前回のミーティングで話が出たように、アダプターの形を変えて計算してみました。
計算したのは、アダプターを
  1. 帽子型にした場合
    (下から見た図)
  2. 何も補強を付けない場合
  3. 以前と同じ補強を付けた場合
の3通りです。アダプターは、帽子の「つば」にあたる所でコンテナに取付けること になるので、そこで固定してあります。2、3に関しては、 その点が以前の計算とは違うところです。
まずはこれら3つのアダプターの強度を比較するため、 望遠鏡が天頂を向いている姿勢でやってみました。

(1) 帽子型
変形図コントア(視線方向の変位)です。
最大で約104μmです。補強なし(下の(2)参照)に比べて改善はされているものの、 これでよしとするのは、かなり不安があります。

(2) 補強なし
変形図コントア(視線方向の変位)です。
(1)、(3)との比較用です。最大で約125μmです。

帽子型の場合と補強なしの場合の変位を、取付面との接触部だけを取り出して比べたものです。
(1)と(2)の比較
コントアのレベルを合わせてあるので、範囲外のところでは変な色(ピンク)になっています。 大体形は同じで、帽子型の方で、10-20μmくらいの改善が見られます。

(3) 以前と同じ形の補強を付けた場合
変形図コントア(視線方向の変位)です。
コントアで横に膨らんで見えるのは補強用の板です。
直接変位の量を比較する事はできないのですが、 以前の計算結果 とほとんど変りません。ただ、 姿勢が変るとこの姿勢では現れない影響が出てくる可能性があるので、 これから計算する予定です。

結論としては、10mmの板は、鋼鉄製であっても強度にはあまり寄与していない、ということです。 板をもっと厚くするか、何らかの形で補強を付けることが必要みたいです。
補強を付けた場合、分光器へのアクセスがしにくくなるという欠点がありますが、 補強板と分光器の位置関係を見た限りでは、 それほど問題ないような気がします。