拡張フーコーテスト3 |
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●バイコニック 1A 計測
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 処理時間がかなり増える事になるが、階段部分の形状をモデル形状を参照しながら測定値の統合をやり直す(スポット内の平均値は変化させない)ことで、階段状の段差を無くすことにした。この作業の際にソフトのバグが発覚し、ステージ駆動補正マップが計測結果の統合の際に反映されていなかった事が判明。以前の球面鏡の結果は駆動補正ができていなかった事になる(F/1 光源の結果は別ソフトなので補正ができていたが)。統合前の生データは disk の都合で削除してしまっているので、再解析はできない。 以下、左から階段状段差を無くした残差、スムージング/変形補正/NaN部内挿後、積分して形状にしたものの順。左から3つが x 成分、その次の3つが y 成分、一番右は x,y の結果の平均。x 成分に見えているのは研削痕のようだ(以前はこの中央が盛り上がっていたが、修正研磨で平らになったのか?)。あと気になるのは、全体がやや右回転しているように見えることで、鏡の水平方向の対称軸と、ステージの x 移動方向が平行から少しずれている可能性がある。糸を張ってチェックしてみる事にする。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() その前に連続取得で安定性を確認。問題なし。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 鏡の水平方向の対称軸とステージの x 移動方向が平行かどうかを確認するため、ある程度伸び縮みできるナイロン糸を張り、その上に黒アルミテープをパンチで丸く抜いたターゲット3つを接着した(鏡に貼るのが理想的だがとりあえずこれで)。ターゲットの位置は、下写真の鏡面右端から 85mm, 162mm, 241mm の位置。ステージを横移動させて画像を目視確認したが、大体合っている感じ。但し、鏡の tilt 角をかなり厳密に調整する必要が生じ、最終的には固定ネジを少し緩める事で対応したので、温度変化に対して不安定になる可能性がある。
![]() ![]() 大体同じだが、少しだけ変わった。正面から見ての回転は結局行っていないが、鏡の高さと傾きを少し変えたことが関係しているのか(関係していたらまずいのだが...)。また、糸で張ったマークは鏡から浮いているためか、光の当たり方が変わるとスポット裾の光が影だった領域に入り込んで影だったという情報が消されてしまう(一度も光が当たらなければ NaN になるが)。鏡面に貼って試してみるか...
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ステージを 10mm 遠ざけて取得。こちらの方が、各スポットの広がりが大きくなって NaN 領域が減るようだ。まあまあ同じ結果かなという感じだが、これまでの y 成分の差分マップの処理に問題がありそう。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() スポットが複数写る場合の統合処理方法を修正した。y 成分差分マップ左側上下の状態が改善され、フォーカス位置の違いによる結果の違いがより小さくなった。中央部は糸が光って見えるステージ位置があったため手動で削除した。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 糸を外してマーカー3つを鏡面に直接貼り付け(測定密度の高そうなところに適当に貼り付け)、ステージ位置を再度 10mm 遠ざけて計測。時短のため、計測範囲をギリギリにしたため、中央右側の上下端は計測できていない。貼り付けたマーカーのゴーストが出るようになったが、手動で切り取って対処している。測定時には測定点の欠損として計測されるので、鏡面上での位置の決定精度は 1~2mm 程度になる感じ。
![]() 上下左右反転してみた。形状も大体同様に回転した。左下の形状のへこみは、ステージ駆動が変化した影響の可能性がある。F/1 光源でのチェックが必要そうだ。これ以降、小領域の異常値を除去する処理も追加。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() F/1 光源計測の前に 10mm 近づけて連続取得。ほぼ同じ。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() F/1 レーザー光源でのステージ駆動確認結果。残差には特に問題ないので、形状の若干の変化は光源ビームのどの部分を用いているかに影響を受けている可能性がある。非検面をもう少し端にずらし、検査時に用いるビームがずれるようにしてみる。
![]() ![]() ![]() 端にずらしてステージを再び10mm遠ざけて計測。上下左右反転後の1回目と2回目の中間のような感じになった。このサンプリング間隔での測定精度の限界か?
