●ミラー不良箇所の塗装
一部のセグメントに見られる大きな欠損部や全セグメント周辺部5mm幅のダレ部分を塗装して隠すほうが良いと思われるので、近赤分光器で購入したベルベットで塗装することを検討する。問題は耐久性なので、まずはサンプルピースに塗ってみて、これを数日間外気にさらしてみる。ベルベットの上澄み液を利用して、薄いものからゴテゴテの濃いものまで3種類塗ってみたが、あまり薄いものはハケで塗るときに流れるのでたとえ結果が良くても却下になりそう。

しかし、以下の通りコーティングは結構剥がれやすい事が判明したため、塗料で塗るのはかなり危険そうなのでやめた方が良さそう。
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●色々と問題発覚
対向板接着のため、シリコンゴムをクッションとして鏡面と対向板をクランプで挟んで1週間放置したが、先週作業分の20箇所のうちの数箇所でシリコンゴムが鏡面に張り付き、剥がす際に蒸着面が剥離したものが1箇所、残ったゴム片をシンナーやアルコールで除去しようとして3箇所が剥離した。先行して行なっていたサンプルピースを同じゴムで挟んで万力で締めて3日放置という試験では、2つのサンプルともにゴムの跡を軽く拭き取れば綺麗に消えたが、場合によるようだ。


この作業で気づいたのは、コーティングに穴が開いている点をこすると、シミが広がるように剥離が急速に広がると言うことと、シンナーはそれを加速させるということ。また、指紋のように白くなっている場所が鏡面上に所々あるが、これらもコーティングに穴が空いている可能性が高く、触らないほうが良さそう(下右写真は、鏡面精度の悪いエッジ部分のくすみをアルコールで拭いたところ)。



他に、何やら液体が溜まって蒸発した跡のあるものが1枚あり、納品時には気づかなかったが、納品時の写真にも写っていた。アルコールで輪郭の半分程度は取れたが、これも悪化しそうな感じなのであきらめ(結構傷が...)。

次回作業準備のため、次の箱を開けた所ひどい状態。最も長期保管されていた鏡の1つにカビが生えている。居合わせた専門家の意見でとにかく残り少ないアルコールを大量投入してカビを殺し、洗浄はその後考えることに。一応カビは無くなったが生えていた場所の跡は残っている状態。大きいだけにこれをどう洗浄するかも問題... う〜ん。

対向板接着のクランプは、直接ゴムが鏡面に接触しないようにレンズ拭きの紙を敷いてクランプしたが、蒸着業者の話では紙でも長期の接触だとコーティングに悪影響を与え、鏡面に圧力がかかるのも良くないようだ。これらのクランプは1週間放置はせずに、接着剤が完全固化する2日で取り外すことにする。残りのセグメントは6枚だが、クランプできないとなると背面に一時的にナットを接着し、それを足がかりに背面のみで対向板を押さえるしかない。新たな押さえ用治具を急遽24個準備しないといけないのと、接着のための作業時間が2倍に増えるが仕方がないというところか...

蒸留水とコットンシーガルを大量購入して、カビの生えた鏡と水たまり跡の付いた鏡を、中性洗剤を混ぜた蒸留水で蒸してから蒸留水で洗浄。カビの方は大体何とかなったが、アルコールが乾いた時にできた幾つかの筋やカビの密度が高かった部分は少し跡が残った。右側に明らかな指紋跡が不思議な付き方をしているが、これは全く変化なかった。また、水たまり跡の方は全く効果なしだった。

ナットを接着し、背面のみで対向板を押さえて接着している所。接着後のナットは外す必要が生じたら外すことにする。

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