○講義タイトル: 恒星物理学

○講義番号: 3308

○担当教官: 嶺重 慎

〇連絡先: 宇宙物理学教室513号室,内線3901,shm(at)kusastro.kyoto-u.ac.jp

○対象回生: 主として 3 回生

○講義時間: 後期,水曜日,第2時限

○講義室: 理学部6号館304号室

○授業の到達目標及びテーマ:
 恒星の構造や進化の理解は,あらゆる天体物理学分野の学習の基本となる。本講義の到達目標は,
 恒星の内部構造や進化に関わる基本的事項の理解を通して,天体物理学における基本的な考え方を修得させることである。

○授業の概要:
 本講義では,恒星に関わる諸現象と関係する物理過程の基礎を解説する。主な内容は恒星としての太陽,
 恒星内部の原子核反応,恒星誕生と進化の道筋,恒星大気とスペクトル,コンパクト天体,連星系の物理など。
 理論的記述をベースにするものの観測による検証も強調する。 

○授業計画: 
 1.恒星としての太陽
       ・太陽の諸定数と内部構造(静水圧平衡,放射輸送,エネルギー源)
       ・星の安定性(一般論),太陽大気の構造(光層,彩層,コロナ)
       ・日震学(非動径震動,診断図,太陽内の音速分布,回転速度分布)
 2.核反応と元素合成
       ・熱核反応(p-p chain, CNO cycle, 3-alpha 反応)
 ・元素合成(核融合反応と中性子捕獲,r過程,s過程元素)
       ・太陽ニュートリノ問題(Davis の実験,カミオカンデほか)
 3.星の終末
       ・白色矮星(縮退圧,M-R関係,チャンドラセカール質量)
       ・中性子星(内部構造,パルサー,強磁場中性子星)
       ・ブラックホール(時空のゆがみ,熱力学)
 4.星の進化論
      ・主系列星(理論HR図,主系列星のM-R関係)
      ・低質量星の進化(巨星,水平分枝,漸近巨星分枝,惑星状星雲)
      ・高質量星の進化(玉ねぎ構造,iron catastrophe,U型超新星)
      ・星生成(星間雲の収縮,コア生成,Hayashi track)
 5.星団とHR図
      ・観測のHR図(スペクトル型,光度クラス,近傍星のHR図)
      ・星団のHR図(散開星団のHR図,球状星団のHR図)
      ・星の脈動の物理(励起機構,セファイド,RR Lyrae)
 6.連星系
      ・連星系のさまざまな分類と形成
      ・近接連星系(ロッシュモデルによる分類,質量・エネルギー輸送)
      ・半分離型近接連星系(Algol型,激変星,X線連星系)
       ・興味深い連星系(連星系パルサー,ブラックホールX線新星,SS433)

○テキスト: 主に Frank Shu 著 "The Physical Universe" (1988) を用いる。

○参考書・参考資料等: 必要な参考資料は講義において配布する。

○学生に対する評価: レポートを課し,その内容により行なう。

○関連ある講義: 太陽物理学、銀河・星間物理学

○修得しておくことが望ましい基礎知識、講義: 波動と量子論、熱・統計物理学1、
 天文学概論、基礎宇宙物理学I, II