特別セッション1:「すばる」と新中口径望遠鏡計画

招待講演


title: 未定

speaker: 山田 享 (国立天文台赤外線天文学・観測システム研究系)


すばる望遠鏡は、1999年1月にファーストライトを迎えた後、2000年 12月からは、部分的ながら共同利用観測が始まり、この4月からは、 すでに4半期目のプログラムの実行中です。まだ、装置試験観測も 続いており、公募夜数は半期で80ー90夜程度(最終的には120夜) ですが、その倍率は、課題数で5−6倍、夜数では7倍以上にのぼる こともあり、たいへん、厳しい競争になっています。  このような状況では、科学研究の重要なファクターである(よい意味での) 冗長性、そして、融通性が、あまり存在しません。私自身が、各大学の 中口径計画に期待するのは、まず、戦略的に、そしてフレキシブルな、そして 冗長性のある研究・開発が可能であることです。   すばる望遠鏡も、Intensive Program や、今後サービス観測の実施など、 なんとかまとまった時間の使い方、冗長性、そして機動性を目指していますが、 やはり、すばるを使う研究とは、現在のところ、まだ、究極の一点をねらう ものが多くなってゆきますし、また、それが自然なことだと考えます。  講演では、現在のすばるの状況を客観的にふりかえりつつ、日本の 光赤外観測天文学に足りないものを考えたいと思います。 その上で、中口径望遠鏡の必要性・有用性、「すばる」と中口径望遠鏡の の相補性、などについて話したいと思います。


title: 「岡山新天文台構想」

speaker: 太田 耕司 (京都大学宇宙物理学教室)


京都大学宇宙物理学教室及び付属天文台では、現在の国立天文台岡 山天体物理観測所に3m級の新望遠鏡を新設し、同観測所の京都大学 への移管を行うという計画を検討推進している。この新天文台は、 西日本の大学で共同して運用する新しいタイプの天文台を目指して いる。望遠鏡は、素早い駆動と広視野という特色をもったもので、 以下に述べるようなサイエンスを行うことを目指している。京都大 学では、突発的な天体現象の解明、とりわけ、ガンマ線バーストの 解明をめざす。X線衛星或は後述のガンマ線衛星とのタイアップに より、可視近赤外即時撮像分光観測を行う。これによって宇宙の暗 黒時代を探り、いつ天体形成が始まったかという問題に迫る。また、 広視野を利用して、Astro-F(IRIS)で発見される銀河の可視追求観 測を行い、その同定を行うことによって宇宙における星形成の歴史 の解明を目指す。他に装置開発、萌芽的サイエンス、学生の教育/ 研究にも使用する。広島大学では、現在ガンマ線衛星GLAST搭載検 出器を製作中であるが、これで見つかったガンマ線源の可視同定を 行うことによってガンマ線天文学を開拓を目指している。岡山大学 では、宇宙の化学といった分野の開拓を目指している。さらに、大学 /大学院教育の相互乗り入れ、社会教育等にも力をいれたい意向であ る。講演では、新天文台の概要とそのネライについて詳しく話をしたい。


title: 「マスマッププロジェクトとみちのく望遠鏡」

speaker: 市川 隆 (東北大学天文学教室 銀河ー実験観測グループ)


東北大学理学研究科ではマスマップブロジェクトを推進する口径2m望遠鏡 の光赤外線望遠鏡(みちのく望遠鏡)の建設を計画している。みちのく望遠鏡 による近傍宇宙(現在宇宙)と、すばる望遠鏡による遠方の宇宙(過去の宇宙) の相補的な観測によって、銀河・銀河団に付随するダークマターと銀河質量 の分布則の進化を解明するプロジェクトである。 銀河の数十倍の質量を持ち、宇宙に広がるダークマターは銀河、銀河団、 超銀河団の形成と進化を支配していると言われている。1930年代にその存在が 予言されて以来、その正体はもとより、分布さえはっきり解明されていない。 近赤外線の撮像観測は銀河の星系としての質量分布を最も良く反映すると言わ れている。そこでみちのく望遠鏡では近傍銀河・銀河団の近赤外線撮像観測を 基にその光度密度分布から星系としての質量分布を詳しく調べる。さらにモザ イクCCDカメラの長時間観測によってダークマターの分布をトレースすると言 われる銀河団ハローの検出を様々な年齢の銀河団について系統的に観測を行う。 一方、すばる望遠鏡用に開発している広視野赤外線撮像分光装置を用いて、 近赤外線による重力レンズ(weak shear)の手法から遠方宇宙での銀河団内の 質量分布と撮像観測による光度分布を求め、近傍宇宙との違いを解明する。


title: 「東京大学アタカマ望遠鏡計画」

speaker: 田中 培生 (東京大学天文学教育研究センター 赤外線天体物理学グループ)


我々がこの計画を検討し始めて3年あまりが経過しました。 この計画を発案するに至った理由、大学望遠鏡の必要性、日本および世界の現状、 サイト調査の現状、望遠鏡の特長、予算規模・年次計画・運用体制の見積もり、 計画推進の経緯、目指す天文学、大学間協力、など、望遠鏡を作ろうということは どういうことなのかについて、我々がやってきたこと・やろうとしていることを 話したいと思っています。



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