![]() | 大宇宙への挑戦 | ![]() |
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京都大学 大学院理学研究科 宇宙物理学教室
岩室 史英
〒606-8502 京都市左京区北白川追分町
e-mail: iwamuro@kusastro.kyoto-u.ac.jp
TEL: 075-753-3891 / FAX: 075-753-3897
近代望遠鏡の歴史 |
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20世紀以降、近代望遠鏡の口径は40年で2倍の割合で巨大化しました。 |
大雑把には...
1900年:2m
1940年:4m
1980年:8m
という感じで、このままの割合が続くとすると、
2020年:16m
2060年:32m
なのですが、現在進められている TMT 計画は 2021年に30m望遠鏡を |
解像度への挑戦 |
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温度や湿度の違いによる空気の屈折率の微小変化が風で流れることにより、
大気ゆらぎ(シーイング)が発生します。地上からの可視光・赤外線の観測では、
解像度は回折限界ではなく、この大気ゆらぎの大きさによって決まっています。
水中から見上げたときに外の景色がゆらいで見えるのと同じ現象です。
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明るい星が無い方向では、レーザーで上空のナトリウム層を光らせて
星をつくります。線状に光りますが真下から見ると点光源に見えます。
Keck + レーザー参照星AOで取得された我々の銀河中心の赤外線画像。
回折像が見えているため、望遠鏡の回折限界であることがわかります。
現在、口径10m 望遠鏡の性能を限界まで引き出しての観測が行われていますが、
更に遠くの天体や暗い天体を観測するためにはもっと大きな望遠鏡が必要となります。
ここからは超巨大望遠鏡計画の話です。
超巨大望遠鏡計画 |
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TMT の鏡は 1.44m の六角形の鏡 492 枚で構成されています。
TMT ムービー
京都大学では、次世代望遠鏡のプロトタイプとなる3.8m望遠鏡の製作を
開始しており、量産できる安価な中口径望遠鏡やさらには次世代の超大型
望遠鏡の建設につなげたいと考えています。
その他の望遠鏡計画 |
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望遠鏡展開ムービー |
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・銀河はどうやってできたのか
・第二の地球はどこにあるか
ですが、どちらも TMT や JWST が解決してくれそうです。次の大目標となると
・一番初めの星はどういう星か
・宇宙人はどこに住んでいるか
ということになって、TMT よりも大きい望遠鏡や TMT クラスの巨大望遠鏡で
全天を観測するような体制を考えないといけませんが、それ以前に、いかに
コストダウンをするかを考えないといけないでしょうね...