センサ安定性試験7
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~iwamuro/Kyoto3m/sensortest7.html

岩室 史英 (京大宇物)


●最新センサ試験

センサ安定性試験6は大半が問題のあるセンサだったが、製造工程も含めて幾つかの改良を加えた最終版のセンサが完成したので、その試験を始める。方針としては、

  • 8 個単位で対向板なしでの温度特性を調べる(接着しての試験は、冶具が1個しかないので試験に時間がかかるため、使用しない)。
  • 上記の中から良いもの4個を計測センサ、それ以外の4個を参照センサとしてアームに接着(予備アームは8本)して、上記の試験と並行して進める。
  • その後、8本単位で状態の良くないアームから旧センサを外し、新センサと交換。

新1-7,8,11,2-1,2,3,5,6 の対向板なしでの結果。期待に反してかなり不安定だが、ケーブルの可能性もある。また、これらのケーブルにはフェライトコアが付いていないので、干渉の影響も少しあるようだ。1-7 と 2-2 のみ安定しているので、1-7 と 1-8、2-2 と 2-3 をセンサ部分のみ入れ替えて、センサとケーブルのどちらが影響しているのかを見る。

センサの交換で症状の移動が無かったので、不安定の原因はケーブル側の問題のようだ(こちらのセットのケーブルはかなり圧着時の不良が多かった)。今回も悪い状態だった3本の LAN コネクタを切り落として付け替えてみる。大体素性は良さそうなので、次の8個に交換し、このセットのセンサはアームに接着する。

新4-1,2-7,8,9,10,11,3-11,4-5 の対向板なしでの結果。不安定なのは多分ケーブルの問題なので、ケーブルを交換。

ここから、アームに接着したものと同時試験となる。

左から、アーム番号1,2,3,4 の結果、新4-6,8,9,11,12,5-1,2,3 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号1,2,3,4 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。3番の参照センサが不安定。とりあえず、対応するケーブルの LAN コネクタ側を抜き差しして次に進む。2番の計測センサもやや不安定。

左から、アーム 1,2 と 3,4 を交換した結果、新4-6,8,9,11,12,5-1,2,3 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号1,2,3,4 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。3番の参照センサはやはり不安定。3番の計測センサもやや不安定で、4番の計測センサは線形成分が大きいので、後日再試験。

左から、アーム番号5,6,7,8 の結果、新5-4,5,6,7,8,9,10,11 の結果。環境ロガーが止まっていて温度などの情報が取得できなかったため、再度取り直し。アーム番号7に繋がっている2本のケーブルの調子が悪そうなので、新5-10,11 に対応する2本と入れ替えて再開。

左から、アーム番号5,6,7,8 の結果、新5-4,5,6,7,8,9,10,11 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号5,6,7,8 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。ケーブル交換で問題は無くなったが 6番アームの計測センサと 8番アームの参照センサはやや不安定。

左から、アーム 5,6 と 7,8 を交換した結果、新5-4,5,6,7,8,9,10,11 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号5,6,7,8 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。6番アームの計測センサと 8番アームの参照センサどちらも安定しているので、まあ、このセットはこれで大丈夫そうだ。

左から、アーム番号9,10,11,12 の結果、新5-12,6-1,2,3,4,5,6,7 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号9,10,11,12 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。10番アームの計測センサの振る舞いがやや変で、参照センサは不安定。

左から、アーム 9,10 と 11,12 を交換した結果、新5-12,6-1,2,3,4,5,6,7 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号9,10,11,12 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。10番アームは対向板がな無いときは問題無さそうだが、12番と合わせて再試験かな。

左から、アーム番号13,14,15,16 の結果、新6-8,9,12,7-1,2,3,4,5 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号13,14,15,16 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。14番の計測センサの初めが接着剤硬化と思われる影響があるが、全て問題なさそう。

左から、アーム 13,14 と 15,16 を交換した結果、新6-8,9,12,7-1,2,3,4,5 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。コネクタ差し直しである程度状態は良くなったが、完全回復とまではいかないようだ。

アーム番号13,14,15,16 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。16番アームの参照・計測両方のセンサに前回は見られなかったドリフトが見られたので再試験にまわす。

左から、アーム番号17,18,19,20 の結果、新7-6,7,8,9,10,11,12,8-1 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号17,18,19,20 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。17番の計測センサがやや不安定で、18番の計測センサに少しドリフトが見られる。

左から、アーム 17,18 と 19,20 を交換した結果、新7-6,7,8,9,10,11,12,8-1 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。7-6 は差し直しても若干不安定。

アーム番号17,18,19,20 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。18番の参照センサはやや不安定だが、直前の試験では問題なかったので大丈夫だろう。