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 再度ステージを10mm近づけて計測。最小領域での計測のため、右端が計測できていない。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 縦置きの結果。左右のエッジが少し傾いていることから、傾いて置かれることで四重極(馬の鞍)成分が出ている可能性がある。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() とりあえず、ステージ位置を 10mm 近づけ、測定領域を広げて連続測定。
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![]() ![]() ![]() 被検面を正面から見て 0.35°程度左回転させて再度計測した。モデルも同様に追加して回転させ、0.6°左回転となった。上下マーカーの中心座標は 上(1009,1779), 下(1024,378) で、0.61°の左回転。どちらも正しく左回転し、正しく計測できていることが確認できた。横置きで再確認してみたが、強度マップで測定された 0.16°左回転でモデルを回転させたところ、同じ結果となった。マーカー中心の判断を 1pixel 間違えると 0.04°回転角が変わるが、一番右は 0.20°左回転のモデルで合わせた結果。この程度の違いは十分にありうるという事になるが、まあ、このあたりの形状を最終結果として良さそうだ。モデル上でのマーカーの位置が計測結果と合っていることを確認するため、マーカー位置を入れたモデルと強度マップを部リンクさせたのがこれ。この確認の際に、全体の幅が設計値よりも 3mm 大きく、遠い側のコーナーを基準として加工してる事に気がついた。即ち、計測中の面は設計よりも 3mm 外側まで加工されており、fitting 当初、モデルを 2mm 拡張しないと合わせられないという疑問点も解決した(+1mm 分はスポットのボケのサイズで広げられている)。これで問題点は全て解消できた。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 更に 180°回転させて確認。形状が少し変わったのでもう少し考えてみる。マーカーは反対側まで位置確認できるように少し内側に貼り直したが、モデルに対して計測された位置が少し左になっている感じだ(下左図クリックで確認)。ステージ位置を遠ざけても状況は同じだった(下図右側2つ)。形状の計測結果が少し変化したことと関係しているのか。マーカー位置を無理やり合わせると計測結果は10μm 近く曲がってしまうので、ちょっと考えづらい。マーカーを貼り直す際に、横方向の基準となる位置を間違えてしまった可能性もある。再度逆置きにしてマーカーとモデルの位置関係を確認する。
![]() ![]() ![]() ![]() 逆置きに戻して意識的にビームの右側部分を使うように配置してみたが、2つ前とほぼ同じ形状が得られた。モデルに対してマーカー位置が今度は右寄りになったので、やはりマーカーを貼る位置がずれている感じだ。ビームの逆側に寄せて変化を見てみたが、状況は変わらず。とりあえず、右向きと左向きで形状が若干変わって見えることと、マーカーの位置がずれている可能性が高いということを記憶してこの面の計測は終了。後のマーカー位置再測定で、A/B 境界付近のマーカー位置が 1mm 面の内側に寄っていた事が判明したので、全体としてはほんの少し右寄り気味という程度になった。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() F/1 レーザー光源でのステージ駆動確認結果。残差は6μm弱でやや大きくなっていた。
![]() ![]() ![]() F/1 光源位置を 20mm 後退させて取得したもの。残差は5μm強でこちらも大きくなっていた。
![]() ![]() ![]() 上記2つの結果で駆動補正マップを作り直したところ、上記2つの残差はどちらも3μm強となった。周辺部以外はほぼ同じなので、上記の結果に対する影響はほぼないはず。
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●バイコニック 1B 計測
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 左から 補正後残差x, 形状x, 補正後残差y, 形状y, 形状xy平均, 計測画像(クリックでマーカー位置確認画像) の順。とりあえず、モデルの回転角は0°だが、マーカーの位置は左0.13°回転(1A 面の計測結果と同じ傾向)で、モデルの残差を減らすためには同程度の右回転が必要で関係が逆だ。実際の面が10μm 近くもうねっているとは考えられない。う〜ん...
