仮ドーム内の除湿

http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~iwamuro/Kyoto3m/dehumid.html

岩室 史英 (京大宇物)


●除湿機

  • 選定方針
    ホースによる排水が可能で連続運転できるもの
    安価かつ小型

    の条件で探した所、ナカトミ 除湿機 DM-15 が最適と判断した。仮ドームの対角隅の2ヶ所に設置しての運転では除湿効果が見られなかったため、1台追加して3台とし、両ナスミス台上と方位軸中心に配置して運転中。若干の除湿効果が確認できた。

  • 0〜100日目
    5/29 を起点として始めの25日間は仮ドーム対角に配置した除湿機2台での状態。3台目設置時に環境センサのコネクタが半抜けとなったため、その後1週間はデータが取得できていない。温度が2時間遅れの際の湿度は、望遠鏡架台の温度が周囲の温度変化に対し2時間遅れで変化する場合を想定して、その表面での湿度を計算したもの。水蒸気量は、その温度での飽和水蒸気量と計測された湿度から、単位体積あたりの水蒸気量を計算したもので、除湿機の効果の目安となる値。取得再開後の水蒸気量に注目すると、外気の水蒸気量が急激に低下した時以外は、外部に対し1〜2割の水蒸気量が減らせていることが確認できる。

    :ドーム内湿度
    :温度が2時間遅れの際の湿度
    :ドーム内気温
    :74ドーム外気温
    :ドーム内水蒸気量 g/m3
    :74ドーム外水蒸気量 g/m3

  • 100〜200日目
     一番ドーム内湿度が上がったのは 10/1 晩(126日目)と12/11(196日目)で、架台に結露した可能性が高い。10/2 昼のドーム南東角の様子は以下。地面がまだ濡れているが水溜りにはなっていない。また、11月以降、乾燥機があまり機能していない状態となってきている。

  • 200〜300日目
     冬季の1〜2月(217〜277日目)の期間中で、最低3度は結露したようだ。除湿機の効果はほとんど見られない(どころか、外気のほうが乾燥している!)。一度、様子を見に行ったほうが良さそうだ。

  • 300〜400日目
     春の4,5月は2度だけ結露した感じ。湿度は100% ではないが、地面は濡れている(377日目の写真)。6/15 以降、外気のデータが途絶えている。

  • 400〜500日目
    74ドームの気象モニタが本格的に壊れているようなので、これ以降は太陽クーデの気象モニタを参照する。長期に渡り仮ドームと74ドーム間の無線通信が途絶えていたためか、ログが抜けている。

  • 500〜600日目
    仮ドーム内の水蒸気量が外気とほぼ同じで、除湿機の効果が認められない。除湿機の効果を確認するため、555日目辺りで3台の除湿機を全て OFF にしてみる。


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