左から、アーム番号21,22,23,24 の結果、新8-2,3,4,5,6,7,8,9 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号21,22,23,24 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。22番の計測センサの温度に対する挙動が変。対向板無しでは正常だったが、対向板があることで温度特性が変わったのか。

左から、アーム 21,22 と 23,24 を交換した結果、新8-2,3,4,5,6,7,8,9 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。台風通過で気圧が大きく変動した。8-8,9 は差し直しても不安定だが、ケーブルの可能性もあるのでとりあえず、アームには接着してみる。

アーム番号21,22,23,24 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。一部の温度帯で共振があったようだが、問題なし。22番の計測センサは対向板が無い場合は問題ないようだが、再試験にまわす。24番のセンサに若干のドリフトが見られるが問題ないだろう。

左から、アーム番号25,26,27,28 の結果、新8-10,11,12,9-1,2,3,4,5 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号25,26,27,28 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。やはりセンサ接着から日が浅いと、センサ位置がドリフトするようだが、全体的に問題は無さそう。

左から、アーム 25,26 と 27,28 を交換した結果、新8-10,11,12,9-1,2,3,4,5 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号25,26,27,28 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。27,28番の補正が上手く行っていないので、この2つは再検査とする。

左から、アーム番号29,30,31,32 の結果、新9-6,7,8,9,10,11,12,10-1 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号29,30,31,32 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。ほぼ全て問題なし。

左から、アーム 29,30 と 31,32 を交換した結果、新9-6,7,8,9,10,11,12,10-1 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号29,30,31,32 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。32番のみ挙動が変なので再検査。

アーム番号3,4,10,12 の再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。12番の始めの挙動がやや変だが、特に問題は無さそう。

アーム 3,4 と 10,12 を交換した再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。12番は再々試験。

左から、アーム番号33,34,35,36 の結果、新10-2,3,4,5,6,7,8,9 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号33,34,35,36 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。33番は挙動が変、34番は振動を拾いすぎ、どちらも再試験。

左から、アーム 33,34 と 35,36 を交換した結果、新10-2,3,4,5,6,7,8,9 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号33,34,35,36 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。振動を拾いすぎるので、バネを強いものに交換し、アームの位置を再度交換して元に戻してこのまま再試験。

アーム番号33,34,35,36 の再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。バネを交換した事もあって、かなり安定した。問題なさそう。

アーム 33,34 と 35,36 を交換した再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。問題なし。

左から、アーム番号37,38,39,40 の結果、新10-10,11,12,11-1,2,5,8,9 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号37,38,39,40 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。38番は計測・参照センサどちらも変で再試験。

左から、アーム 37,38 と 39,40 を交換した結果、新10-10,11,12,11-1,2,5,8,9 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号37,38,39,40 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。全体的にあまり良くないが、ギリギリ合格という感じか...

左から、アーム番号41,42,43,44 の結果、新11-10,11,12,12-3,5,6,7,8 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号41,42,43,44 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。問題なし。

左から、アーム 41,42 と 43,44 を交換した結果、新11-10,11,12,12-3,5,6,7,8 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号41,42,43,44 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。44番の始めが不安定だが、挙動としては問題ないと思うが一応再試験。

アーム番号28,27,22,16 の再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。28番は計測センサが不安定なので再々試験とする。

アーム 28,27 と 22,16 を交換した再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。こちらは問題なし。

左から、アーム番号45,46,47,48 の結果、新12-9,10,11,12,13-2,6,7,11 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号45,46,47,48 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。46番の参照センサのみ前半不安定。

左から、アーム 45,46 と 47,48 を交換した結果、新12-9,10,11,12,13-2,6,7,11 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号45,46,47,48 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。46番の参照センサは安定したので問題なかったが、対向板ありの場合のパラメータ測定のため再試験。

アーム番号46,44,38,32 の再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。46,44 の計測センサが安定しないが、前回の試験結果を考えると46番は問題なさそう。

アーム 46,44 と 38,32 を交換した再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。44番の計測センサはまたしても不安定。制御ボックス部のコネクタを差し直して少しだけ継続。

アーム 46,44 と 38,32 を交換した再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。変な値のものが多いが、44番の計測センサは正常になった。まあ、良しとするか...

左から、アーム番号49,50,51,52 の結果、新13-12,14-1,2,3,6,7,9,10 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号49,50,51,52 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。50番の計測センサが不安定だが、ケーブルの方が怪しそうだ...

