温度変化に対する安定性

我々は温度の変化に伴い、エタロンの反射面間隔が変動することを見 い出した。 これは観測波長がずれることに相当するので、正確な観測を行うため には、このずれを把握する必要がある。 測定の結果、低分散エタロンと高分散エタロンのどちらに対しても、 1℃の変化に対して約20 Åの間隔の変動があることがわかった。 それぞれのエタロンでの波長分解能と使用次数とを考え合わせると、 この間隔の変動は、波長分解能の5分の1程度の波長ずれに相当する ことがわかる。 岡山では温度変化が大きいので、第1号機ではエタロンの温度を制御 することにより±0.5℃以内に安定化し、さらに時々波長キャリブレ ーションを行っている。 マウナケアにおいては、夜間は温度変化が小さいので、エタロン付近 をとくに温度制御することはせず、時々波長キャリブレーションを行 うことのみで、充分な精度で観測波長を設定できると考えている。