS) の例。
https://pfs.ipmu.jp/ja/index.html
ファイバーをバンドル状に束ねることにより、広がった天体を部分別に分けて分光する(面分光)ことも可能である。
以下は、Gemini 望遠鏡多天体分光器 (GMOS) の面分光ユニット(IFU)の例。
https://www.dur.ac.uk/cfai/projects/oldprojects/gmos-ifu/
以下は、Magellan 望遠鏡用撮像分光器 (IMACS) の面分光ユニット(IFU)の例。
https://www.dur.ac.uk/cfai/projects/oldprojects/imacs-ifu/
https://www.eso.org/sci/facilities/paranal/decommissioned/vimos.html
https://www.eso.org/public/images/eso0209b/
以下は、Keck 10m 望遠鏡用赤外多天体分光器 (MOSFIRE) の例。
https://www2.keck.hawaii.edu/inst/mosfire/home.html
https://www.eso.org/public/teles-instr/paranal-observatory/vlt/vlt-instr/sinfoni/
https://www.cfht.hawaii.edu/Instruments/Spectroscopy/OASIS/Present/
2dcosθ = mλ (8)
で、m は数十程度の値をとるため、となりの次数を除くための狭帯域フィルターと同時に用いられる。エタロンの間隔を微小に変えると通過する波長を少しだけずらすことができるので、輝線を用いたガス雲の詳細な運動などを調べるのに適しているが、大型の装置は作られていない。
通常の干渉フィルターも干渉原理は上記ファブリぺローと同じだが、干渉は屈折率 n の膜中で起こるため、間隔を nd とし入射角θの代わりに屈折角φ (sinφ=sin θ/n) を用いたものが上の (8) 式を満たすことに注意する。
以下は、オハイオ大のファブリぺロー撮像装置 (IFPS) の例。
https://www.astronomy.ohio-state.edu/pogge.1/ifps.html
https://subarutelescope.org/jp/about/instrument/ciao/index.html