左から、アーム 49,50 と 51,52 を交換した結果、新13-12,14-1,2,3,6,7,9,10 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号49,50,51,52 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。問題なし。

左から、アーム番号53,54,55,56 の結果、新14-11,12,15-1,2,3,4,5,6 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号53,54,55,56 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。対向板のない 55番、56番の計測センサの安定性が悪い。

日程の都合を考え、変則的に12番と28番の再々試験を挟む事にした。

左から、アーム番号12,28,55,56 の結果、新14-11,12,15-1,2,3,4,5,6 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号12,28,55,56 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。55番、56番の計測センサの安定性は回復したが、12番は何とか使えるかもしれないが、28番の計測センサとともに交換する事にした。

左から、アーム 53,54 と 55,56 を交換した結果、新14-11,12,15-1,2,3,4,5,6 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号53,54,55,56 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。55番のみ計測センサがいまいちなので再試験。

左から、アーム番号57,58,59,60 の結果、新15-8,9,10,11,12,16-1,2,5 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号57,58,59,60 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。58番は始めの挙動が変なので、50000sec 分を切り落として解析した。問題なし。

左から、アーム 57,58 と 59,60 を交換した結果、新15-8,9,10,11,12,16-1,2,5 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号57,58,59,60 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。60番は挙動が変なので再試験。

左から、アーム番号61,62,63,64 の結果、新16-7,9,10,11,17-2,4,6,7 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号61,62,63,64 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。問題なし。

左から、アーム 61,62 と 63,64 を交換した結果、新16-7,9,10,11,17-2,4,6,7 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号61,62,63,64 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。問題なし。

左から、アーム番号65,66,67,68 の結果、新17-8,9,10,11,12,18-1,2,3 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号65,66,67,68 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。66番の計測センサは挙動が変。

左から、アーム 65,66 と 67,68 を交換した結果、新17-8,9,10,11,12,18-1,2,3 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号65,66,67,68 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。67番は問題ないレベルだが若干不安定なので、66番とともに再試験。

アーム番号12,28,55,60 の再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。28 の計測センサの始めが不安定だがその後は問題なさそう。余裕があれば再々試験する。

アーム 12,28 と 55,60 を交換した再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。28番の計測センサはまたしても不安定なので、60番とともに再々試験。

左から、アーム番号69,70,71,72 の結果、新18-4,5,6,7,8,9,10,11 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。

アーム番号69,70,71,72 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。70番の参照センサがやや変。

左から、アーム 69,70 と 71,72 を交換した結果、新18-4,5,6,7,8,9,10,11 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。

アーム番号69,70,71,72 の結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。70番の参照センサは回復している。問題なし。

左から、アーム番号28,60,66,67 の再試験結果、新4-12,7-12,18-4,7,12 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。4-12,7-12 は不安定が重なり一度接着されたアームから取り外されたものの再確認。4-12 は使えないことを確認。

アーム番号28,60,66,67 の再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。

左から、アーム28,60 と 66,67 を交換した再試験結果、新4-12,7-12,18-4,7,12 の結果、それを1つのセンサを基準にして補正したもの、の順。不安定なものはコネクタを差し直して継続。4-12,7-12 は不安定が重なり一度接着されたアームから取り外されたものの再確認。4-12 はまあ、正常になった感じ。

アーム 28,60 と 66,67 を交換した再試験結果をそれぞれのアームの参照センサで補正したもの4通り。67番の計測センサはやや不安定。

同じ状態でコネクタの差し直しなどして継続。

まあ、一応全て安定した感じにはなった。

番号計測センサ参照センサ番号計測センサ参照センサ番号計測センサ参照センサ
11-72-5257-77-64911-1112-8
21-82-6267-87-95011-1212-7
32-22-1277-107-115112-511-10
42-31-112815-78-15212-612-3
52-72-9298-28-55312-1112-9
62-82-10308-38-75412-1212-10
73-112-11318-48-85513-213-7
84-54-1328-68-95613-613-11
94-64-11338-118-105714-113-12
104-85-1348-129-15814-214-3
114-95-2359-29-35914-714-6
1216-65-3369-49-56014-1014-9
135-55-4379-79-66114-1114-12
145-65-7389-89-96215-115-2
155-85-10399-119-106315-415-3
165-95-114010-19-126415-615-5
175-126-34110-310-26515-815-12
186-16-54210-410-56615-916-1
196-26-64310-610-86715-1016-2
206-46-74410-710-96815-1116-5
216-96-84511-210-106916-916-7
226-127-14611-510-117016-1017-4
237-27-44711-810-127116-1117-6
247-37-54811-911-17217-217-7

