ヒトの目 |
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視力 1.0 | 口径 7 mm |
屈折望遠鏡 |

ケンコー・トキナー
TS70 |
目でのぞく望遠鏡は、対物レンズでできた 像(★)を接眼レンズを通して見ています。
接眼レンズの倍率を上げると拡大できますが、 その分、光が薄められて暗くなります。
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視力 10 | 口径 5 cm |
小型反射望遠鏡 |
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視力 50 | 口径 25 cm |
中型望遠鏡 なゆた |
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視力 50 | 口径 2 m |
中型望遠鏡 せいめい |

京都大学岡山天文台
せいめい望遠鏡 |
2018年に完成した 東アジア最大の汎用 望遠鏡で、

18枚に分けられた 「分割鏡」方式での 日本初の望遠鏡です。
鏡もむき出しで
手作り感満載 ...
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視力 50 | 口径 3.8 m |
視力50の壁
ところで、望遠鏡がどんなに大きくなっても視力が50から上がっていません。
実は、この視力は地球の大気で決まっています。
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大気揺らぎ
水の中から上を見るとゆらゆらしてますね。
同じことが地球の大気でも起こっています。
いくら視力が良くてもこれではちゃんと見えません。

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光の性質 (ちょっと難しい話です)
光には波の性質があり、望遠鏡で光を集めるイメージは下左図のような感じになります。
望遠鏡に入ってくるよりも前に波が乱れていると、ゆらゆら像になってしまいます。
また、乱れていなくても波の回り込む性質(↓)により下右図のように点にはなりません。
望遠鏡の限界性能は口径が大きいほど良くなります。
なゆた 口径 2m ⇒ 視力 480
せいめい 口径 3.8m ⇒ 視力 910
しかし、実際の視力はゆらゆらで決まっています。もったいないですね...
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補償光学
頑張れば「逆ゆらゆら」を発生させてゆらゆらを直す装置を作ることができます。
ゆらゆらはどんどん変わるので、1秒間に数100回測定・補正を繰り返す必要があります。

必要なものは、
- お金
- かなりの労力
- まあまあ明るい星 (9等星~12等星)
ゆらゆら度の高速測定に必要ですが、見たい天体のすぐ近くには普通はありません。
ゆらゆら度の測定に必要な星が無いときは、レーザーで星を作っちゃいます。
必要なものは、
- もっとお金
- 殺人的レーザーを安全に使うための様々な取り決めや安全装置
とにかく何もかも大変ですが、現代の大型望遠鏡には全て備えられています。
以降の「視力」はこの装置を使った値となります。
大型望遠鏡 すばる |
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視力 2000 | 口径 8.3 m |
大型望遠鏡 LBT |

大双眼望遠鏡 (LBT) ムービー |
2006年に完成した、現在 世界最大の望遠鏡です。
内部がハチの巣状の空洞に なっている「ハニカム鏡」

を用いています。見ての通り 非常に個性的な望遠鏡です。
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視力 2000 (4400) | 口径 8.4 m x2 |
宇宙望遠鏡 HST |

ハッブル宇宙望遠鏡 (HST) |
1990年に打ち上げられた宇宙望遠 鏡ですが、まだ活躍しています。
宇宙での観測は大気を通さないので 大変優れた観測ができます。
スペースシャトルで5度の修理改修
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視力 1300 | 口径 2.4 m |
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宇宙望遠鏡 JWST |

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) 8倍速ムービー |
HSTの次の宇宙望遠鏡で 2021年に打ち上げ予定。
月よりも4倍遠い所まで 打ち上げて、変形ロボの ように完成させます。
NASAはお金持ちですが 1兆円の計画なので、さ すがに関係者は心配で眠 れない日々でしょうね。
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視力 1600 | 口径 6.5 m |
超大型望遠鏡 TMT |

30m 望遠鏡 (TMT) ムービー |
米日加中印の5か国を中心 とする国際協力で建設中 で 2027年に完成予定。
1.4m の六角形鏡492枚の 分割鏡望遠鏡で、観測装置 も大型バスサイズです。
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視力 7200 | 口径 30 m |
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超大型望遠鏡 E-ELT |

ESO 超大型望遠鏡 (E-ELT) ムービー |
ヨーロッパ南天文台が建設中 で2025年に完成予定。
1.4m の六角形鏡798枚の 望遠鏡で、天文学にかける 西欧人の意地を感じますね。
これらの望遠鏡では、
などの観測が行われます。
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視力 9400 | 口径 39 m |
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