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() F/1 レーザー光源でのステージ駆動確認結果。残差は6μm弱でやや大きくなっていたが結果にはほぼ影響はない。一応新しい駆動補正マップで差し替えておく。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 逆置きにしてみたが、若干計測結果が変わってしまった感じだ。モデルの回転角は 180°、マーカー位置は0.16°左回転なので、ベースの傾きは変化していない。マーカーの間隔も実測値のほうが若干広く(前回の計測結果も同様)、なぜ合わないかよく考える必要がある。
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 拡張フーコーテスト2で F/1 レーザー光源を 20mm 動かしてピンホールと CMOS の間の距離を計測したが、20mm をそれほど精度よく動かしていない(ラックピニオンステージに乗っている)事もあり、この時の移動量が 0.15mm 少ないとモデルのマーカー間隔と実測値のずれを説明できることに気が付いた。この修正を行うと、回転方向が逆という問題も同時に解決し、モデルを 0.13°左回転することで更に残差が小さくなった(下図)。被検面の形状が4μm 近く変化したので、ピンホールと CMOS の間隔は、もっとちゃんとしたステージを使って正確に計測する必要があることが判明した。 ![]() ![]() 一応、ステージ駆動補正マップを作り直してから新しいモデルで計測の段階からやり直しても同じ結果が出ることを確認。
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 置き方を変えると、マーカーとモデルの位置関係が少しずれたりするという問題が当初見られたが、モデル合わせの計算の際、local minimum に引っかかっているということが判明した。モデルとマーカーの位置を大体合わせる拘束をかけて収束させ、その後拘束を解除して再度収束させなおすことでマーカーとモデルの位置がほぼ同じになり、かつ3方向の置き方で結果がほぼ同じになることが確認できた。
![]() ![]() ![]() ![]() 以下の3つは、マーカーとモデルの位置を大体合わせる拘束がかかっている状態。ベストフィット結果同士の方が違いが少ない感じだが、なぜそうなるのか原因を特定するのがかなり難しいレベルになってきたので、とりあえず保留。
![]() ![]() ![]() 研削盤上での計測結果と比較してみるとまずまず合っている感じ。1B 面の計測はここで終とし、再度 1A 面の計測に戻る。
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●バイコニック 2B 計測
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 左から 補正後残差x, 形状x, 補正後残差y, 形状y, 形状xy平均, 計測画像(クリックでマーカー位置確認画像) の順。とりあえず、モデルの回転角は 2A の時の値を元に 0.10°にした。とにかく、明るい鏡なので現システムで全体を一度に計測することができないので、マーカーもどこに貼るべきかよく考える必要がある。右側の方に研削痕による結構大きなうねりがある。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ちなみに、モデルの回転角を 0°にすると形状が良くなる(下左図)。やはりマーカーを張り付けて回転角を測定する必要がありそうだ。カメラで見ながらマーカーを貼り付けて再計測したところ、回転角0°であることが確認できた(下中図、下右図)。
![]() ![]() ![]() ![]() 鏡面の右端部分。大体の形状は左に動いたことが確認できる。マーカーが1つしか見えないので回転の確認ができないが、少しモデルを右回転させた方がいいかも(下左)。ステージ駆動補正ファイルを撮り直して再度計測したものが下中、0.1°モデル右回転させたものが下右。中央との接続はこちらの方が良さそう。
![]() ![]() ![]() ![]() 再度中央付近に戻して計測。ほぼ同じ結果が再現されたので問題なし。若干マーカー位置が左回転だったので、モデルを 0.04°左回転させたものが下右(実際には新解析アルゴリズム試験のため測定からやり直し、モデル回転なしで同じ結果が出ることを確認してから左回転させたもの)。
![]() ![]() ![]() ![]() 上右と同じ 0.04°左回転のモデルで鏡面左側の結果に合わせたものが下左。モデルを更に左回転させて 0.08° にしたものが下中。こちら方が中央との接続が良さそう。 3つの結果をマーカー位置で合わせてつないだものが下右。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 上下反転させての中央部の計測。マーカー位置から 0.10°モデルを左回転させた。大体合っている感じ。左側(下中)は 0.08°、右側(下右)は 0.06°が良さそう。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 再度中央に戻って確認。マーカー位置からモデル回転角は 0.08°左回転。上左とほぼ同じ結果。つなぎあわせた結果を逆置きの結果と比較すると、左端の計測がエッジまで届いていなかった部分以外は大体同じ結果となっている。
![]() ![]() ![]() 鏡を前傾させて(下左写真)中央下側をとりあえず scan してみた(下中)。余り前傾させると危険なので、鏡の下端 1cm 近くまでしか計測できない。マーカー位置からの回転角は 1.30°左回転。ステージ駆動マップを再計測して撮り直してもほぼ結果は変わらず(下右)。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 続けて下側の左右。左下側(下左)の回転角は 2.15°、右下側(下中)の回転角は 0.58°で大体合いそう。 逆置きでの全測定結果を重ねたものが右下。表示範囲を±2μm にしてある。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 上下反転させて、中央部下側の計測。とりあえずの計測ののち、ステージ駆動補正マップを取り直して再度計測し、大体同じ結果が得られた。マーカー位置で決定されるモデル回転角は -1.00°。
![]() ![]() ![]() ![]() 続けて下側の左右。左下側(下左)の回転角は -0.02°、右下側(下中)の回転角は -1.80°で大体合いそう(但し、マーカー位置がちょっとずれている...)。 全測定結果を重ねたものが右下。表示範囲を±2μm にしてある。
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iwamuro@kusastro.kyoto-u.ac.jp