カウントに対する計測センサの時間遅れと参照センサに対する変換係数の最終結果はここ

以下に報告する 40000 カウント付近での特異点の影響が参照センサに出ていないことを確認するため、上図下段の青●を横軸を参照センサのカウントにして plot し直した図はここ


●カウント - 温度係数の関係確認試験

参照センサは計測センサとの反応時間のずれを補正した後、一定の factor をかけて計測センサのカウントから差し引くことで計測センサの温度依存性を補正するが、"一定の factor" にはカウントに対する依存性があることがわかっている。過去のセンサでは、このようなカウント - 温度係数関係があったが、最終版のセンサではまだこの計測を行なっていないので、そのための計測試験を行なう。センサの質はかなり揃っているので、計測には4個のセンサのみを用い、参照センサとして予備分の 73番、74番アームの参照センサを用いる。以下の写真のように、スポンジの上に計測治具を置き、箱に入れた状態で恒温槽に入れてスペーサの厚さを変えて何度か試験を行なう。

スペーサ 0.5mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 1.5mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 1.0mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.2mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。明日は停電なので、試験は中断。

スペーサ 0.4mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。スペーサがゴミを挟んでいたのか対向板が安定しないので、良く掃除して再度取り直し。

スペーサ 0.4mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。取り直してみたがやはり振動の影響が大きい。原因がいまいちよくわからないが、変換係数は出ている感じなのでとりあえず間隔を変えて継続する。

スペーサ 0.7mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。74番の計測センサの状態がどんどん悪くなる印象。

スペーサ 0.9mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。ここに来て、センサのカウント数が 40000 付近で、温度特性がほぼ0になる可能性が発覚(過去に 0.9mm は1度も計測していない)。このカウント付近での振る舞いをさらに詳しく調査する必要が出てきた。

スペーサ 0.85mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。症状が他のセンサにも同様に現れたので、40000 カウント付近に温度特性の特異点があることが確定した。時間遅れは計測不能な状態。

スペーサ 0.75mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.95mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.65mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.8mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.6mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.55mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.3mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサなしでの結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。対向板冶具が中央部でセンサ本体に接触しているようで対向板が傾き、片側のスペーサ部の隙間が 0.3mm 以上空いている。スペーサ 0.2mm で取得した係数に比べかなり係数が大きくなった。対向板が中央で接触しているため、センサと対向板の間隔そのものが温度変化に対して増減している可能性があり、この結果は使用しない事とする。

スペーサ 0.35mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.25mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 0.2mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。スペーサ以外の部分が接触していると、結果の信頼度が落ちるので、以前計測した値と同じ値が出るかどうかの確認のための試験。ほぼ同じ結果となったので問題なし。

対向板なしでの結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 1.2mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

スペーサ 1.1mm での結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したものの、の順。

ここまでの結果をまとめると下図になる。実線(破線)は73番(74番)アームの参照センサで補正したもの。大体の形状が同じ関数で fitting してみた(残差は下段グラフ参照)。

73,74番のデータは同じ状態で繰り返し計測されたので、測定精度を確認するために時間遅れと変換係数を plot してみた(下左図、73番,74番)。下右図は、カウントの安定性を確認するために試験毎の基準カウントを plot したものだが、2日分の全データの平均値ではなく、決まった特定のタイミングでの値であるため、あくまで参考値程度。同じ計測を繰り返しても、結果には±10% 程度のばらつきがあり、時間遅れと変換係数にはあまり相関はなさそう。

上で求めた変換係数のカウント依存性関係を、72個のセンサアームの変換係数計測結果に適用してみる。対向板なしの状態のカウント(青●)で依存性関数を規格化し、重ねてみたものが下図上段、その依存性関数に対する比を取ったものが下段。

依存性関数に対する比が 0.8 よりも小さい4点は、26,34,52,68 で、測定データは以下の4つ(上段2つの(左26,右34)と、下段2つの黄緑(左52,右68))。これら4つの依存性関数は特に形状が異なっている可能性はあるが、最も違いの大きい68番の補正前のグラフを見ると、温度変化に対するカウント変化の波形がやや異なっている事がわかる。接着部分に何らかのストレスがあって、決まったタイミングで変な変形が出ている可能性がある。68番の計測センサだけは交換した方がいいかもしれない。

26,34,52,68番アームの再試験。

温度と湿度の測定プローブが抜けていることに気付くのが遅れ、後で取り直しに...

