KOOLS 画像解析 概要
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~iwamuro/KOOLS/FLOW2/

岩室 史英 (京大宇物)


  • over scan 差し引きと bad column 補正

       生画像       補正後

  • bias 画像処理と差し引き&縞テンプレート生成

     bias 画像 x20     平均      差分 x20     縞成分1    縞成分2
    平均は2σクリッピングの5回反復で計算、20枚の差分画像から2種類の縞成分を生成する。

       平均       標準bias     低周波補正     最終bias
    bias は標準 bias 画像があるので、低空間周波数成分だけ当日平均を参照して修正する。

  • flatcal 準備

      flat 画像     Hg + Ne 画像    flatcal 画像

  • 変形マップ作成

      flatcal 画像      変形後    x 成分マップ   y 成分マップ  pix - 波長関係
    flatcal からスペクトル位置と波長を判定し、スペクトルを 7pix 間隔、0.25Å/pix で並べ替える。(dx, dy) 変形ベクトル情報を2つの fits で書き出す(画像変形の概要はこちら)。

  • flat 作成

      flat 画像       変形後    波長・psf 特性除去後
    変形後の flat 画像で、50pix スムージングをかけた平均スペクトルで全体を割った後、各行の平均を1に規格化したものを flat とする。

  • 縞除去用画像変形

       縞成分1    縞成分2               変形後

  • 観測天体画像変形

      天体画像       変形後

  • CR & 縞除去

       変形後      CR&縞除去後   確認画像1   縞成分1振幅   縞成分2振幅   確認画像2
    画像から天体と Sky スペクトルを3成分 fit で差し引き、各位置での S/N に合わせた閾値を上回る部分を内挿で補間、2つの縞成分の振幅と位相を最適化して差し引いた後(確認画像1)、差し引いたスペクトルモデルを足して元に戻す。除去前後の差分(確認画像2)で天体スペクトルを誤って除去していないことを確認する。

  • 一次元化

     CR&縞除去後                一次元化後
    一次元化した後、指定された波長範囲内でのカウント順に並べ替え、明るい側と暗い側からそれぞれ8段階で閾値を設定し、8種類の天体+Sky スペクトルと8段階の Sky スペクトルを作る。ここから最も天体スペクトルの S/N が大きくなる組み合わせを探し、差し引いて最終結果候補とする(ここでアパーチャと重みが確定する)。また、31分割した波長範囲内での合成イメージを作成しながら、高度角から予想される大気分散の方向と大きさに従ってアパーチャをずらしながらスペクトルを積算し、最終結果とする。ファイバー毎の重みはデフォルトではファイバー内での天体光量で決めているが、手動でも設定できる。

  • flux 較正

     較正後の天体スペクトル  標準星と効率補正データ
    標準星に対しても同様な解析を行い、カタログスペクトルから星の吸収と地球大気の吸収を除いたもの()と観測結果()の比から大気+装置での効率補正データ()を算出、これで観測結果を割ることで大気吸収と装置効率の補正を行う。効率補正データでは、大気吸収の変化の激しい部分はスムージングせず、緩やかに変化する部分はスムージングをかけて S/N の低下を防ぐ。


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