コンパクトオブジェクト分科会

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座長からのメッセージ


2002年コンパクトオブジェクト分科会のテーマ(というかスローガン?)は 「自分的コンパクトオブジェクト最前線」です。 一口にコンパクトと言っても文字どうりコンパクトな中性子星やクエーサー のように中心は割とコンパクトなBH、また、コンパクトオブジェクトから起 こる天体現象などさまざまです。 つまり、この分科会は分科会のようで分科してない非常に盛り沢山な研究発表 の場なんですね。 自分の研究を、そんなに専門でない方々にも、如何に理解または興味を持っ てもらええるかが第一条件になってきます。 だからといって敬遠しないでくださいね(笑)。 最前線と言っても本当に最前線(なら大いに結構ですよ)というわけでなく、 自分的最前線ですので遠慮なく応募して下さい。 皆さんの自分の信じる研究を、是非この機会に、観測や理論関係なく広め、 議論のきっかけにして欲しいと思っています。
招待講演は、米原厚憲さん(日本学術振興会特別研究員 PhD)と根来均さん (理化学 研究所協力研究員)にお二人の最新の研究をお話して頂きます。
一般講演は口頭発表(最大12名、質疑応答含め15分)とポスター発表 (15名程度)を予定しています。コンパクトオブジェクトに関する事なら ば内容は限定しません。
今年の座長団は、 中島 基樹 (日本大学 M2) 佐藤 和久 (京大 宇物 M2) 水澤 広美 (新潟大 宇宙物理研究室 M2) になっています。何か質問ご要望などありましたら、  # Email: ss02compact@kwasan.kyoto-u.ac.jp までお気軽に連絡して下さい。

招待講演

title: 「Extrinsic VariabilityからCompact Objectとその周りを探る」

speaker: 米原 厚憲(日本学術振興会特別研究員 PhD)


近接連星系中や、活動銀河中心等に存在するとされる、ブラックホ ール等のコンパクトオブジェクトとその周辺起源とされる光度変動 は、この系の物理を探る上で重要な情報源である。しかし一方で、 数的にはさほど多くは無いにしろ、この系自身起源ではないいくつ かの光度変動が存在することも知られている。この外的要因による 光度変動は、実は、最新の観測機器でも分解できない程の小さな空 間構造を明らかにしうる強力な「天文学の武器」となる。例えば、 近接連星系でしばしば食を利用して行われる、コンパクトオブジェ クト周りの降着円盤の空間構造のマッピング(eclipse mapping)、 そして、私の研究テーマの一つである、クェーサーの降着円盤の空 間構造を、太陽質量程度の天体によるマイクロレンズ現象で探る診 断法(microlens diagnosis)である。発表では、これらの種のマッ ピング法が、いかにしてすばらしい空間分解能を発揮しうるかにつ いて、理論的な背景と基礎の紹介を行い、これまでどんなことがな されてきたか、将来展望はどうなのか等について議論する。


title: 「ブラックホールに関する最近のトピックスと残された問題」

speaker: 根来 均(理化学研究所 協力研究員)


太陽質量の10倍程度ブラックホールは、ブラックホール候補星と呼ばれ、こ れまで主にX線領域でその特徴が詳しく調べられてきた。講演では、降着円盤 と呼ばれるブラックホール周辺の輻射機構の基礎から、最近の話題となった中 質量ブラックホールも含め、これまでに何が分かっていて、何が分かっていな いかをレビューする。  主な内容は以下の通り。 1. X線観測とブラックホール候補星の発見 2. 降着円盤とは 3. ブラックホールの性質 3.1 ステート 3.2 エネルギースペクトルと時間変動 4. ジェット天体 5. 中質量ブラックホール 6. (大質量/巨大ブラックホール) 7. 将来計画とまとめ


mail.gif ss02web@kwasan.kyoto-u.ac.jp

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