宇宙線分科会

座長からのメッセージ


2002年の宇宙線分科会は、"宇宙線ってなんだろう"という大きなテーマのも とで、宇宙線を研究することで、何が分かるのか・何を知りたいのか・何が期 待できるのかを勉強したり伝えたりしようと考えています。
 そこで、一般講演として、口頭発表・ポスター発表の参加者を募集していま す。上記の目的の通り、理論系・実験系を問わず、いろいろな分野の方々の発 表を期待しています。また、発表内容をより分かりやすく伝えられるようにす るため、自分が研究していること・計画していることを発表する方を優先した いと思っています。

●一般講演の募集

 ★口頭発表
発表時間は質疑応答を含めて一人15分(約10人)の予定です。なるべくたく さんの方に発表して頂きたいので、発表者の人数が多くなった場合は発表 時間を短くさせて頂いたり、人数調整をこちらでさせていただく可能性も ありますので御了承ください。

 ★ポスター発表
ポスターの前で、参加者からの質問に答えたり議論したりできます。参加 者は気軽に見ることができるので、たくさんの人に伝えられます。ポスタ ーボードのサイズは90cm×180cmを予定しています。A0サイズがベストな 大きさだと思われます。B0は貼れませんが、A4の紙をたくさん並べるのは 可能です。

●招待講演について
東京大学宇宙線研究所の福島正巳先生をお招きして ★☆「宇宙における最高エネルギーの素粒子を探る」★☆ と言う題で「最高エネルギー宇宙線」についてTelescope Array計画のお 話も交えながら話して頂く予定になっています。皆さんに最高エネルギー 宇宙線の夢を知っていただく良いチャンスだと思います。
 普段、聞けない話を聞いたり、質問したり出来る数少ない機会であり、あま り交流のない分野の方々と親睦を深めるチャンスでもあります。ですので、意 見・質問などある方、興味のある方や特に参加を希望される方は是非、  Email:  ss02cos-ray@kwasan.kyoto-u.ac.jp までお気軽に連絡下さい。

宇宙線分科会 座長団 平野直樹(名大STE研) 斉藤ゆか(名大STE研) 宮本陽一(名大STE研) 宮原ひろ子(名大STE研)

招待講演

title: 「宇宙における最高エネルギーの素粒子を探る」

speaker: 福島 正己(東京大学宇宙線研究所)


地球に降り注ぐ宇宙線には極めてエネルギーの高いものがあって、10の20乗電 子ボルトを超えるものが、明野観測所のAGASA空気シャワーアレイによっ て10例発見されている。 超高エネルギーの陽子宇宙線は、3Kの宇宙背景放 射に遮蔽されて1.5億光年より長い距離を伝播することはできない。従って、 これらの宇宙線は銀河系近傍1.5億光年以内の天体で加速されたと考えるのが 自然であるが、その到来方向には加速源となる高エネルギーの天体(活動銀河 核、電波銀河、ガンマ線バースト源など)が同定できない。この矛盾を説明す るために、初期宇宙で作られ銀河系近傍にダークマターとして集積している準 安定超重粒子の崩壊による2次粒子起源説、超高エネルギーニュートリノと宇 宙背景ニュートリノの衝突で作られた Z 粒子起源説、あるいは特殊相対論の 破れ説など、宇宙論や素粒子論に関連した興味津々の仮説が提案されている。 宇宙線望遠鏡(Telescope Array)計画は、米国ユタ州の砂漠地帯に多数の反 射望遠鏡群を設置して数万平方キロにわたる広大な領域を監視し、超高エネル ギーの空気シャワーが大気中を落下する際に発生する紫外閃光を観測する。こ れによって宇宙線のエネルギー・到来方向・粒子種を精密に決定し、宇宙にお いて最高のエネルギーを持つ素粒子の起源を解明する。



mail.gif ss02web@kwasan.kyoto-u.ac.jp

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