導入

我々は、京都三次元分光器第1号機を開発した (3DI: Ohtani et al. 1994; 1998)。 三次元分光器とは、空間二次元+波長一次元の計三次元の情報を取得 する分光器である。 京都三次元分光器は、i)ファブリペロ分光撮像、ii)マイクロ レンズアレイを用いたIntegral Field 分光(IFS)、iii)長スリット分 光、iv)狭/広帯域フィルタ撮像、の4種類の機能を備えた可 視光カセグレン装置である。 第1号機は岡山天体物理観測所の口径1.9メートル望遠鏡で稼働中であ り、活動性の激しい銀河についての研究を中心に天文学的な成果があ げられている (Ishigaki et al. 2000; Hattori et al. 2000; Ohtani et al. 2000; Ishigaki et al. 1998; Hayashi et al. 1998; Ohtani et al. 1997)。

これに比べ、第2号機(3DII) は、より広い波長領域をカバーしたり、より高 い空間分解能や効率を持つなど、いろいろな面で改善が施されている。 第2号機は、すばるのほか、ハレヤカラにある口径2メートルのマグ ナム望遠鏡にもその後(完全自動化が実現した後に)取付けられる予 定である。 マグナム望遠鏡に取付けるために、分光器の重量やサイズに対しては 厳しい制限が課された。