エラーについて

X,Yについては全く同じなので、ここではXについてのみ考えます。
X方向の重心位置は各エレメントの位置をXi , 重量をMiとして、
Xc=(ΣXi*Mi) / (ΣMi)
と書くことができます。 各パーツ(焦点系、M5 etc.)に対して筐体各部(取り付け面、リブ etc.) の重心位置や重量の誤差は十分小さいので、 ここでは各パーツによる誤差のみを考えます。
位置に関する誤差をdX、重量の誤差をdMとし、 これらは全てのパーツで大体一定だと考えると、 上式で分子の部分の誤差は、
σu2 = Σ( Mi2*dX2 + Xi2*dM2 ) = dX2*ΣMi2 + dM2*ΣXi2
で計算することができます。
※ここで、dX*dM の項は、和をとることによって打消し合い、  小さくなると考えています。
各パーツに関して和をとると、
ΣMi2 = 482.34 (kg2)
ΣXi2 = 22046.25 (cm2)
ΣYi2 = 23732.75 (cm2)
となっています。
また、分母の部分の誤差は
σd2 = Σ(dM2) = dM2 * (パーツの数) = dM2 * 16
ということになります。全体の誤差は、
σ2 / Xc2 = σd2 / (ΣMi)2 + σu2 / (ΣXi*Mi)2
で計算することができます。

dM=0.2kg , dX=3cm とすると、
σu2 = 9 (cm2) * 482.18 (kg2) + 0.04 (kg2) * 22046.25 (cm2) = 5221.5 (kg2・cm2)
従って、分母の誤差を無視すると(実際ほとんど効きません)
5221.51/2 / 142.69(重心の計算で考慮に入れている分の質量) 〜 0.5 (cm)
となって、約5ミリの誤差ということになります。
一応正確に計算すると、
σX = 0.507 (cm) (X方向)
σY = 0.528 (cm) (Y方向)
となります。

次に、ケーブル、ネジ、蓋など、計算に入っていないものの影響を考えます。 これらは、重量としては7-8kg(合計150kgになるくらい)程度だと思いますが、 その7-8kgの系の重心位置が今回の計算結果から10cmずれていたとすると、 全体の重心位置に与える影響は
7.5kg * 10cm / 150kg = 0.5cm
となります。各パーツのランダムな誤差の重ね合わせと同じ程度ですが、 全体として1cm程度の誤差と考えておけばいいと思います。