アーム 26,34 と 52,68 を交換した結果を1つのセンサを基準にして補正したもの。36番の計測センサがまだ少しだけ安定しない。ケーブルの可能性もあるので、位置交換の後でコントローラ側のコネクタを抜き差ししてみる。また、52番は時間遅れが変な値で、データも結果もちょっと怪しい。もう1度調べる必要がありそう。

アーム 26,34 と 52,68 を再度交換した結果を1つのセンサを基準にして補正したもの。36番は安定した。この測定結果で変換係数のカウント依存性関係を再度 plot し直すと

26,68 は良くなったが、52 はあまり変わらず 34 はより小さい結果となった。34 は広い方 52 は狭い方の対向板で再度継続してみる。

アーム 34 を広い方、52 を狭い方、26,68 をクリアセラム基盤の上ではなくスポンジの上に乗せて試験した結果。スポンジ状ではアームの温度が非常に早く変化する事が確認できた。

それぞれの結果を1つのセンサを基準にして補正したもの。34,52 は今度は標準値と同じ振る舞いとなった。まあ、このやり方で大体 OK という感じか。

個々のアームの温度補方法は以下の通り

  1. ある特定時刻の計測センサのカウントを x, 参照センサのカウントを x0 とし、この時刻を起点としてその後のそれぞれの変動量を dx, dx0 とする。

  2. dx0 に対し、係数表第3列 にある参照センサに対する delay 補正を行ない、dx に対する時間ずれを無くす(対向板との間隔や気流などの要因で時間遅れは変動するため、参照センサに対する計測センサの時間遅れの典型値 1000sec での補正でもいいと思う)。

  3. 補正量の計算は
    a=0.174096
    b=1.04042
    c=-0.69165
    d=1.00703
    e=-0.529916
    f=1.47073
    g=-0.97387
    y=a*(x/40000-b)*(abs(x/40000-b))**c*(abs(x/40000-d))**e+f+g*(x/40000-b)
    この関数に係数表第2列の係数と dx0 をかけたものを x から差し引く。

最後に、ほぼ 50μm 間隔でのセンサ値が取得できたので、カウント - 間隔関係を出してみた。4つのセンサと対向板の間隔は、挟んだシムの厚さとはそれぞれ少し異なるため、最も大きいカウントまで取得できている下図黄緑のデータに重なるように他の3つセンサの Gap(mm) 値を少しだけずらし、重なった状態で fitting した。関数形は 2009年の試験から2つの対数関数の差で近似できることがわかっているため、少しだけパラメータを増やして用いている。

  1. カウントを 400μsec での値に換算する

  2. 上記の値を x とし、
    a= 126000
    b= -1.82111
    c= 33086.7
    d= -1.45644
    e= 15.4903
    Gap(mm)=log10(a-x)*b+log10(x-c)*d+e

  3. この関数の値は、実際の間隔+定数offset (多分±0.1mm 以内程度)値である事に注意

  4. この関数は 73000 カウント付近で反転するので明らかに変で、70000 カウント以上には適用できない

上記関数は a の値がかなり大きいため、第1項は一次関数で置き換えてみた。ほぼ同様な結果で反転ポイントも 83000 程度にまで離れたので、こちらの方が良さそう。

  1. カウントを 400μsec での値に換算する

  2. 上記の値を x とし、
    a= 1.36087e-05
    b= 6.49035
    c= 32852.7
    d= -1.58869
    Gap(mm)=a*x+b+log10(x-c)*d

  3. この関数の値は、実際の間隔+定数offset (多分±0.1mm 以内程度)値である事に注意

  4. この関数は 83000 カウント付近で反転するので明らかに変で、80000 カウント以上には適用できない


●内周リング用センサアーム試験

内周リングから出るスーパーインバー製センサアーム L1〜L6 の試験。参照センサは取り付けられない構造なので、問題点の有無を洗い出す所から。

番号計測センサ参照センサ番号計測センサ参照センサ番号計測センサ参照センサ
L17-12---L317-10---L518-3---
L217-9---L418-1---L618-4---

L1〜L6 の結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したもの、の順。やはり全体的に安定しないが、L2 は特に不安定。L4 はかなり補正できているが、このアームだけ73,74番のアームの土台と同じクリアセラム塊の上に乗っているので、似たような温度変化を起こしている事が原因の可能性が高い。L1,2,4 のアームも同じクリアセラム塊の上に載せて改善されるか調べてみる。

L1〜L6 の結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したもの、の順。置き位置を変えたことでかなり安定したが、やはり L2 のセンサのみやや不安定。センサを交換してみる。

L1〜L6 の結果。左から、計測データ、73,74番それぞれの参照センサで補正したもの、の順。L2 のセンサは交換して安定したが、今度は L3, L5 が不安定。前回は問題なかったので、ケーブル側の問題と判断し、これで3年間にわたり行ったセンサの恒温槽試験は終了とする。


iwamuro@kusastro.kyoto-u.ac.jp